白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2008/06/29(日)   CATEGORY: 未分類
イメージと実像の乖離が生む喜劇
 我が家のソニーのDVDレコーダーのご臨終がいよいよ近い。

 そもそも、買った当初から起動は遅いわ、リモコンの効きは悪いときたもんだが、最近はハードディスクが見ている最中に勝手に終了する、画面には下から白いシマシマがのぼってくると、か・な・り、キてる。

まだ買って三年なのにソニー無能!

 今ハードディスクにはいっている情報だってとりだせるかどうか微妙。三月のチベット蜂起の時のニュース番組とかとってあるんだけど。困ったー。

 で、買い換えるとして、何を買うのが一番いいのかダンナにアセスメントしてもらう。すると、HDとブルーレイが醜い争いをした結果、結局ブルーレイが勝ったので、パナソニックのブルーレイを十三万だか十四万(高!)だか払って買うのがいまのところ無難ではないか、とのこと。

 でもパナソニックって、北京オリンピックのワールドワイド・スポンサーじゃなかったっけ。

 今の時点で私がこれを買うと、パナソニックは「きっとオリンピックのための買い換え需要だー。やっぱりオリンピックのスポンサーしてよかったー」とか思うんじゃないだろうか。

それは極力避けたい。

 そこで、どうせ今回だって三年くらいしかもたなかったんだし、しばらくするとブルーレイレコーダーも少しは安くなるだろし、しょうがない。四万くらいのシャープのDVDレコーダー買って、他社がもっと安くて機能のいいブルーレイを開発するのを待つことにするかー。と結論。環境に悪いわー。

 そんなことがあったので、ちょっと気をつけてテレビCMを見ていたが、北京オリンピックまであと少しだというのに、オリンピック便乗商法の宣伝がほとんどないことに気づく。

 何かちょっと前まで「ママでも金! 地デジでも金!」とかいう谷涼子選手をつかったCMがうるさいくらいに流れていたが、あれ最近見なくなったよーな。

 こないだ広島行く時ANAの機内誌に「北京はオリンピックを控えてボランティア熱がまっさかり」とかいう特集組んでいて、「ああANAはオリンピック協賛企業か」と脱力したが、今山手線渋谷駅にはりまわされているANAのポスターはすべて、「花より男子ファイナル」とタイアップした「ANAでロサンゼルス ECO割」。

 本来なら「ANAで行く北京オリンピック」とかいう宣伝を流す時期に「花より男子」とは、ANAの苦衷が察せられる。

 気がつけば、オリンピックが近づいてくると各局競い合ってうるさいくらいに流すオリンピックのイメージソングもいまだ聞こえてこない。

 こりゃー、たぶんあれだ。

 「北京」とか「オリンピック」とかいう言葉が、ラディオアクティブ(radioactive)になって、広告に使えなくなったんだな。

 ラディオアクティブ(放射能を放つ)なコトバとは、「その言葉のイメージが悪いので、それを使った人まで汚染される」という、究極のNGワードを意味する、ジャーナリズム用語。

 チベット語の仏典には北京で刷られた北京版と呼ばれる一群のものがあるが、某仏教大学の学生は授業で「北京版」と言いかけて、「北京という言葉は口にするのもイヤですね」といっていた。
 
 まあ、ペンタゴン=アメリカ国防省 ワシントン=アメリカ政府 北京=中国政府をイメージさせるからね。

 中国の主立った観光地は四川・雲南・甘粛・チベットとかに集中しているが、コレも今回地震でこれまたくらーいイメージがつきまとう。
 
 とある知り合いの旅行社の方は「旅行産業は平和産業」とおっしゃられていたが、パナソニック以上にイメージ勝負の観光地は、一度悪いイメージがつくと大変であろう。
 
 「中国」という言葉自体が、「中国産毒ギョーザ」「長野の赤旗」「偽装ウナギ売れ残り百万匹」とかイメージがついてもうヘロヘロ。

 明らかにオリンピック便乗商法の一環と思われるアメリカのアニメ「カンフーパンダ」なんて、日本ではもう「パンダ」=「リンリンの急死」=「国家主席の訪日のおみやげ一億円貸しパンダ」をイメージさせるから、封切り前からイヤな感じ満載である。

