白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2016/05/28(土)   CATEGORY: 未分類
テンジン・チョーゲル「心の琴線」
5月28日(土)、来日したテンジン・チョーギャル(亡命チベット人)のライブ初日にいってきました。
相変わらず魂のきれいな、心揺さぶられる歌声で、あった。

1曲目は 「ハート・スートラ」(般若心経)。テンジンさんいはく「15年この曲を歌っているけど、この経典の深遠なる意味についてまだ理解できていない」日本でギャーテーギャーテ、ハラソウギャーテーと読むあのマントラを、彼はチベット風にガテー・ガテーとサビにするのだが、ガテーって「行け」ていう意味なので、あの声量で「ガテー」をやられると、Go! Go! Go !て言われているように聞こえる。テンジンさんはいつもこの曲からライブを始める。

 
2曲目は「五大元素を鎮める歌」。仏教では人間も世界も地・水・火・風・空の五つの元素からなりたつと言われている。これらに我々に障りをもたらさず、慈悲を与えてくれるように祈る曲。おそらくはこれは熊本地震などで大変な日本のために歌ってくれている。

3曲目「鶴の歌」(crane song)恋愛詩人として名高い、歴代ダライ・ラマの中でもとくに変わり種の6世の詩をもとにした曲。

4曲目は「スノー・ライオン」。スノーライオンはチベット国旗の真ん中に描かれる「おそれなきもの」の象徴。白い体ニ緑のたてがみをたなびかせ、優雅で傲岸不遜。チベット人は今中国の支配下で大変だけど、スノー・ライオンのようにおそれなきものであり続けている。

5曲目は「トンカ」(空) 1曲目の般若心経に説かれているのが空(くう)思想。形あるものは実体がなく、実体がなくとも形はある。「虚空は空」「大海も空」というさびは雄大。

6曲目は「ワン・ノート・ソング」

7曲目は「赤い湖」(ツォマル)  チベットには赤・青・白・黄・緑の五色の湖があると言われる。それぞれの色はこの世を構成する五大元素を表しており、我々の体内の水分とも呼応している。

8曲目は歌ではなく、リンブ(笛)。テンジンは物心つかないうちに国境をこえてインドに亡命した。チベット・ゲリラであったお父さんは顔もよく覚えていないが、長い髪をあんだ後姿と、笛をふいていたのを覚えている。だから、テンジンは父親の面影をおもって小さい頃から笛の練習をしていた。インドの笛をふいても吹き方はチベット風。

9曲目はサウンドチェックでできた今日できたばかりの即興の歌。「二つのラブソング」。弾き語りが終わると、寺原太郞さんが「さっきとぜんぜん違う曲になっている!」

10曲目が「小さな鳥」。この曲を歌う時のテンジンさんは小鳥のように楽しそうに歌う。小さい頃校庭の木にとんできた小鳥に、離れてくらすお母さんに自分のことを伝えてくれとたのんだ時のことを歌にしたもの。

そしてラストはテンジンのアルバムの題名にもなっている「Heart Strings」(心の琴線)「チベット人は観音菩薩の真言オンマニベメフンをみな唱えます。チベットにとってもっとも大切な方はダライ・ラマです。そのダライ・ラマは故郷を追われて60年になります。ダライ・ラマ法王が早く故郷に戻れますように。同じような境遇にある世界中のホームレスの人々も早く故郷に帰れますように」といって歌い出した。いつも思うのだが、彼のライブはいつも歌というよりは祈りである。

 さびは『チベットが勝利しますように」(プウ・ゲルロー)で、いつ聴いても泣ける。最後にこの曲の動画をはったのでみてください。さびの音量はかなり抑えて録音してあるので、実際はさらに迫力があります。そして最後に笑い話があるので、最後までご覧ください。

