白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2016/04/20(水)   CATEGORY: 未分類
生き地獄からの帰還
 この十日間は地獄だった。4月5日、月曜に風邪に罹患し、それが喘息になり、その峠は7日から8日で吸入器でのりきったものの、9日から咳喘息となってむせるような咳がとまらなくなった。福原愛ちゃんがかかっているあれだ。

 そして10日の日曜日くらいから、咳でむせていると、脇の下から胸にかけて痛みが感じられるようになった。
 そこで12日の火曜日の午後、体の痛みを訴えに駅前の救急病院にいくと、イケメンの医者がプレドニンとテオールという喘息薬とホクナリンという貼り薬を処方してくれた。喘息よりも今は体の痛みの方がつらいのにと、コレジャナイ感があったが、とりあえずひきさがる。

 しかし、それらをのんでも、痛みはとまらず、軽い咳でも咳のたびに脇の下から肩と胸に走る激痛がどんどん強くなっていく。同日夜、夜ちょっとした咳を契機に上半身に走る痛みが耐えがたくなったので、救急病院の時間外診療にかけこんだ。午前の外来からまだ数時間しかたっていないのにまた同じ病院に夜戻ったのだ。

 すると驚いたことに去年喘息でかけこんだ時と同じく「医は仁術」のI先生と「白衣の天使」Kさんのシフトが当直をしていた。向こうも驚いていたが。で、前回私が飛び込んだのも火曜日だったそうな。

 私「Kさん、去年もうすぐチベットいくっていってらっしゃったけど、あれラルンガロですよね。ラルンガロいらっしゃいました? あのあと、ラルンガロの僧院長が日本にくるってことで支援者の方から連絡きたんですが、体調不良でお断りしました。」というと
 Kさん「行きました。ラルンガロって名前でした。でもすごい忙しい日程だったので何を見てきたのかもよく覚えていません。また行きたいです。不思議なご縁ですね~」

 I先生は血液検査とレントゲンの結果をご覧になり、さらに私の「喘息よりも今は体の痛みがつらいです。この痛みを何とかしてください」という訴えを聞いた上で、こうおっしゃった。
 「喘息による過呼吸からくるテタニーではないか、喘息をなおせば痛みもなおるのでは」、そこでやはり喘息の点滴をされ、咳止めのリン酸コデイン、ねむれる咳止めセレスタミン錠、痛み止めのコカール咳止めのくすりを処方された。

 なんか喘息の薬だけが積み上がっていくけど、本当にこれで痛みがとれるのか不安になる。しかし、人間的に尊敬できるI先生に言われたので、とりあえず先生のお見立てに従うことにした。
 
あけて13日の水曜日早朝。布団からでると、胃から胸部にかけてしびれているような気がするので、手でさすってみると、その軽い刺激があるそばから痛みが生まれ、生き物のように手足にひろがっていく。痛みででている部分は赤い炎症をおこしているようで、腕であれ方であれ赤くなっている。
痛むうで

 さらにその晩二度目のビッグウェーブがきた。シャワーをあびていると、水があたった上半身に鈍痛が感じられ、そのままちょっと熱い湯船にはいったところ、電撃がはしるようにその鈍痛が激痛に変わったのだ。さらに痛みは生き物のように全身を覆い太ももまで痛みはじめた。こりゃあかん。
 油におちたみたいに風呂から二秒でとびだして、とりあえず痛みがしずまるまでの一時間半のたうちまわる。これでは研究とか以前に生活ができない。

 ネットで調べて見ると私の症状は繊維筋痛症という女性に多い神経の病にあてはまる。患者数は多く、痛みの程度は人によって天候によって様々であるが、ひどい場合は末期がんなみの痛みに苦しみ、最悪車いす生活になる。神経伝達がくるって勝手に痛みを引き起こしているため、痛み止めは効かない。治療法は確立しておらず、運の良い人は一~二年で症状が軽快するが、ほんどの人はなかなか軽快せずドクター・ショッピングに陥っているという。

 なにこの救いのない解説。

 こんな病にとりつかれたら、研究も何もできなくなる。
 翌日14日の木曜日は敬愛するI先生の外来診療日なので朝一に救急病院にいき、いままでの経緯をうったえる。

 咳をしなくともわずかな刺激で痛みが始まること。その痛みはどんどん広がって強くなっていること。痛みのある部分には炎症がでて赤くなること、完全に痛みがひくまでは1時間半かかること。痛みがしびれ程度におさまっている時でも、いつまた痛みが動き出すかわからないので、こわれもののように体を扱うことになり、歩く時も痛む部分を刺激しないように忍び足で歩いていることなどを伝え、最後に「線維筋痛症ではないか」と伺ってみた。