 そう、中国はイメージ商法に利用するにはあまりにもリスクの高い国だったのである。

 イメージと実像があまりにもかけ離れていたから、このような悲劇(喜劇?)は生まれた。

 これを契機に、広告や宣伝で大衆が動かそうという思考、あるいはイメージで動くような安易な思考を再考してみるのもいいかも。
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DATE: 2008/06/24(火)   CATEGORY: 未分類
秘境(笑)チベット解禁!
 今年三月のチベット人蜂起以来、神秘のベールに閉ざされていたチベットに、ついに旅行許可の通達がでた。http://www.xzta.gov.cn/zww/lydt/lyxw/6442.shtml

 とりあえず、21日にラサの聖火リレーが終わったからだろう。
昨日のニュースによると三月の蜂起で拘束されていたチベット人のうち1157人も解放されたとのことだし。ある意味、わかりやすい中国政府。

 しかし、このラサの聖火リレー、どう考えても失敗だろう。

 当初より予定は短縮され、何かしそうな人はあらかじめすべて拘束下におき、さらにご丁寧に沿道での一般人の見物は禁止し、兵隊でバリアつくった厳戒下で開催である。こうまでしないとできない時点で失敗だよ。

 このリレー、ルートはノルブリンカからポタラ宮までを走ったらしいが、ダライラマ法王の夏の離宮と冬の宮殿を結ぶのであれば、ダライラマ法王の天覧が欲しいところ(ムリ)。
 
 有名な話であるが、昨年の外国人チベット旅行者のダントツ一位は日本人である。イギリスと並んでテツ(鉄道マニア)の多い日本人は、青蔵鉄道の開通を契機にどっとチベットにおしよせたのだ。去年放映されたNHKスペシャル「聖地に富を求めて」(中国人のチベットでのビジネスを批判的に描いたドキュメンタリー)で舞台になった高級ホテルも、日本人が上得意である。


 この鉄道の開通による観光客増をみこんで、ここ数年ラサは投資ブームにわいた。
 投資の行われるところには漢人出稼ぎ労働者が多量に流入する。すると、今度はその労働者をあてこんだ店ができる、といった具合に、ほとんどの金は漢人社会の中でまわり、チベット人はどんどんすみっこに追いやられていく。

 日本人が喜んで買い込んでいるいろいろな仏画や仏具や民具もチベット人の寺や一般家庭から二束三文で買い上げられて日本人に売られているのである。

 日本人は、知らないとはいえチベット文化の破壊に手を貸しているわけ。尾瀬の自然がうつくしーから、と山を愛する人々がおしかけた結果、観光客のだす生活排水で尾瀬死にかけたことを思い出すよ。

で、今回のチベット解禁は、ラサの漢人資本が悲鳴を挙げているからだろう。

 オリンピックの年、去年にもまして観光客がきて、ウハウハ儲かるぞー、と思っていたのに、三月の蜂起に五月の大地震。投資を回収どころか大赤字。一刻も早く、旅行者をいれたいのだろう。


 しかし、煙のあがるラサをテレビでみた日本人はしばらくは「気軽にラサ」なんてムードにゃならんだろう。

 そいえば今日渋谷の階段上の広告みてて面白いことに気がついた。ついこの間まで
「読売新聞は2008北京オリンピックの日本人選手団を応援しています」

という宣伝があったのが、玉木宏をつかった前のタイプの宣伝にさしかえられていた。

 日本人選手団と限定詞をつけていたところから、読売新聞も「北京オリンピック」を応援していると思われたくないんだろうなと思っていたが、それすら世間の冷たい目を意識してとっかえざるをえなくなったわけだ。

 それでも、青蔵鉄道のりたいという根性すわったテツの方、ラサではチベット人ガイド、チベット人ウンちゃん、チベット人経営のホテルをつこうてやってください。

 ていうか、テツはあとあと。

 まずジャーナリストの方、語学のできる方、入ってください。
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DATE: 2008/06/22(日)   CATEGORY: 未分類
広島でチベットを話す
土曜日、広島国際平和会議(2006年にダライラマ法王を広島におよびした団体)にお呼ばれしてチベットの歴史についてお話する。

 日帰りで広島となると、やはりCO2の大排出源(飛行機の賤称)を利用することになり、チベットが平和になる前に温暖化による異常気象で地球が滅びるかも知れない矛盾をはらみつつ広島空港につく。

 NくんとIさんが出迎えてくれて、市内まで楽しくドライブ。

 私「今回のチベット関連の発言で、男の人はあちこち気にしてぱっとしないけど、女の人ははっきりモノいってるよねー。ビョークが上海のコンサートでIndependent歌ってFree Tibet! 叫んだのなんて、フツーできないよ。だって、目の前にいるのは中国人の群衆だよ。根性座ってるよ。それにサンケイの北京特派員の福島香織さんも、北京にいながらよくはっきりものを言えるよねー。同じく、北京からチベット情勢を発信し続けたウーセル(唯色)さんもみんな度胸あるね。安全な日本にいてもびびって何も言わない人が多いのに」