●テンジン・チョーギャル 日本ツァー 2016 feat. Jesse Paris Smith
■5月30日(月)高野山 青巖寺「Heart Strings」
 【出演】テンジン・チョーギャル(ドラニェン)、ジェシー・パリス・スミス (ピアノ)
寺原太郎(バンスリー)、ロビン Dupuy(チェロ)、ナナコ (Vocal)
 【時間】18:30 open 19:00 start 30名限定、お志
 【会場】高野山 青巖寺(せいがんじ)和歌山県高野町高野山628 1予約不要
■6月1日(水)大阪 チャクラ 「Heart Strings」
 【出演】テンジン・チョーギャル (Vo.Dra nyen)、ジェシー・パリス・スミス (ピアノ)、寺原太郎(bansuri)、ロビン Dupuy(チェロ)、中尾幸介(Tabla)、ナナコ (Vocal) 
 【会場】ヂャクラ http://www.chakra-jp.com/
〒530-0046大阪市北区菅原町6-12 Tel.Fax. 06-6361-2624
 【時間】開場18:30 開演19:30
 【参加費】予約3,000円 当日3,500円(ドリンク別)全席自由
 【予約先】Tel. 06-6361-2624 (チャクラ受付時間:15:00~23:00)
■6月5日(日) 東京タシデレTalk & Mini Live
 「What's Festival of Tibet?」テンジンさんがブリスベンで開催しているFestibal of Tibet の報告会&ミニライプを開催いたします。
 【出演】トーク:テンジン・チョーギャル、ゲニェン・テンジン、柳田祥子、寺原太郎ミニライブ:テンジン・チョーギャル(歌、ドラニェン)、寺原太郎(バーンスリー)他 【会場】チベットレストラン&カフェ タシデレ
 〒160-0002東京都新宿区四谷坂町26-21四谷坂町永谷マンションIF Tet.03-6457-7255 【時間】18:00開場、18:30スタート 20:00終了予定
 【参加費】1500円 定員:30名 ※要予約
 【予約先】Tel.03-6457-7255 (タシデレ)
NEWS!
☆テンジン・チョーギャル&ジェシー・パリス・スミスは今回、以下の公演にオープニングアクトとして出演予定です。イベント詳細は各会場HP等でご確認ください。
■6月4日(土)すみだトリフォニーホール
 「パルコ・プロデュース THE POET SPEAKES ギンズバーグ`へのオマージュ」 音楽:フィリップ・グラス、朗読:パティ・スミス
■6月7日(火)ビルボードライブ東京「パティ・スミス」昼夜2公演
■6月9日(木)ビルボードライブ大阪「パティ・スミス」昼夜2公演
■6月10日(金)音や金時「Heart Strings」ライブ
 18:30 open 19:30 start 2,700円
 【出演】テンジン・チョーギャル(歌、ドラニェン)、寺原太郎(バーンスリー)、池田絢子(タブラ)
 【会場】音や金時 東京都杉並区西荻北2-2-14 BF Tel.03-5382-2020
■6月14日(火)新宿 常圓寺 ミニコンサード
 19:00 start 2,000円
 【出演】Tenzin Choegyal (歌、ドラニェン)、寺原太郎(バーンスリー) 池田絢子(タブラ)
【会場】新宿常圓寺 新宿区西新宿7-12-5
【主催】チベットハウス・ジャパン
http://www.tibethouse.jp/event/2015/150904miniconcert.html
■6月16日(木)テンジン・チョーギャル ソロライブ@松本 てとて 18:30 open 19:00 start 予約¥2000 当日¥2300
 【出演】Tenzin Choegyal (歌、ドラニェン)
 【会場】ナチュラル・マーケットてとて 長野県松本市岡田下岡田454-1 Tel. 0263-88-6936  駐車場あり
https://www.facebook.com/events/1706428579606854/
■6月19日(日)テンジン・チョーギャル ソロライブ@
安曇野シヤロームヒュッテ 15:00 start 予約¥2000 当日¥2300 
 【出演】Tenzin Choegyal (歌、ドラニェン)
 【会場】オーガニック・レストラン&カフェ・シヤロム
長野県安曇野氏穂高有明7958 Tel. 0263-83-6245  駐車場あり
https://www.facebook.com/events/1057937314300959/
■6月20日(月)鎌倉 麻心「Heart Strings」 18:00 open 19:30 start
 2、500円40名限定 ※要予約
 【出演】テンジン・チョーギャル(歌、ドラニェン)、寺原太郎(バーンスリー)    池田絢子(タプラ)
 【会場】cafe & bar麻心
〒248-0016神奈川県鎌倉市長谷
2丁目8-11 Tel.0467-38-7355



