白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2008/01/29(火)   CATEGORY: 未分類
韓国版『チベットを知るための50章』書評
日本の高校で韓国語を教えていらっしゃる、韓国人の某先生より、韓国版『チベットを知るための50章』のWebでの書評を翻訳して送っていただきました。
原文のサイトはここクリックです

 この書評を翻訳してくれた先生のお話だと、現在韓国ではチベットオリエンタリズムがブームだそうです。

 専門家として単純に喜ばしく感じるとともに、ハリウッドのセレブがチベット傾倒するように、韓流スターもチベット傾倒してこの本読んでくれないかな~、と思う今日このごろです(何考えとんじゃ 笑)。
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『チベット、ダライラマの国』
石濱裕美子 編著 / キム・ハンウン 訳

2007.8.18 /A5/336頁/15000ウォン(約1700円程度)

この本は今日世界で再評価されているチベット文化の多様な側面を過去から現在に至るまでチベット内外部の観点から総合的に紹介する、チベットのことが知りたい人々にとっては大変親切な入門書である。一部ではチベットの建国から中国の侵入により終末を迎えるまでの伝統チベット社会を、2部では人類精神文化の真髄を見せてくれるチベット仏教を、3部では仏教以外の生活文化、ボン教、医学、音楽、占いなどについて、そして4部では外から見たチベットのイメージ、5部では現在チベットが直面している様々な問題を提示している。


●編集者書評
教皇より尊敬されるダライラマ

7月中旬ごろ私達はマスコミを通じて興味深い外信記事に接した。ドイツのある週刊誌『シュピーゲル』のウェブサイトで、ダライラマのドイツ訪問に先立ち、世論調査を実施したが、驚くことに、ドイツの国民達は自国出身の現在のローマ教皇よりもダライラマをもっと尊敬しており、キリスト教より仏教のほうがより平和的な宗教だと思っているという結果がでた。ドイツ全体で仏教信者が1%に過ぎないことを考えると、これは驚くべきことと言わざるを得ない。韓国におけるダライラマの認知度はドイツより低いかも知れないが、チベット旅行を夢見る人は回りにいくらでもいる。しかし、こうしたチベットに関する一般人の高い関心度にもかかわらず、チベットの全体像を知らせてくれる正確な知識や情報を伝えてくれる本を見つけることは難しい。この本はチベットを知りたい人、チベットに旅行したい人々にとっては必見の入門書なのである。

神秘の地、チベット
「世界の屋根」と称されるほど、高い高原地帯に位置するチベットは世界の人々にとって無限の憧れの対象であった。特に物質文明が発達すればするほど、現代人の目にチベットという国は神秘的に見えた。国を失われたのにもかかわらず、チベット人は自らのアイデンティティを強化し、ましてや現代文明の最中に生きる人々をまでチベット文化へと同化させたからである。これを可能にしたのは、チベット文化の真髄である仏教文化であり、チベットの仏教文化は国境や民族を乗り越え、普遍的にアピールしかけたのである。


チベットを知るための50のテーマ
5部、50章からなるこの本はチベット文化の様々な側面を過去から現在に至るまで、そして内部や外部の角度から総合的に探求する。
1部「聖者達のチベット」では建国から始まり中国の侵略で終わるチベットの歴史をチベット人が信じているままに紹介した。なぜ客観的な史実をチベット人の見方から捕らえたのか。それは、チベット人は古代王朝を理想的な時代として捉え、それを現代社会に再現しようとする民族なので、彼らが信じている物語は事実であるかどうかとは関係なく人々を動かし、また新たな歴史を作っていくからである。