 Iさん「腹をくくったら女性の方が強いですよね」

 私「男脳は組織とか人間関係とかをまず考えちゃうのかなー。ところでみんなお昼食べた?」

 NくんIさん「先生の飛行機が遅れたんで、食べてませんよ!」

 というわけで、お昼ご飯も食べないまま、会場に突入してお仕事。
 
 まず私が歴史学から見たチベットについてお話させていただき、次にダライラマ法王庁日本代表ラクパさんがお話。ラクパさんは世が世ならチベット大使の立場である。

 チベットの領域や、チベットが水資源やレアメタルの宝庫であること、これからは水の奪い合いの時代にはいるが、中国は他国に流れこむ水資源の流れをかえて自国に流す計画をもっていること、などを説かれる。

 それから、十分休憩があったので、わたくしは一階のカフェでツナサンドとジュースをかって二分で食べる。後半は、宮島の大聖院の吉田正裕座主と広島市立大学の水本和実教授のお二人を加えてチベット問題について語り合う。

 水本教授はもと記者さんだったとのことで、チベット問題をカンボジア内戦との対比で解説され、吉田座主は「良い種をまきましょう。良い行動をすればいい未来へつながります。無関心が一番いけません」と僧侶の立場から、チベット問題の平和的解決を訴えられる。

 私も司会者から「チベット問題はどうなるのか」とふられたので、
 未来にどうなるのかなんて誰にも分からない。ソ連が崩壊する時だって、あの通りに正確に予想できた人がどれだけいたか。今の時点で語ることができるのは、「こうあったらいいな」という希望か「こうあるべき」という理想くらい。後者の意味で語らせてもらえば、大多数の人々が不幸な中国の独裁体制が続くよりは、理性的で平和的でエコロジカルなチベット文化が勝利する方が人類の歴史にとってはいいことでしょう、とお答えする。

 
 で、つつがなく会は終わり、朝と同じメンバー、プラス、ラクパ代表とともに空港へ。広島空港に向かう山間の道はものすごい濃霧。話に夢中になる運転手のNくんが前方をまったくみないので、マジこわい。

私「お願いだから前を見て運転してぇぇ」
Nくん「イシハマさん食事は?」
私「ああ、わたしは食べた」
Nくん「いつそんな時間あったんですか。ボクは昼ご飯まだなんですよ」
私「八分の休憩時間に二分ですませた」

 というわけで、空港のカフェで四人でお茶。Iさんはもう夕方なのにやっとお昼ご飯である。悪いことした。楽しくお茶したあとラクパ代表と私は羽田行きの飛行機に乗り込む。

 席に着くと、どこからともなくかぐわしい香りがする。
 
 カバンを改めてみると、香りの発生源は大聖院の座主閣下の名刺であった。

 何となく幸せな気分になって羽田まで眠る。
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DATE: 2008/06/18(水)   CATEGORY: 未分類
今日は満月(サカダワ)

突然ですが、広島でチベット講演します


日時 2008年6月21日(土)13:00-15:30
場所 RCC文化センター7F3C 広島市中区橋本町5-11
お問い合わせ先:広島国際平和会議(詳細はここクリック
ゲスト: ダライラマ法王日本代表部ラクパ・ツォコ代表と私。




 今朝、不注意から庭でヤモリを踏んでしまった。
 たぶん、夜になるとお勝手の窓にはりついていたなじみのヤモリである。
 ヤモリに申し訳ないのと、自己嫌悪で、くらーい気持ちになる。

 そこで、広島のチベット寺に頼んで、ヤモリの冥福と自分の罪障消滅を祈願してもらう。

 夕方には法要をしてくれるというので、夕方に電話をすると、「ヤモリにオンマニペメフン(観音の真言)を唱えなさい」と言われた。

 「そして、本日は丁度サカダワだから、今日唱えるマニは功徳がありますよ」と。

 そうか、今日はサカダワ祭の日か。

 チベット暦のサカダワ月の満月の日、つまり今日は、仏様がお生まれになり、覚りを開かれ、涅槃に入られた日である。平和であれば、チベットの各僧院では盛大な法要が行われる日である。