※笑い話 

テンジンが寺原太郞さんの奥様、ゆり子さんの名前、「ゆり」について

テンジン「ユリはチベット語ではトルコ石の山っていう意味なのでとってもきれいな名だな」

寺原太郞「ボクの名前の『太郞』の音はチベット語でどういう意味になるの?」

テンジン「『馬の死骸』」

寺原太郞「ひどい。」

テンジン「お前は良い『馬の死骸』だ」
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DATE: 2016/05/17(火)   CATEGORY: 未分類
ダライ・ラマを中傷し続けてきたアノ集団が解散
四日間にわたる大阪講演をおえてダライ・ラマは土曜日に離日した。今回は大阪に行くことができなかったので、可能な限りライブ中継を見ていたが、その便利さに感動した。ノートもとれるし、愛鳥や愛猫にダライ・ラマ法王をおみせすることもできる。何かすごいよかった。ちなみに、すべての講演の録画が以下のYoutubeで公開されている。しかも、日本語同時通訳つき。

http://dalailamajapanese.com/webcasts/post/350-

 いにしえは、施主が高僧にお布施をはらって説法会を組織し、多くの人が高僧の教えにふれられるようにして、功徳を積んだものであるが、今や仏の教えは何カ国語にも訳されて電脳空間で聞くこともできて、電脳空間が封鎖されている中国人以外はどこでもその教えに触れられる。あとは聞く気になる心構えだけ。

 さて、朗報です。ダライ・ラマ法王の行く先々でアンチ・ダライ・ラマ・デモを行っていた某団体が、背後に中国共産党がいることをロイター通信に暴かれた後、解散を表明した。幸いにも日本ではこのグループの活動は上陸していなかったが、欧米ではかなり悪目立ちをしていた。

 かねてから「この運動の背後には中国政府がいる」とささやかれていたが、確固たる証拠がでないのに中国政府が背後にいるとかいうと、「日本のチベット支援者はアメリカから金銭をもらっている」などという陰謀論者と同じになってしまうので、疑わしきは罰せずと黙っていた。しかし、この抗議する人たち、異様に阿Q臭がするし、タイムズ・スクエアにダライ・ラマを批判するカンバンをだすなんてただの仏教集団にしてはお金がありすぎるとは思っていた。

 そしてロイター通信によって彼らはまっくろなことが判明した。

 では、以下にロイターの記事を翻訳します。原文はこちらをごらんください。

アンチ・ダライラマデモをしかけていた仏教集団が解散
2016年5月11日 ロイター
ジュネーブ、DAVID LAGUE AND STEPHANIE NEBEHAY

ダライ・ラマをしつこく追い回していた集団が中国が裏にいることをロイターに暴露されたとたんに解散。

ダライラマ14世に対して世界中でいやがらせキャンペーンを繰り返してきた仏教集団が、自らのウェッブサイトに「デモを停止し解散する」と告知した。

12月に「ダライラマが訪問するほとんどすべての国でダライラマに対してなされてきた抗議の背後には、仏教セクトがあり、このセクトは中国共産党が支援している」とのロイターの調査がでた後、この告知が出された。ロイターは「このセクトはチベットの精神的な指導者の評判をおとすための中国のキャンペーンの主要な手段となっていた」と明らかにした。

このセクトは国際シュクデン・コミニュティ(ISC)といい、このセクトの代表はウェッブサイト上の告知文の中で「ダライラマに対するアンチ・デモを組織することを完全にやめると決定した。」とのべ、何の説明もないまま、「3月10日以後、ISCとそのウェッブサイトは閉鎖する」と付け加えた。

この日付のないメッセージはISCの広報レン・フォーレイ(Len Foley)の名の下にだされた。このセクトの初期の出版物に記載されていたフォーレイの電話番号にかけると、現在は不通である。

香港を拠点とするISCの広報ニコラスピット(Nicholas Pitts) にコメントを求めたが返信はなかった。

ダライ・ラマはISCが解散したことについて気づいており、告知文の背後に何があるかについて問われると「分からない」と言った。

そして、ロイターの調査に対しては「あなた方の記事は完璧だよ。非常に総体的な説明で、とても有用だ。」と付け加えた。

本日ジュネーブで行われたマスコミの説明会を傍聴しながら、チベットの精神的な指導者はロイターの記者にそう告げたのである。

1959年に中国の支配に対してチベット人が蜂起し、それが失敗して、ダライ・ラマがインドに亡命してから50年以上たつにもかかわらず、ダライラマはいまなお中国の国内に住む600万人のチベット人に相当な宗教的な権威を行使している。このことが北京をつねにいらだたせ、彼らは日常的にダライ・ラマを分離主義者と非難し、中国からチベットを分離させようとしていると責め続けている。

アメリカでISCはカリフォルニアにおいて慈善団体として登録されており、2014年以来、その広報官は「自分たちは〔ダライ・ラマに対する〕抗議運動を組織する責務を担っているが、中国共産党との関係は否定する」といってきた。

抗議運動を行う人々はチベット仏教のパンテオンの中のドルジェ・シュクデン神を崇拝するセクトの構成員である。ダライ・ラマはこの神に対する信仰を禁止し、シュクデン信者にはこの神は悪霊であると警告してきた。

