白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2007/04/15(日)   CATEGORY: 未分類
ぶっせん(仏専)
 京都の居酒屋「和知」のご主人から、インフルエンザ見舞い(たぶん)に、『ぶっせん』(三宅乱丈作 大田出版)『とりぱん』(とりのなんこ 講談社)というマンガを頂戴した(ちなみに、これ以外にもお店手製のサバの薫製に、「空間」があったからと薫製にあうワインまで頂戴。ひたすら恐縮&ありがとうございました)。

 で、『ぶっせん』。

 これはもうおかしくておかしくて、涙流してバカ笑いしながら読んでいたら、ダンナは私がまるでインフルエンザの副作用でおかしくなったかといわんばかりに気味悪い目でみる。

 そりゃー少しばかりキてるかもしれないが、おかしいのは私の頭ではなく、このマンガ。

 物語の舞台は、臨済宗の貧乏寺、仏物専寺。歴史と伝統はあるが金はない。山の麓の金腹腹寺は真言宗なので現世利益でお金は潤沢、政治力もある。

 この食べるにことかいた貧乏寺の雲信は、仏教の専門学校(ぶっせん)を開いて授業料を集めてなんとかしのごうとする。生徒として集まってきたのは大学おちたりして行き場のない八人の若者たち。
 
 この八人がお約束で揃いも揃って○カばかりで、しかし○かさ加減も全員それぞれ特徴があって笑えるのだ。校歌は般若心経、視聴覚室は座禅堂、庫裡は職員室、女人禁制は男子校、校則は不殺生・・・。誰がみてもとただの修行生活を無理矢理学校生活と思いこまされ、生徒たちはここで二年の月日を過ごす。

  しかし、そうやって雲信がいかに苦労しようとも、集めた授業料は老師や居候の山伏(なぜ禅寺に山伏がいるのか永遠の謎)丸慶などに、キャバクラなどで消費され、生徒にだす食事にも事欠くように。

 結果、町の人から「ぶっせんの生徒がゴミをあさって困る。早くでていけ」とかカラスなみの扱いを受けることになる(笑)。

 この八人の中でももっとも○ホなのは、金持ち寺金腹腹寺から送り込まれたスパイの正助。たらこ唇に大きな目がチャームポイントで、とにかく超ド級の○カ。スパイ活動どころか、ぶっせんの生活になじんで、金持ち寺に帰ればごはんが食べられるのに、碁石をなめて空腹をしのいでいる。

 金腹腹寺の阿闍梨の四人の娘たちとぶっせんの生徒たちの恋模様あり、貧乏寺の和尚の一番弟子雲信と金持ち寺の一番弟子貞奉のいがみあいつつも時折みせるほろっとくるような友情あり、決して品がいいとは言えないが、ええ話が満載である。

 どこからみても仏教とは縁遠いどたばた喜劇シモネタマンガであるが、95話の連載の間に三回くらいは、ものすごくいいことを(キャバクラ)老師がいう。
 
 たとえば、最後に、貧乏寺をつぶして道路ができることになり、必死で寺を護ろうとする雲信をしりめに、老師はさっさと寺の土地を売り飛ばす(笑)。

 怒り狂う雲信に対して、老師は、雲信の中にある寺の存続に執着する心、「自分が一番正しい」と知に働いていてばかりのおごりの心をカッパする。

 そう、いい加減なようでも、老師はちゃんと雲信の先生なのだ。

 結局、ぶっせんはなくなり、老師はタヒチに遊興に旅立ち、生徒はそれぞれの道にすすむ。

 ぶっせんには何の意味もなかったのであろうか。

 雲信が当初考えた、般若心経を覚えること、座禅を組むことをぶっせんの目標と考えれば、ぶっせんは無意味だったことになる。

 しかし、八人の生徒が貧乏寺の仲間とのふれあいの中から仲間を大切にすることを覚え、また、一人の教師(雲信)が自分の心がなにほどのものかを自覚することができた、ということを考えると、決して無意味であったとはいえないと思う。

 仏青(ぶっせい)とぶっせん、何か音が似ている。

 諸行無常は世のならい。仏青がつぶれるようなこともあるかもしれない。そして、その時は老師も云うように、それを受け入れることも大切なのかもしれない。

 でも、今ここに仏青がある間くらいは『ぶっせん』のように「みんななーかーよーくー」(by 正助)何かを学べる場であるといいなと、思う。

 えらく身につまされるお笑いマンガであった。(※仏青のメンバーは頭いい子ばかりです。)
[ TB*0 | CO*4 ] page top

COMMENT

 管理者にだけ表示を許可する
● 三宅乱丈は神。
破顔@不捨室主 | URL | 2007/04/15(日) 21:38 [EDIT]
私も好きで、yahooブログのときに紹介したことがありました。
http://blogs.yahoo.co.jp/haganbisyou/793888/36864359.html(例によってヤフーブログの古い記事からはTBできなかったので、Fc2に移してTBさせてもらいました。)

どう考えても仏オタしかわかんないネタも満載なこの漫画。「絶版なのか途中までしか見つからないんだよ」とこぼしていたら、この間友人が「愛蔵版が出たよ」と教えてくれました。

しかし、あのキンキンプクジの伽藍はどう見ても高野山で、大門の門額のかたちまでしっかり写しているし、法衣の違い、雲信と貞奉の対話における合掌の違いなんかまできっちり描き分けられていてほんとにすごい漫画です。


● 三宅乱丈って女性なんですね
イシハマ | URL | 2007/04/16(月) 18:19 [EDIT]
破顔くんのページ読みました。
で、それを参考にマンガ読み直したら、たしかに合掌の形が真言と臨済でちがってますね。それに山門が高野山で本堂内が高野山と同じですわ。じゃあ、あの(肥満)阿闍梨が今の高野山の貫首? (笑)
● ぶっせん
maa | URL | 2007/04/16(月) 22:47 [EDIT]
昔、モーニングだかに連載していた頃面白くて読んでいたんですよね~。私も。
愛蔵版が出たのは知っていたのですが、「でも、いまさら買うのも・・」とためらっていたのですが、やっぱり買いたくなりました。
作者女性なんですか!
びっくり!
● 愛蔵版は三巻
イシハマ | URL | 2007/04/18(水) 10:03 [EDIT]
愛蔵版はいいですよー。書き下ろしがついていて、キクさん(95)がぶっせんに入ることになった経緯とか判明します。
女性が作者だと思えば、びみょうーにおちすぎていない品格に納得がいきます。

TRACK BACK
TB*URL
Copyright © 白雪姫と七人の小坊主達. all rights reserved. ページの先頭へ