2部「雪国の仏教」ではチベット仏教を扱い、3部「暮らしの文化」では仏教以外の生活文化、ボン教、医学、音楽、占星術などを紹介した。要するに、1部で時間の流れに従い伝統的なチベットを紹介したのなら、2部や3部ではチベット文化を停止した視覚から捕らえたのである。4部の「チベットのオリエンタリズム」は外部から見たチベットのことである。いくら精神文化に重きを置くとはいえ、チベットも人間の住む国であるだけに、戦争や不正腐敗から自由にいられるわけにはいかない。しかし西洋人の目から見たチベットは常に俗世の埃の至らない「秘境」または「神秘の国」であり続けたのである。


にもかかわらず(または、そうだからこそ)、チベット文化は西洋文化に少なからぬ影響を及ぼしてきた。文学をはじめ、ハリウッド映画、ロックミュージック、ヒッピー文化、特に幻覚体験、そして最近は多くの瞑想センターにいたるまで、チベット文化は現代の大衆文化と密接な関係を結んできた。映画俳優リチャード・ギヤーやスティーブン・シーガールがチベット仏教の熱烈な信者であることはあまりにも有名である。ユーマ・サーマンの父であるコロンビア大学の教授、ロバート・サーマンはアメリカの代表的なチベット学者である。ユーマ・サーマンの名前「ユーマ」はチベット語で「中観哲学」という意味だそうだ。最後の5部「チベットの現在」はダライラマ、カルマパ、パンチェンラマなどの高僧たちに焦点を当て、チベット人が現在直面している問題を扱っている。

チベット文化の化身、ダライラマ
ダライラマは遠い昔チベットを祝福した観音菩薩の化身であり、開国の王、ソンツェンガンポの生まれ変われであるという面では1部で触れた神話を体現した者である。また、仏教哲学の大家という意味で、2部ではチベット仏教を具現した者になり、伝統的な僧院社会を生きる現代チベット人としては、4部で説明しているチベットとオリエンタリズムの具現者と位置づけすることができよう。要するにダライラマは神話と現実が交差するチベット文化の全ての側面を絶妙に具現している人物なのである。


「非暴力と平和」が「暴力と戦争」を勝つ日
チベットが中国の侵攻により独立国の地位を喪失、中国の一自治区となってしまってから半世紀以上が経った。ダライラマは故国のチベットを脱出し、インドのダラムシャーラーに亡命政府を立ち上げ、今日に至るまでチベットの国家的法統を守り抜いてきた。しかし、国を失ったほかの民族とは違い、チベット人の独立運動には特別な何かがある。つまり武力闘争ではなく、「非暴力」を固守するのである。中国の横暴を看過するため、問題の解決を遅延させるという批判の声もあるが、チベット人が武力闘争の道を選ぶということは、仏教徒としてのアイデンティティを失うということであり、それは国を失うことよりも悪いことなのかも知れない。もしチベット人が「非暴力と平和」を以って中国のナショナリズムの怒涛を乗り越え、自分達のアイデンティティと文化を守りながら国を取り戻す日が来るなら、それは人類の歴史の新しいページをめくる、世界史的大事件になるであろう。その可能性をダライラマの平和思想から合間見ることができる。

 
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COMMENT

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● 韓国版の表紙
モモ@大東 | URL | 2008/01/30(水) 11:27 [EDIT]
とてもオリエンタリズム溢れた素敵な装丁に仕上がってますね^^
書評も的確で、多くの韓国の方がこの本を手にとられることを
お祈り申し上げます。というか欲しいですよ、この表紙。
(もちろん日本版のも手に取りやすい表紙でいいですけどね♪)
ここのところ寒い日々が続きます。
先生も超ご多忙と思われますので、どうぞお風邪ひかれませんように。
● ありがとうございます
イシハマ | URL | 2008/02/01(金) 09:12 [EDIT]
ハングルまったく読めないので、自分の本かどうかもいまだ実感わきません。韓国は近い国なのに、ハングル読めないので、とても遠く感じます。韓国で電車なんかのってても、駅名がよめないから、とても不安になるんですよね。
 ところが、韓国の方は日本のチベット関連事情に意外に詳しいのでびっくり。

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