ドルジェ・シュクデンの信者たちは、80才になるノーベル平和賞受賞者を自分たちを弾圧し、チベット仏教を分裂させるものと責め立ててきた。

ダライ・ラマは「私もかつては無知からこの神を拝んだことがあります。しかし、この神はとてもネガティブで有害であることに気づきました」という。

●西洋人の抗議者たち

これは非常にわかりにくい、宗教的な論争である。しかし、それは西洋にもちこまれ、ダライ・ラマが説法に向かう先々の、北米、ヨーロッパ、オーストラリアの町で、ダライラマに対する抗議運動がおきた。

大半の抗議者は西洋人の新参者であった。彼らはより少数のチベット人の信者たちと協力して、スローガンを唱え、太鼓を叩き、時にはダライラマの説法を妨げ、予定を教えた。彼らはダライラマが偏屈者でニセモノだと責め立てた。

ダライ・ラマのもっとも最近の仕事に際してはおおむね抗議はなされていない。ダライ・ラマに近い人々の話によると、今週マディソン、ウィスコンシンを訪問した間、小規模のデモがあったのみだという。

ジュネープの国連ビルの向かい側には、ダライ・ラマの話を聞くために太鼓とチベットの旗をもった数百人の人が集まった一方、ダライ・ラマにむけての抗議行動はまったくなかった。

アメリカを中心に活動するチベット人で、昨年の抗議行動の際にISCの広報官をつとめた、ソナム・リンチェンは、集団がデモを中止した理由は分からないといった。

ソナム・リンチェンは中国との関係を否定し、「抗議を続けるかどうかは決めていない」といった。彼もシュクデン信者たちもダライ・ラマのシュクデンを拝むなという要求は内外チベットにいる信者とその家族を村八分にするものだ、と主張する。ロイターはこの主張の裏を取ることはできていない。

リンチェンは「真に苦しんでいるのは難民として生きるチベット人とチベットの内にいるチベット人だ」という。

ダライ・ラマはジュネーブで「なぜ私がドルジェ・シュクデンを拝むことを辞めたかを説明するのは自分の義務だ。彼らが耳を貸そうと貸すまいとね」と言った。

●ダライ「一派」との戦い

12月にロイターは以下の報告を行った。「2014年に中国の官僚に配布された中国共産党の内部文書には、シュクデン問題を「ダライ一派との闘争における重要な戦線」と記していた。

インドとネパールを基地としてシュクデン活動を行っていた元メンバーの僧ラマ・ツェタは「中国の強力な統一戦線工作部がアンチ・ダライ・ラマキャンペーンを指示していた」とロイターに語った。

ツェタは今はアメリカにすんでおり、中国は彼や他のシュクデンの僧にアンチ・ダライ・ラマ活動を計画しまとめるように金銭をわたしたという。彼は中国が抗議活動に金をだしたという文書による証拠を提出することはできなかった。

ロイターの調査はまた、「〔シュクデンの〕抗議が非常に執拗なので、アメリカ、インドそのほかの情報機関はシュクデンがダライラマの安全に脅威となると警告していた」という内部文書も明らかにした。昨年、二度にわたり行われたダライ・ラマのイギリス訪問に先立って、イギリスのダライラマ・法王事務所の代表は安全評価を行った。

シュクデンの信者たちが、共産党の支援を受けていたことについてロイターが中国外務省に問い合わせると、中国外務省は「ダライラマは宗教上の専制を行っている」と応えた。


12月のロイターの調査記事はこちらをご覧ください。
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DATE: 2016/05/10(火)   CATEGORY: 未分類
サカダワ月の朔日にゲン・ロサン先生逝く
五月七日の新月の日はチベット暦サカダワ月の一日である。このサカダワ月の間に行う善行はン万倍となるため、これから一ヶ月チベット人はせっせと善行に励む。とくに、サカダワ月の満月、今年の場合は5月22日はもっとも善行が効果的にふえるので、私は毎年この日に多めの寄付をする。

しかし、今年のサカダワ月は一日目から悲しい知らせがとびこんできた(文殊師利大乗仏教会の追悼ページ)。この日、デプン大僧院ゴマン学堂所属でギュメの副管長(ラマ・ウムゼ)をつとめていた、頻繁に日本にも来日されていたゲン・ロサン先生が遷化されたのである。
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 実は私が二年前の2014年8月に、ギュメ密教大学(ゲルク派密教の本山)に行った時、ちょうど若手のホープ、クンデリン・リンポチェがギュメに留学したばかりの時であった。クンデリン・リンポチェとはかつてはダライ・ラマの代替わりの際に摂政をつとめた非常に権威ある転生系譜の一つである。当代はまだ30そこそこで、博士の学位をとったぱかりで、その指導僧がゲン・ロサン先生であった。