 ラサがもし平和であったなら、ラサを一周するリンコルという巡礼路に巡礼者があふれかえり、聖地ラサを一周する日でもある。

 そして、信心深い善男善女の寄進をねらって沿道に各地から集まった乞食(自称も含む)が日傘をさしてづらりと並ぶ日でもある。

 三月からこっちの状況下ではラサのサカダワ祭は中止されていることだろう。

 しかし、盛衰が物事の本質であるので、衰退もサイクルの一つにすぎない。まあ、いつになるかはわからないけど、五十六億八千万年後かもしれないけど、必ず仏教はよみがえる。
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DATE: 2008/06/16(月)   CATEGORY: 未分類
譲れない一線
 13日の金曜日、「わしズム」の編集の方が研究室にお見えになる。

 雑誌原稿の依頼はだいたいメールのやりとりですんで、編集者の顔を見ないままの仕事がほとんどである。だから、本を作るとか対談とかにでもならない限り、編集者の顔を拝むことはまずない。
 
 うちの大学のpr雑誌『新鐘』の原稿依頼にいたっては、依頼書と台割が使いまわしの袋に入って学内便で届いたもんね(しかも原稿料はタダ)。

 そう考えてみると、編集者が来るとはおかしな話ではあった。で、そのわしズムの編集者は、雑誌についての説明を一通り終えると、a4一枚のパソコン打ち出しの紙をだしてきた。

 そして

「この四点については必ず書いてください」という。

 通常の雑誌原稿は「チベット問題の平和的解決」とか「チベット問題の歴史的背景」とか「~に書いたことをもっと詳しく」とか、漠然としたテーマを呈示されても、大体は著者の自由裁量で書かせてもらえる。「四点にそって書け」という時点でかなり特殊な依頼である。

 で、その四点。なんかパラパラとした思いつきの質問で、しかもそのうち一点はあまりにも下世話な内容。こんな内容バラバラの質問四つを一つの文章にするのは時系列でも、内容別でもムリ。箇条書きにしたQandAにするしかないだろう。でもそんな文章は書く気も起きない。

 項目の中に、チベットの光と影とかいうのがあって、影の一例として「サキャ派の女人禁制」があげられているが、意味わかんねー。女人禁制ってちゃんと修行している僧侶の話であってチベット仏教の輝かしい光の伝統である。影というならフツー 「地位を利用して贅沢な生活をしたり、密かに女囲ってる堕落した坊主」を指摘することだろう。

 「どうしてもこの四点にそって書かねばならないの?」と聞くと、

 「この三つは編集部が考えたことだからまだいいですけど、この項目(と、ある項目を指して)は小林よしのり氏のたっての希望なのではずせません。他に書いてくれる人を探します

 つまり編集者は、小林よしのり氏が「知りたい」と思ったことを書いてくれる人を探していたのだ(笑)。

 お引き取りいただく。

 料理のプロでないものが、料理の名前をいくつかあげて、これでコースを作れ、といったとしても、作る料理人はいないだろう。

 誰かが気分で曲を選定して、「これをオレの前で歌え」とか言われても、喜んで歌う歌手もいないだろう。

 まあ、よほどお金に困ってせっぱ詰まっている人だったら、そんな条件でも料理作ったり、歌歌ったりしちゃうこともあるだろうけど、そういうことするとストレスがたまって命が縮まる。

 私はストレスためたくないので即お断り。

 で、何となく気になって調べていたら、雷句誠というマンガ家が小学館相手に訴訟を起こしていることを知った。訴訟内容は小学館がマンガの原稿を紛失したことに対する賠償であるが、週刊誌そのほかの記事によると、雷句氏の意図とは、編集者の作者に対する傲慢な態度、また、編集者が作者の意志を無視してストーリーをおしつけてくることを糺したかったのだという。

 雷句氏はこの訴訟を契機に、小学館での断筆を宣言して、他の雑誌に移ることにしている。ここまで決意させるには余程のことがあったのだろう。何となく今回の私の些事を思い出した。

 理想論になるが、やはり編集と作者の間は主従関係になったらあかん。両者の間には当然信頼関係がなくてはならず、編集者は表現者としての作者を尊重し、作者も第一の読者として編集者の意見をきくべきであろう。互いに不信感があり、どれだけ自分の意見を何ポイント通すか何てことに気を使わねばならないような関係じゃ、ロクな作品はできない。

 あ、だから本も雑誌も売れない時代になったのか。

 そいえば五月三十日付けで『ダライラマの仏教入門』が6刷を記録し、文庫版になってから累計45000部になりました。とある知り合いの記者の話によると、チベットものは売れて1000部ということだし、ダンナの話によると、固い本としては昔『構造と力』がファッションとして買われて10万部いって記録的と言われたから、この45000部はスゴイといえる。