 I先生は「私は確定診断のついた線維筋痛症は一つしか症例をみたことがありません。とりあえずこの痛みが始まる前にやっていたことをやめてみましょう。喘息の薬をぜんぶきってみましょう」とおっしゃる。敬愛するI先生のいうことなので、これまでの五種類の薬は全部やめる。
 翌15日金曜日は大きな痛みはこなかったので、やはりステロイド系のぜんそく薬の副作用か、これで快方に向かうかと希望をもったが、16日土曜日の朝、最盛期よりは若干痛みのレベルは低いながらもやはり同じような痛みの発作がおき、薬をきっただけでは回復しないことを思いしらされた。

 折しも、熊本で活断層が九州を引き裂き、大地震が続いていたが、自分の体でも同じように神経が引き裂かれて何度も何度も痛みがくる。マクロコスモス(自然)とミクロコスモス(人体)がシンクロし、ブラフマン(宇宙の真理)とアートマン(真我)が梵我一如である

 宇宙の神秘である。

 線維筋痛症は治療法は確立していないし、痛み止めはきかない。あきらめの早い私は、大学を休むかやめるかして、針治療と気功とお灸と漢方治療に専念しよう、ダンナは早めに退職させて(←ヒドイw)私の介護にあたらせようと、かなり本気の生活設計をたてはじめた。

 とりま、こういう自律神経の暴走は西洋医学よりも東洋医学がたよりになる。まずT先生から神のような鍼灸師のリストをいただき、ダンナは線維筋痛症外来のある医院を物色しはじめた。
 そのうち、線維筋痛症が寛解している人のブログにたどりつき、そこにでてきた繊維筋痛症専門の先生が、八味地黄丸をこの病気の治療に特許出願中というのを知った。
 我が家は東洋医学オタクなので八味地黄丸は普通に常備してある。しかしこの漢方は冷え性に対する処方であり、私の痛みはやけるような痛みがひろがり熱をもつタイプなので、冷え性とはいえない。
 一方、八味地黄丸と処方がある程度共通していて、熱をさげる働きのある瀉下補腎丸がある。瀉下補腎丸と線維筋痛症で検索しても何もでてこないが、こうなったら勘である。バクチである
iskrasyakahojingan.jpg

 ※ちなみに、我が家はオタクなので瀉下補腎丸も高熱発生時のために常備してある(爆笑)。

 この瀉火補腎丸を服用しだしたのが、17日の日曜日の晩。これがきいた。
現時点で20日水曜日であるが、服用後は激痛の発作がおきず、それ以前は激痛発作時以外にも続いていた体幹部や脇の下にあった鈍痛も軽減している。
 瀉火補腎丸マンセー。漢方マンセー。
 というわけで、私と同じような経緯で線維筋痛症的な症状を呈している方がいらっしゃったら、瀉下補腎丸をためしてみてください。ちなみに、寒性の人は八味地黄丸を試してみるといいと思います。
 少なくとも私の場合は明らかにききました。漢方薬局でいずれも手に入ります。漢方ですからステロイドのような強烈な副作用はありませんが、心配な方はお医者さんで今ある薬の飲み合わせとかを聞いてみるといいかと思います。

 一人でも多くの方が不条理な痛みから解放されますように。 
[ TB*0 | CO*6 ] page top
DATE: 2016/04/10(日)   CATEGORY: 未分類
ダライ・ラマ法王春の来日
 喘息で昨日まで死んでいました。突然ですが、来月5月10日から13日までダライ・ラマ法王が来日し大阪で法話します。法話は四日間を通して行われ、最初の三日にシャーンティ・デーヴアの『入菩提行論』(bodhicaryavatara) の法話、最終日に文殊菩薩の灌頂というプログラムである。

 チベットではまず哲学・理論を学習してから、その理論を実践修行によって身につけるという、理論→実践という順序を重視する。理論のあとに実践があるのは、仏教の思想をきちんと理解した上でその内容を身につける行をするという意味があり、灌頂は実践行にはいる際の許可儀礼であるため、たとえ三日とは言えまず顕教を授業を受けた後、最終日に行に入る許可を受けるとは、極めて伝統的な法話構成といえる。