 清風学園の校長平岡宏一先生は「クンデリンがギュメに来るのを前倒ししたのは、おそらくゲン・ロサン先生が次のギュメの副管長になるからですね」とコメントしたが、宏一先生のおっしゃる通り、それから一ヶ月後ゲン・ロサン師はギュメの副管長に就任した。つまり、二年後のギュメ管長が内定したのである。

 ところが、間もなくしてゲン・ロサン先生はこの人事を病により辞退したいと申し出た。あの見事な体格からは想像もつかないが、肝臓を病まれていたのである。ご病気は思いの外重かったため、今回の事態となった。

 ゲン・ロサン先生がギュメの管長になった姿を見たかったので本当に残念である。威厳のある方で彼の前にでると、チベットの普通のお坊さんたちは縮み上がっていた。日本で説法される際も、通訳の事を一顧だにせず、30分から40分ぶっとおしでチベット語でしゃべりつづけるのも大人物であった。ダライ・ラマも時間オーバーで語り続けるが、どうしてああなるのかというと、高僧が仏法をかたっている時、どんな理由であれ周りがさえぎることは恐れ多くてできないからである。
 
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今、学堂では葬儀としてシャーンティデーヴァの覚りへの道と中論を唱えている。写真はFacebookのGomang Ngariと文殊師利大乗仏教会から転載しました。

 ゲン・ロサン先生が所属していたデプン大僧院ゴマン学堂のがり(ラダック)の地域寮所属からの訃報を以下に転載する。
訃報
今日の夜明け、ギュメ副管長にしてみんなの師にしてクンデリン=リンポチェの師、ジェツゥン・ロサンツゥルティム・ペルサンポ猊下(ゲン・ロサン先生の本名)が遷化された。デプン大僧院ゴマン学堂ガリ地域寮の衆僧は非常にショックを受けており、冥福を祈るとともに、猊下の財産を管理する側近、有縁の弟子たちすべてに対して弔意を表します。

 ガリ地域寮全員がこの方の無上の慈悲とご恩を思い、〔肉体を離れた〕この方の深い御心が自然と完成し、仏教と有情の聖なる守護尊としてすみやかに再び生まれ変わられ、仏教の門に入られて地上のあらゆる大役をひきうけられることを、三宝と観音菩薩とグヒヤサマージャ尊に祈願を申し上げます。

 賢く・貴く・善良な三つの徳を備え、クンデリンの師であったジェツゥン=ロサンツゥルティム=ペルサンポ猊下は、ラダックのザンスカール地域のトンデ(stong sde)という谷に1953年にお生まれになり1973年頃にデプン大僧院ゴマン学堂に入門した。

 当時〔の難民社会の僧院は貧しく〕生活条件などが非常に厳しかったが、この方は求法の強い意志を持ち、するどい論理とくじけない勇気の力によって最悪の生活で満足しつつ、学習課程のテクストを聴聞し思弁し学習し教授することに通達されて、教授・ディベート・著作の三つ全部に比類ない方となり、1997年に博士の最高位(ゲシェ=ララムパ号)をえた。

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 仏教一般について、とくに最高なる依怙尊(ダライラマ)のご命令によって仏教の教育課程が崩壊していた学堂において聴聞・思弁・学問の基礎をつくられ、教授の旗をうちたてられた最高の方である。ダライラマのお考えにそって、学堂における説法、聴聞、学習、規律などの仕事に非常に貢献した。年々歳々多くの有縁ものに対して説法をしたご業績はそのご恩は深く、そのご事績は言葉を越えているのである。

 1993年に依怙尊ダライラマ法王の深慮によってクンデリン=リンポチェの師に就任された。この方がまだお若い頃から教師として傅き、亡くなる直前まで甚だしく深い仏法によって養育し、仏教の太陽の座におつけしたのである。

