白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2006/11/21(火)   CATEGORY: 未分類
ダ・ヴィンチコードのヒロインは「般若」
日曜日、DVDでダ・ヴィンチコードを見る。

原作はゼミ生から借りて読んでいたので(買え)、ストーリーについていけないということもなく、まあ面白かった。

しかし、こんなキリスト教オタク向きの作品、日本のフツーの人がみて理解できるのかいな。

 「イエスは神ではなく人であった」
 「最初の司教はパウロでなくマグダラのマリアであった」
 「カソリック組織オプス・デイが、じつは信仰のためには人殺しもするかも」

 をセンセーショナルに感じるのは、敬けんなキリスト教徒か、あるいはキリスト教がある程度の力をもった社会の構成員だけだろう。

 ダ・ヴィンチコードのテーマは「男性中心の社会に女性原理を復活させる」というものである。

 カソリックの組織は男性優位社会である。どんなに勉強しても信者がいても女性は教会職にはつけないし、信者にたいして産児制限を否定するので、カソリックの女性は子供を産み続けねばならず(カソリックの強い地域では人口が多くなるのは信仰故のことなのです)、さらに夫がダメ夫でも離婚も許されない。
 その結果として、往々にして女性が忍従をしいられるため、リベラルな人々からカソリックはすこぶる評判が悪い。

 海外でダ・ヴィンチコードを礼賛している人々は、パターナリズムに対して多かれ少なかれうんざりしている人々なのだろう。

 しかし、

「この国では神はパワーレスである。」by ジョージアのCMでトミーリージョーンズ扮する人間に化けた宇宙人(ああ、ややこしい)

 日本人の大半にとって、キリスト教のイメージは、結婚式の時に新郎新婦に愛を誓わせるアヤシイ日本語をしゃべる神父か、クリスマスの時にプレゼントもってくる肥満体のじいさんくらいのもんだろう(しかもクリスマスは元来ケルトの民間信仰だったりするし)。

 だから、ニポン人でこの作品を礼賛している人は、この作品のテーマではなく、作品の舞台となったルーヴル美術館とか西洋中世のゴシック建築とか、そこに隠された歴史的なナゾとく部分にわくわくしたのであろう。

 いつもながら浅いぞ日本人。

 白雪姫は、オタクなので、カトリック教会のパターナリズムに対する批判の部分でも美術品にひそむナゾを解く部分でも、両方楽しめた。

 ちにみに、白雪姫はこの作品のテーマである「女性原理の復活による、男女の調和」という思想に反対ではない。ものごとに通底する両極性・両面性すなわち、男であれ女であれ、強者であれ弱者であれ、

 異なる二つのものが互いを尊重する時、そこにはじめて調和が生まれ、光が生まれる。

 一方、どちらか一方を否定して、残る一方でつっぱしれば、必ず破綻する。


 ダ・ヴィンチコードのヒロインの名前はソフィー(智慧)という。キリストが愛の人であったことは有名なので、ここでは、智慧は女、愛は男が象徴していることになる。

 一方、仏教でも智慧(仏教用語で般若)は女性、慈悲(愛)は男性が象徴し、この両要素をともに身につけて仏となるという思想がある。

 つまり、二つの両極が互いに融合してこそ、完全な人格(仏)は生まれるのである。
 声高に女権を叫んで男を否定するのでもなく、
「女に何ができる」と女をバカにするのでもなく、

 両者が互いを尊重することによって理想的な社会が生まれるのである。
 
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宰相 | URL | 2006/11/22(水) 00:05 [EDIT]
>二つの両極が互いに融合してこそ、完全な人格(仏)は生まれるのである

スターウォーズもそうですよね、ある意味。
● 聖書世界
ヲチ人 | URL | 2006/11/24(金) 18:57 [EDIT]
聖書世界は信者じゃないと楽しめませんね。
アガサ・クリスティーを読みながら、つくづく思いまする。
日本人で楽しめるのは、横溝正史か。
#京極はマニアックすぎて…
新「犬神家の一族」が楽しみ♪

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