 みなさま、本当にありがとうございました。
  そいえばこの本の編集者は自分の学生でした(今はこの出版社にいないけど 笑)。 
しかし、この学生はダライラマの仏教入門が、はじめての一人で手がけた本であったため、やはり上の言うことをずいぶん聞かされた。タイトル、サブタイトル、猊下へのインタヴューの項目などはみな私たち以外のところで決まったものである。 

 それでも、ずいぶんワガママも通してもらった。それを通せたのは編集者が私を信頼して(あるいは怖くて)私の意見が通るようがんばってくれたからである。

 やっぱ編集者と作者の信頼関係は必要不可欠

  
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DATE: 2008/06/13(金)   CATEGORY: 未分類
大阪でチベットを話す

業務連絡

 「二丁目の鈴木さん」プレゼントありがとうございました。もしよろしかったら、所番地をお知らせいただけたら嬉しいです(いや、考えてみてもわかんなくて)。


 火曜日はお坊さんのお勉強会に呼ばれて大阪へいく。
 前は飛行機を使っていたが、飛行機はCO2をめっちゃ出すと知ってから、心を入れ替えて新幹線する。

 長く感じる、新幹線の乗車時間。
 でも、講演で使うパワーポイント直前までいじったから、このくらいの乗車時間があった方が、手抜きにならなくていいのかも。

 主催者の方から、「事前に拙著を送っておけば、会場に届けてくださる」と事前にメールを戴いていたにもかかわらず、版元からとりよせるのを忘れていたので、家にあっただけの『聖ツォンカパ伝』と『ダライラマの仏教入門』をしょって、新大阪におりたつ。

 まるで行商

 主催者からのメールによると、

 「●長が改良服をきてなんば駅にお迎えにきている」とのことであったが、

 改良服って何? ●長って何?

 難波駅についた私の目に飛び込んできたのは品の良い僧服をきたご年配の僧侶であった。改良服って、生活用の僧衣か。

 会場は橋下知事に危うくつぶされそうになった府立の某施設の会議室。お坊さんが聴衆なのでチベット問題ばかりでなく、ダライラマ猊下の仏教哲学なども一緒にお話させていただく。

 最後に、七月号の『大法輪』(私も拙文を書いてまーす)の巻頭言
「祈るだけでは平和はこない」をひいて、「チベットの平和を祈念する宗派を超えた僧侶の会」のアクションをご紹介させていただく。

 私の個人的な感想としては、僧団が社会に何か働きかけようとする時、俗人と同じアプローチの仕方、すなわち、直接社会に働きかけるのは芸がないと思う。僧侶であるならば、まずは仏教の思想や僧侶の高徳な行為などによって人々を感化していくという方向がのぞましい。しかし、まあ何かとてもムリな要求をしているような気もするので、人権聖火リレーが日本にくる6月18日に、増上寺に宗派をこえたお坊さんが何百人も集まるのもまあ、にぎやかでいいかな、と思った次第である。

 おかげさまでとても気持ちよくお話をさせていただきました。

 会の後、シタール奏者の石濱匡雄さん(私のご先祖を六代、彼のご先祖は八代?くらい遡ると、同じ人に交わる。彼の大叔父は東洋学の大家、石濱純太郎先生)とHさんとお茶をする。彼は15の時にベンガルにわたり本場の先生についてシタールを学んでおり、その活動もグローバルである。

 ベンガルは人種のるつぼなので、匡雄さんむろんシッキム出身のチベット人の友達もいたりして、チベット問題については前からそれなりの知識があったそうで、たしかに三月のチベット蜂起の折には、いちはやくチベットのためのコメントをだしてくれていた。

 イシハマ家のオタク度はやはりひと味違う。

で、以下、胡錦涛の裏話を書いていたんだけど、ネタもとの方が、人間関係を理由にやっぱナイショにとの申し入れがあったため、とりあえず消しときます。
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DATE: 2008/06/09(月)   CATEGORY: 未分類
どんなニュースも二週間か?
六日のお誕生日に、とあるステキな先生から、美しいガクアジサイの画像を戴いた。写真には花言葉は謙虚です、との詞書きが添えられていた。「そこで、アジサイの花言葉って花の色がころころかわるから、移り気かと思っていましたが」とお礼かたがたメールしたところ、お返事に

おっしゃる通り、アジサイの花言葉を調べたら「移り気」でした。そのほかにも、「高慢」「あなたは美しいが冷淡だ」「無情」「自慢家」「変節」「あなたは冷たい」など、ううむと困りました。なんとなく当てこすりになりそうな・・・そうでないような・・