 ダライラマ法王の無上の慈悲によって加持されつつ、2014年にはギュメ学堂の副管長に推戴されて、仏教の大役をひきうけられ、雲一つ無い空の太陽のように輝いていらっしゃった。そのような時に、突然暗黒面のラーフラ(日食を起こす魔)に害されて、濁世の有情の少ない福徳の象徴に汚され、常見論者に正しい法を信じるように勧めるべく(仏は人々に無常を教えるために死ぬ)、サカダワ月の太陽がのぼるまさにその時に、デリーの病院において意識を法界にとけこませる様子を示された(亡くなられた)。この訃報を
 聖デプン大僧院吉祥ゴマン学堂ガリ地域寮が、サカダワの一日に献じた。
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DATE: 2016/04/20(水)   CATEGORY: 未分類
生き地獄からの帰還
 この十日間は地獄だった。4月5日、月曜に風邪に罹患し、それが喘息になり、その峠は7日から8日で吸入器でのりきったものの、9日から咳喘息となってむせるような咳がとまらなくなった。福原愛ちゃんがかかっているあれだ。

 そして10日の日曜日くらいから、咳でむせていると、脇の下から胸にかけて痛みが感じられるようになった。
 そこで12日の火曜日の午後、体の痛みを訴えに駅前の救急病院にいくと、イケメンの医者がプレドニンとテオールという喘息薬とホクナリンという貼り薬を処方してくれた。喘息よりも今は体の痛みの方がつらいのにと、コレジャナイ感があったが、とりあえずひきさがる。

 しかし、それらをのんでも、痛みはとまらず、軽い咳でも咳のたびに脇の下から肩と胸に走る激痛がどんどん強くなっていく。同日夜、夜ちょっとした咳を契機に上半身に走る痛みが耐えがたくなったので、救急病院の時間外診療にかけこんだ。午前の外来からまだ数時間しかたっていないのにまた同じ病院に夜戻ったのだ。

 すると驚いたことに去年喘息でかけこんだ時と同じく「医は仁術」のI先生と「白衣の天使」Kさんのシフトが当直をしていた。向こうも驚いていたが。で、前回私が飛び込んだのも火曜日だったそうな。

 私「Kさん、去年もうすぐチベットいくっていってらっしゃったけど、あれラルンガロですよね。ラルンガロいらっしゃいました? あのあと、ラルンガロの僧院長が日本にくるってことで支援者の方から連絡きたんですが、体調不良でお断りしました。」というと
 Kさん「行きました。ラルンガロって名前でした。でもすごい忙しい日程だったので何を見てきたのかもよく覚えていません。また行きたいです。不思議なご縁ですね~」

 I先生は血液検査とレントゲンの結果をご覧になり、さらに私の「喘息よりも今は体の痛みがつらいです。この痛みを何とかしてください」という訴えを聞いた上で、こうおっしゃった。
 「喘息による過呼吸からくるテタニーではないか、喘息をなおせば痛みもなおるのでは」、そこでやはり喘息の点滴をされ、咳止めのリン酸コデイン、ねむれる咳止めセレスタミン錠、痛み止めのコカール咳止めのくすりを処方された。

 なんか喘息の薬だけが積み上がっていくけど、本当にこれで痛みがとれるのか不安になる。しかし、人間的に尊敬できるI先生に言われたので、とりあえず先生のお見立てに従うことにした。
 
あけて13日の水曜日早朝。布団からでると、胃から胸部にかけてしびれているような気がするので、手でさすってみると、その軽い刺激があるそばから痛みが生まれ、生き物のように手足にひろがっていく。痛みででている部分は赤い炎症をおこしているようで、腕であれ方であれ赤くなっている。
痛むうで

 さらにその晩二度目のビッグウェーブがきた。シャワーをあびていると、水があたった上半身に鈍痛が感じられ、そのままちょっと熱い湯船にはいったところ、電撃がはしるようにその鈍痛が激痛に変わったのだ。さらに痛みは生き物のように全身を覆い太ももまで痛みはじめた。こりゃあかん。
 油におちたみたいに風呂から二秒でとびだして、とりあえず痛みがしずまるまでの一時間半のたうちまわる。これでは研究とか以前に生活ができない。

 ネットで調べて見ると私の症状は繊維筋痛症という女性に多い神経の病にあてはまる。患者数は多く、痛みの程度は人によって天候によって様々であるが、ひどい場合は末期がんなみの痛みに苦しみ、最悪車いす生活になる。神経伝達がくるって勝手に痛みを引き起こしているため、痛み止めは効かない。治療法は確立しておらず、運の良い人は一~二年で症状が軽快するが、ほんどの人はなかなか軽快せずドクター・ショッピングに陥っているという。