 今回のテクストとなる『入菩提行論』は、理想的な人間の生き方について説くもので、法王の法話では非常によく題材にされてきたものである。
 かの有名な

 「困難に直面した時、対処法があるなら全力でその対処法を行え。ないなら悩んでも仕方無いのでグジグジ悩むな」というあの金言も、シャーンティ・デーヴァの「忍辱波羅蜜の章」からの引用である。
※この忍辱波羅蜜の章は三浦順子さん訳で『怒りを癒やす』という書名で出版されている。

『入菩提行論』は感情のコントロールの仕方、人生における様々な不条理の乗り越え方、人がどうすれば幸せに生きられるのかなどについてのヒントを様々に我々に伝えてくれる。時間のある方は是非法話に参加されたい。

 しかし、四日間という法話を腰を落ちつけて聞ける人は日本人においては限られてくるだろう。
 三年くらい前、やはり大阪でダライ・ラマ法王の講演があった際、法王の興がのって終了予定時刻をすぎても話が続いたことがあった。すると、まだ法王が話しをしているうちに多くの人が席をたって帰りはじめ、私も気まずかったが、法王もドンビキされて「日本人は忙しいんだな」とジョークめかしていったのだが、帰って行った人々にもたぶん悪気はない。飛行機や電車の時間があったのであろう。その時は午後半日の法話であったにも関わらずその有様だったので、今回のこの四日間続けてという伝統的なチベット法話スタイルには「思い切ったことをしたな」とまず思った。
 
 この日程だと参加できるのは、学生、リタイア組、自由業、有給休暇がすきにとれる職場の人、あとは・・・。ツァー組んでやってくる外国の人達になるだろう。で、おそらくはこの一番最後の人々が今回の最大のターゲットの気がする。

 実は最近会場に台湾人、華僑、モンゴル人、韓国人の聴衆が増えていて、年々その勢いは増している。法王庁のサイトを見ても、今回の法話会は英語・中国語(簡体字・繁体字)・モンゴル語・ハングルと四カ国語で告知されており、通訳もこれらの言語に加えて、ロシア語も入るという。ロシア語しゃべりのチベット仏教徒ということはブリヤート、カルムキア人もくるのだろうか? かつてのチベット仏教世界の構成メンバーが日本で再結集しているようである。

 なぜ日本が集合場所になっているのかというと、アジアで法王にビザをだせる国力があるのは日本だけだからである(他の国は中国の圧力にびびってだせない)。チベット仏教世界の構成メンバーが近場でダライ・ラマに会おうとするとやはり日本が最短距離となる。日本人の内需が細った後に、外国人がおしかけてくるのは何か既視感があるんですけど。

 このメンバー中に中国人(中国籍チベット人・華僑も含む)が含まれていることに違和感を感じる人もいるかもしれないが、今中国は空前の仏教ブーム。昔バブル期に日本全国が拝金一色となった際に、その反動に神秘主義とかを嗜好する人々が増え、バブルの崩壊とともに消えたように、今の中国も拝金主義的な風潮に疑問をいだく知識人層が仏教の思想に共鳴している。

 社会主義革命はロシアでも中国でも宗教と名のつくものをみな破壊したが、経済は資本主義になっちゃった今、そんな時代の空気は遠ざかり、体制とタメをはれる勢力(ローマ教会とかダライラマ法王庁とか)との関係がない限りは、基本的には個人の宗教は放任されている。

 チベット僧(とくにゲルク派)がチベット本土でチベット人に仏法を説くのにはあれこれ理由をつけて邪魔するくせに、チベット僧が上海や北京の大都市で漢人に仏教をとくのはインチキ僧も含めて容認するという放任ぶりである。彼らにとってはインチキ宗教者は宗教の価値をさげてくれるので容認できるのである。また、まともな坊さんでも上海や北京の知識人を仏教の教えによって沈静化し現世の不条理をスルーするようにさせるのであれば、それはそれでオッケーなのである。
 何はともあれ中国政府は宗教の現世否定的・厭世的な側面は容認して政治利用することが現在の方針であるように思われる。

 では、法王来日の詳細を以下に記します。詳しくはこちらのフライヤーから)。


日時: 2016年5月10日(火)~13日(金)午前9時30分~15時迄
午前の部:9時30分~11時30分(4日間)
午後の部:13時~15時(4日間)

会場: 大阪府立国際会議場
入場料(四日間): A・B 席 30000円 ~ F席 20000円
[ TB*0 | CO*3 ] page top
Copyright © 白雪姫と七人の小坊主達. all rights reserved. ページの先頭へ