で、ガクアジサイの花言葉が謙虚なのでその画像を送って下さったとのこと。

吹いた。

謙虚とはとても言えない性格ですが、これから精進いたします。

 アジサイの花の色のようにころころ移ろうものといえば、ニュースの内容。

「どんな悲惨なニュースも二週間しか取り上げられない。人の興味はすぐ移ろうから」とは、とある新聞記者の言葉である。

 それは表層的には真理であるが、わたしは一度報道されたものは、視聴者の深層意識に残るため、本質的には一度報道されたものは決して消えない、という方が正しいと思う。
 チベットサポーターは、四川大地震が来てからチベット問題はどこかへふっとんでしまった、と口を揃えて嘆くが、わたしはそうはいえないと思う。

 チベット人蜂起も四川大地震もビルマのサイクロン被害もテレビ画面やネットの話題ににでてくる回数こそへってきているけど、じゃあわれわれの中国やビルマに対する認識はそれ以前の何もなかった時代と同じものに戻ったかといえばそうではないだろう。

 拉致被害者の実在が公式に確認され、彼らの一部が帰還したことによって、北朝鮮報道が大きく変わったように、一度野に放たれたイメージは次の変動がくるまではレッテルを貼られる当事者がそのイメージ頑なに否定しようとも、そうそう変わらない。

 天安門事件からうすら19年、日本人の内なる中国イメージはどこまで悪化し続けるのだろう。

 というわけで、日本の大学で中国史や中国語を学ぼうという日本の学生がガタべりしている一方、日本を初めとする外国で学んだり働いたりする中国人の数は増え続けている。
 フクダ首相は中国人留学生倍増計画とかうちだしており、少子化に悩む日本の大学のいくつかはその政策に飛びついて、中国人留学生の日本語試験を免除したりして受け入れ間口を広げている。

 しかし、愛国教育で日本に対する負のイメージを植え込まれ、さらには日本語のスキルすらもたない中国人留学生が、一連の事件で中国に対して決していいイメージをもっているとはいえない日本社会とどのような摩擦を起こしていくのだろうか。
 想像してもあまり明るい未来は描けない。

 すでに起こってしまったこととして今年三月にデューク大学構内でおきた有名な事件がある。サンフランシスコの聖火リレーの当日、王千源さんという中国の女子留学生が、デューク大学内で、十人ちょっとのチベット派の白人たちを百人以上の中国人がこづきまわしているのをみて、仲裁に入った。

 怒れる中国人留学生集団は理系の学生が多かったため、英語があまり得意でなかった。そのため、彼女は中国人の言い分を中国語で聞いて英語で白人たちに伝え、白人たちの言い分を英語で聞いて中国語で中国人に伝えようとした。

 実にまっとうな行為であり、彼女がいかに知的で穏やかな大人な性格の持ち主であるかが知れる。
 
 しかし、中国人留学生たちは、「中国人は中国語でしゃべれ!」と彼女を責め立て、彼女は警察から保護されてその場を逃れた。

 そして翌日からサイバー空間で王さんに対する猛攻撃が始まる。

 公安しか知らない家族の市民ID番号がネットにさらされ、彼女の山東省の実家は窓ガラスがわられ、戸口にはわいせつなポスターがはられた。母校の高校では彼女を非難する集会が開かれ、卒業資格は取り消され、愛国教育が一層強化されたとのこと(Washingtonpost.com 20 April, 2008 | 日本語訳のページ)。

 日本にもルサンチマンの塊みたいな人はおり、自分の無知無能を他人や社会のせいにして、サイバー空間で人に罵声をあびせたり、実空間でも秋葉原で人を七人を殺めたりする輩はいる。しかし、あくまでも個人で行っていることであり、警察や学校が個人攻撃に荷担するなんてことはまあない。

 かの国の場合、公安や高校という公の組織が率先して、さらには大多数が参加してこのみっともない行為を行っているところが、シャレにならん。マトモな人を排除しなければ成り立たない政権なんて、客観的にいってもうダメだろう。

 それより何よりこの報道か流されたことにより、王千源さんの勇気と理性は世界中から賞賛をあびたが、自分が他人からどう見られているかの自覚もなく、ひたすら自分たちにしか通用しない論理をふりかざす中国人社会、中国人留学生に対する世間の評価は暴落した。

 これはいずれ当人たちが自覚するしないに関わらず中国人社会に効いてくる。

 船場吉兆が昨年偽装をしていたことがばれたあとも、ファンは一生懸命吉兆を支えようとした。しかし、食べのこし使い回し事件が発覚したのちは、さすがのファンももう支えきれなくなって、船場吉兆はつぶれた。

 高級料亭はのきなみにその影響を受けて経営が苦しいのか、今年はなだ万からお誕生日割引の葉書がこない。楽しみにしていたのに(私怨かい)。

 最近100均ショップでもJUSCOでも何気にメイドイン中国がへってきている。ギョーザ事件が、チベット蜂起が、画面から消えても、ちゃんと残るものはある。
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DATE: 2008/06/04(水)   CATEGORY: 未分類
アムネスティ会合の報告
 突然ですが、今日は六月四日。リメンバー天安門事件!