 なにこの救いのない解説。

 こんな病にとりつかれたら、研究も何もできなくなる。
 翌日14日の木曜日は敬愛するI先生の外来診療日なので朝一に救急病院にいき、いままでの経緯をうったえる。

 咳をしなくともわずかな刺激で痛みが始まること。その痛みはどんどん広がって強くなっていること。痛みのある部分には炎症がでて赤くなること、完全に痛みがひくまでは1時間半かかること。痛みがしびれ程度におさまっている時でも、いつまた痛みが動き出すかわからないので、こわれもののように体を扱うことになり、歩く時も痛む部分を刺激しないように忍び足で歩いていることなどを伝え、最後に「線維筋痛症ではないか」と伺ってみた。

 I先生は「私は確定診断のついた線維筋痛症は一つしか症例をみたことがありません。とりあえずこの痛みが始まる前にやっていたことをやめてみましょう。喘息の薬をぜんぶきってみましょう」とおっしゃる。敬愛するI先生のいうことなので、これまでの五種類の薬は全部やめる。
 翌15日金曜日は大きな痛みはこなかったので、やはりステロイド系のぜんそく薬の副作用か、これで快方に向かうかと希望をもったが、16日土曜日の朝、最盛期よりは若干痛みのレベルは低いながらもやはり同じような痛みの発作がおき、薬をきっただけでは回復しないことを思いしらされた。

 折しも、熊本で活断層が九州を引き裂き、大地震が続いていたが、自分の体でも同じように神経が引き裂かれて何度も何度も痛みがくる。マクロコスモス(自然)とミクロコスモス(人体)がシンクロし、ブラフマン(宇宙の真理)とアートマン(真我)が梵我一如である

 宇宙の神秘である。

 線維筋痛症は治療法は確立していないし、痛み止めはきかない。あきらめの早い私は、大学を休むかやめるかして、針治療と気功とお灸と漢方治療に専念しよう、ダンナは早めに退職させて(←ヒドイw)私の介護にあたらせようと、かなり本気の生活設計をたてはじめた。

 とりま、こういう自律神経の暴走は西洋医学よりも東洋医学がたよりになる。まずT先生から神のような鍼灸師のリストをいただき、ダンナは線維筋痛症外来のある医院を物色しはじめた。
 そのうち、線維筋痛症が寛解している人のブログにたどりつき、そこにでてきた繊維筋痛症専門の先生が、八味地黄丸をこの病気の治療に特許出願中というのを知った。
 我が家は東洋医学オタクなので八味地黄丸は普通に常備してある。しかしこの漢方は冷え性に対する処方であり、私の痛みはやけるような痛みがひろがり熱をもつタイプなので、冷え性とはいえない。
 一方、八味地黄丸と処方がある程度共通していて、熱をさげる働きのある瀉下補腎丸がある。瀉下補腎丸と線維筋痛症で検索しても何もでてこないが、こうなったら勘である。バクチである
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 ※ちなみに、我が家はオタクなので瀉下補腎丸も高熱発生時のために常備してある(爆笑)。

 この瀉火補腎丸を服用しだしたのが、17日の日曜日の晩。これがきいた。
現時点で20日水曜日であるが、服用後は激痛の発作がおきず、それ以前は激痛発作時以外にも続いていた体幹部や脇の下にあった鈍痛も軽減している。
 瀉火補腎丸マンセー。漢方マンセー。
 というわけで、私と同じような経緯で線維筋痛症的な症状を呈している方がいらっしゃったら、瀉下補腎丸をためしてみてください。ちなみに、寒性の人は八味地黄丸を試してみるといいと思います。
 少なくとも私の場合は明らかにききました。漢方薬局でいずれも手に入ります。漢方ですからステロイドのような強烈な副作用はありませんが、心配な方はお医者さんで今ある薬の飲み合わせとかを聞いてみるといいかと思います。

 一人でも多くの方が不条理な痛みから解放されますように。 
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DATE: 2016/04/10(日)   CATEGORY: 未分類
ダライ・ラマ法王春の来日
 喘息で昨日まで死んでいました。突然ですが、来月5月10日から13日までダライ・ラマ法王が来日し大阪で法話します。法話は四日間を通して行われ、最初の三日にシャーンティ・デーヴアの『入菩提行論』(bodhicaryavatara) の法話、最終日に文殊菩薩の灌頂というプログラムである。

 チベットではまず哲学・理論を学習してから、その理論を実践修行によって身につけるという、理論→実践という順序を重視する。理論のあとに実践があるのは、仏教の思想をきちんと理解した上でその内容を身につける行をするという意味があり、灌頂は実践行にはいる際の許可儀礼であるため、たとえ三日とは言えまず顕教を授業を受けた後、最終日に行に入る許可を受けるとは、極めて伝統的な法話構成といえる。

 今回のテクストとなる『入菩提行論』は、理想的な人間の生き方について説くもので、法王の法話では非常によく題材にされてきたものである。
 かの有名な

 「困難に直面した時、対処法があるなら全力でその対処法を行え。ないなら悩んでも仕方無いのでグジグジ悩むな」というあの金言も、シャーンティ・デーヴァの「忍辱波羅蜜の章」からの引用である。
※この忍辱波羅蜜の章は三浦順子さん訳で『怒りを癒やす』という書名で出版されている。

『入菩提行論』は感情のコントロールの仕方、人生における様々な不条理の乗り越え方、人がどうすれば幸せに生きられるのかなどについてのヒントを様々に我々に伝えてくれる。時間のある方は是非法話に参加されたい。

 しかし、四日間という法話を腰を落ちつけて聞ける人は日本人においては限られてくるだろう。
 三年くらい前、やはり大阪でダライ・ラマ法王の講演があった際、法王の興がのって終了予定時刻をすぎても話が続いたことがあった。すると、まだ法王が話しをしているうちに多くの人が席をたって帰りはじめ、私も気まずかったが、法王もドンビキされて「日本人は忙しいんだな」とジョークめかしていったのだが、帰って行った人々にもたぶん悪気はない。飛行機や電車の時間があったのであろう。その時は午後半日の法話であったにも関わらずその有様だったので、今回のこの四日間続けてという伝統的なチベット法話スタイルには「思い切ったことをしたな」とまず思った。
 
 この日程だと参加できるのは、学生、リタイア組、自由業、有給休暇がすきにとれる職場の人、あとは・・・。ツァー組んでやってくる外国の人達になるだろう。で、おそらくはこの一番最後の人々が今回の最大のターゲットの気がする。

 実は最近会場に台湾人、華僑、モンゴル人、韓国人の聴衆が増えていて、年々その勢いは増している。法王庁のサイトを見ても、今回の法話会は英語・中国語(簡体字・繁体字)・モンゴル語・ハングルと四カ国語で告知されており、通訳もこれらの言語に加えて、ロシア語も入るという。ロシア語しゃべりのチベット仏教徒ということはブリヤート、カルムキア人もくるのだろうか? かつてのチベット仏教世界の構成メンバーが日本で再結集しているようである。

 なぜ日本が集合場所になっているのかというと、アジアで法王にビザをだせる国力があるのは日本だけだからである(他の国は中国の圧力にびびってだせない)。チベット仏教世界の構成メンバーが近場でダライ・ラマに会おうとするとやはり日本が最短距離となる。日本人の内需が細った後に、外国人がおしかけてくるのは何か既視感があるんですけど。

 このメンバー中に中国人(中国籍チベット人・華僑も含む)が含まれていることに違和感を感じる人もいるかもしれないが、今中国は空前の仏教ブーム。昔バブル期に日本全国が拝金一色となった際に、その反動に神秘主義とかを嗜好する人々が増え、バブルの崩壊とともに消えたように、今の中国も拝金主義的な風潮に疑問をいだく知識人層が仏教の思想に共鳴している。

 社会主義革命はロシアでも中国でも宗教と名のつくものをみな破壊したが、経済は資本主義になっちゃった今、そんな時代の空気は遠ざかり、体制とタメをはれる勢力(ローマ教会とかダライラマ法王庁とか)との関係がない限りは、基本的には個人の宗教は放任されている。

 チベット僧(とくにゲルク派)がチベット本土でチベット人に仏法を説くのにはあれこれ理由をつけて邪魔するくせに、チベット僧が上海や北京の大都市で漢人に仏教をとくのはインチキ僧も含めて容認するという放任ぶりである。彼らにとってはインチキ宗教者は宗教の価値をさげてくれるので容認できるのである。また、まともな坊さんでも上海や北京の知識人を仏教の教えによって沈静化し現世の不条理をスルーするようにさせるのであれば、それはそれでオッケーなのである。
 何はともあれ中国政府は宗教の現世否定的・厭世的な側面は容認して政治利用することが現在の方針であるように思われる。

 では、法王来日の詳細を以下に記します。詳しくはこちらのフライヤーから)。


日時: 2016年5月10日(火)~13日(金)午前9時30分~15時迄
午前の部:9時30分~11時30分(4日間)
午後の部:13時~15時(4日間)

会場: 大阪府立国際会議場
入場料(四日間): A・B 席 30000円 ~ F席 20000円
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