 ベルリンの壁が崩れ、東欧で一連の民主化が実現し、ダライラマ法王がノーベル平和賞とったたあの1989年。
 中国は6月4日に民主化を求める学生を戦車で轢殺した。

 あれから約20年、

 中国の共産党独裁は今日も元気です(いやちょっとかなりガタが来てるかな 笑)。


 月曜日はアムネスティのシンポジウム。打ち合わせ時(参加したのは長田さんとイシハマのみ)、パネラーが四人であることを知って、

私「船頭多すぎて船が丘に上がりますね。わたしはいなくていいんじゃないですか」
長田くん「いや、ボクが降ります」というぶっちゃけなやりとりがあったことからもわかるように、あの時間内にあの人数はムリがありすぎ。

 開演五分前に受け付け始めるのもあわただしすぎ。十分の休み時間に質問をかかせて、それをよんでしわけする、なんてこともそもそもムリ。結果として回収した質問にもほとんど答えられていないし。
 
 なので、質問されてお答えがなかったという方たちには、本当に申し訳ないことをした。ご意見は主催者へ直接どうぞ(笑)。

 で、一応内容のご報告。

 K先生のお話は長かったすね。
 最高齢であり愛知からはるばる来られていることもあり、口をはさむのは差し控えさせていただいたが、手短にいえば
「ダライラマ法王の非暴力思想を中国は理解していない。」
 という十五秒で終わる話である。

 ペマさんの話も長かった。要約すると
「ダライラマ猊下はずっと中国を信じてきた。死んだ人の約束まで護り続けてきた。約束を破ってきたのはつねに中国だ」
 これも十五秒で終わる。しかし、彼の感情に訴える血の叫びは日本人の魂をゆさぶっていたようなので、それはそれで意味があるのだろう。

 長田さんの発言は比較的簡潔だった。要約すると
「中国はチベットに投資して、チベットは物質的に豊かになったが、カネは漢人の中で回っている。また、厳然とした就職・賃金・就学差別は続いている」てなこと。

 で、私の発言は
「チベットと中国の関係は前王朝時代は比較的良好。しかし、1950年に中共が侵攻してからは、中共がチベットに行ってきたことはヒドイの一語につきる」てなとこ。仏教はそもそも王者の教え。人民中国に理解できるわけもないのであったった。

 ちなみに、あの席で私をはじめてご覧になった方が、私をもっと貫禄のある高齢の女性であると思っていたらしく驚いていた(JAICAの緒方さんみたいな)。

 わたしを高齢の女性と想像されていた方は、おそらくはこのぶろぐのオッサン臭い語り口からおそらくそのようなイメージをもつにいたったのであろうが、現物はソフトで知的なオネエさんである(W)。
 
 そのあとカルチャーにも来てくださっていた学生さん二人とゼミ生一人と長田さんたちとインド料理やで食事。わたしは時計を忘れてきていたので、気がつくと十一時近くなっていて、つきあわせてしまった方たちには悪いことをしてしまった。

 怪しいインドワインを飲んだら足にきたのか、地元駅の駅前でつっかかって何年ぶりかに転んで両膝・右肘を強打。次の日両膝は青タンになったため、しばらくはスカートははけない。つくづく厄日。
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DATE: 2008/06/01(日)   CATEGORY: 未分類
朝貢体制オリンピック
 チベットの暦について原稿を書かねばならない。「わかりません。別の人に頼んでください」といって一度断ったのに、ブーメランのように戻ってきてしまったこの仕事。

 仕方ないので、チベット本屋カワチェンに暦関係の本を買いにいく。しかし、そうやって手に入れた本を見ても、ワケわかんない図や表がみちあふれていて、人間の服を着た直立した蛇や牛が、干支にあたるくらいはわかるけど、それ以外はわからん。

 どうするんだ、イシハマ!  大丈夫なのかイシハマ!

 といってても仕方ないので、カワチェンの店主ケルサン夫妻と夕食をご一緒する。

 ケルサンの趣味で中国人の経営する居酒屋「悟空」にいく(笑)。店員がみな中国語をはなす店で、四川料理を食べながら、チベットネタを大声で話すチベット人と日本人。

 民主主義ってすばらしい。

 三月、チベット人が蜂起した時、ケルサン氏はアメリカにいた。その時、たまたま開かれていたアジア研究の会合に参加したら、時期が時期だけに、チベットが話題になった。すると一人の学者さんが「この会は研究をすることを目的しており、政治とは関係しない方がいい」といった。すると、それに対して一人のチベット人がすっくと立ち上がって「中国から来ているチベット人はみな政治的な意図をもって送り込まれてきている。すでに学問は政治に巻き込まれている」という意見をいい、結果としては「チベットをみんなでサポートしていきましょう、オー」ともりあがったのだそう。

 西洋人、健全だな

 たしかに、中国本土からきた学者さんは国策にそったご研究をされる方が多い。言論の自由のない国で学問の自由のあるわけもないからね。わたしたちは学問は事実や真理を追究するためにやつているが、かの国ではしばしば学問は政治利用される。

 これと同じ理屈で、多くの中国人は「オリンピックを政治利用するな」と言うが、そういってる当の中国人は国威発揚にオリンピックを政治利用しまくっている。

 国内で行われる聖火リレーが中国共産党の聖地や幹部の生地をめぐっているのは共産党を礼賛するためだし、チベットやウイグルをゴリゴリめぐるのは領土主張と、諸民族の共存をアピールするためだ。国際標準なんか何ひとつ考えちゃいねえ。

 オリンピックの開会式に各国の元首を呼ぶことにこだわっているのも、国際社会へデヴューをしたいなんて殊勝な動機からではない。昔ながらの伝統的な朝貢儀礼の再現が主要な目的である。

 朝貢、それは、世界の中心にある中華帝国に、異民族の諸王たちが中華皇帝の徳をしたって、集い、貢ぎ物を献じるという、メイドイン伝統中国の自己愛ファンタジーである。
 伝統的な中国の思想の中には、外交、国家などというコトバはない。国とは世界の真ん中にある中国ただ一つ。対等な他国なんて存在しないわけだから、国際社会なんて概念は端からありゃしない。

 各国の元首が今回のオリンピックで果たす役割は、中華王朝の偉大さを演出するためのその他大勢エキストラである。

 北京オリンピックは、中国の中国による中国のためのオリンピックとして徹頭徹尾企図されたものだ。

 もし中国がこのまま独裁政治を続けるのであれば、何百年後かの中国の史書に、「2008年、世界運動大会に各国元首が貢ぎ物をもって訪れ、中華帝国の書記に叩頭した」とか書かれるだろう。

 中国の歴史はいつでも「あるがまま」よりも「あるべき姿」を書いてきたからね。国際関係に関する漢文史料は対する国の史料でウラをとらないと歴史資料として使えないというのは学界の常識。

 だから、彼らがいう「~を政治利用するな」みたいなダブルスタンダードな主張に、国際社会はつきあってあげる必要はない。あくまでも普遍的かつ一貫した論理のもとに、国際社会は動けばいいのである。

 ケルサン氏は、「三月のチベット人蜂起以後、中国の代弁ばかりしていた日本の報道がずいぶんマトモになった、その結果、普通の日本人が(それ以前からチベット興味あった自分はフツーでないんかい)チベットに興味をもってくれるようになった」と喜んでいた。

 私は、欧米の厳しい対中政策を考えると、日本はずいぶん中国に甘いなあ、と思っていたが、このケルサン氏の意見や、一昨日韓国人の友人と話していたら、「それでも日本はまだ中国に対等にものいってますよ。韓国なんてやられっぱなしですから。韓国のネットでは"かつては日本に支配され、次はアメリカに支配され、今は中国に支配され"と嘆いてますよ」と言われこと、また、「チベット問題で文句をいった国はアジアでは日本だけだ」とか中国が言ってたことを思い出し、国際標準になかなかなれないアジアの中で、日本はがんばっている方だ、と少し自国を見直す。

 昔エコノミックアニマルといわれ、「カネしか眼中にないんかい」と言われていた日本人も、いまや、環境とか、人道とか、カネよりも大切なことが見えてきた今日この頃。

 このまま、国際標準に邁進するためにも、洞爺湖で「地球温暖化防止の音頭をとったついでに、チベット問題の解決にも音頭とってくれ」。というわけで、

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