白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2008/05/13(火)   CATEGORY: 未分類
災異思想を思い出す
12日、午後、羌族・チベット族自治州の汶川を震源としてマグニチュード7.8の地震が発生した。

 汶川を奇しくも過去訪問したことがある。

 その時、コムスメだった私は成都にあるバックパッカーの宿交通飯店にとまり、チベットに行こうとしていた。当時チベットは団体旅行しか入境が許可されてぃなかったため、個人でチベットに行きたい場合は、成都などにおいて何人かでグループを作って現地の旅行社の催行するツァーに乗るのがフツーだった。

 もっとも早くチベットに入れるツァーを探すと、十日後のものしかなかった。成都で諸葛孔明の墓とか行ってみたけどどうにも退屈。そこで、交通飯店の一階に入っている旅行社の手配で一泊二日の羌族ツァーに出かけることとした。

 トヨタのランクルにのってまず「中国古代の黄河の治水工事」都江堰遺跡をみて、この工事をした李冰父子をまつる二王廟を見学。そのあと、ひたすら北上して汶川に向かう。

 単調な風景の川沿いの道をひたすら上流へ向かうのだが、ときたま川向こうに羌族の村があった。ガイドさんの話だと、もっと山奥にいた人々を山からおろしてできるだけ道沿いに定着させようとしているという。

 それから、かなり奥まったところにある羌族の〔観光用にセッティングされた〕おばあさんちにおじゃまして、ふかしたジャガイモとかごちそうになった。そのお家の裏には小川にそって霞かかった山奥に通じる幽邃な道がいっ本あり、なんか桃源郷の入り口みたいで、ついふらふらと登りたくなったことを覚えている。

 汶川につくと、そこは諸民族の入り乱れる小さな街で、解放軍の到達を記念したモニュメントがドーンとたっていた。街の中心でぼーっとしていると、羌族の衣装を着た人たちが籠とかしょって行き交うのが見える。

 そのうちの一人に自分の家に遊びにこないか、と言われたが、徒歩で三日かかると言われたのでやめた。
 
 これが何を意味しているか。

 道沿いにあるのは主に漢人たちの居住する街である。少数民族の村は道から徒歩でさらに奥地に分け入ったところにある。今回テレビに映っているような救援隊は、この街レベルでの救援を行っているのであり、道から外れたところにある羌族やチベット人たちの村は最初から見放されている。

 すでに漢人の支配で苦しんでいる上にこの災害である。敗戦後の日本に伊勢湾台風やら巨大地震が次々と来た状態と同じだ。人心がすさみきった所に大災害はくる。

 今、これらの地域は外国人の目から遮断されているので、詳細が伝わるのはずっと後になることだろう。衛星写真などがある国は、地震前と地震後でいくつもの村が壊滅していることをすでにしっているだろうけど。

 この地震はおそらく中国政府の矛盾を一気に日の本にさらすことになる。

 今回、震源からかなり離れたところにある小学校や病院が倒壊した。日本では大地震があると、学校は避難先に指定されている。公共施設は普通の家屋よりもしっかりたっているからだ。しかし四川省では、普通の家屋は建っているのに、公共施設が崩れている。

 今はみなはっきり口にだしていわないが、これ、役人がお金を不正に着服しているから、公共建築が“おから工事”(手抜き建築)になったり、そもそも古い建物の建て替えがすすまなくてそのまま崩れた可能性大。

 別に推測でもなんでもなくて、中国では役人の不正蓄財が社会問題になっていて、庶民は役人をまったく信用していない。だから、私でなくても学校がつぶれたのを見れば、みな同じこと考ると思うよ。

 想像してみて欲しい。

 自分の可愛い子供が、役人が私腹を肥やした結果、死んだとなったら、親は腹がたつだろう。子供を失った親くらい怖いもんはない。そこで政府が一つオリンピックで明るい話題で景気つけようとしても、被災者たちはそもそもテレビどころか、屋根のある場所にすめるかとうかすら分からない状況。おそらくオリンピックの祝賀ムードを損なわないよう、被災者はいずれテレビの画面から消されていくだろう。チベット人と同じように。そいえばチベット人は今回いずれの項目にもまたがっているな。つくづく不幸だよ。

 そもそも、儒教思想によると、天は支配者がダメダメな場合、天災を起こして警告する。それでも改めない場合は、怪異を起こして警告する、という。このような思考法を伝統的にもつ民族だから、被災地以外の人々にも微妙な不安感がいやましている。
 
 大体、聖火リレーだって、ロンドンでは四月に雪がふるし、長野も雨。天が聖火を消したがっているとしか思えん。その上この地震。

 天が災いを見せてもまだ為政者が行いを改めない場合、次は“怪異”である。

 で、怪異の次は・・・
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COMMENT

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domino | URL | 2008/05/14(水) 01:37 [EDIT]
はじめまして。
大隈講堂の脇のロータリーで単独自主参加でチベット国旗を振っていたものです。
白雪姫さんのブログ&HPそれからちょくちょく読ませていただいています。

>大体、聖火リレーだって、ロンドンでは四月に雪がふるし、長野も雨。
>天が聖火を消したがっているとしか思えん。その上この地震。

...そしてチョモランマの聖火リレー(どうもウソくさいけれど)。
とうとう「大地の母」もお怒りになったように思います。

災害に遭われた方々にはできるだけの援助と救済をと思いますが、
チベット人をはじめ他の少数民族の方々も見捨てないで!と
ニュースを祈るような気持ちで見ています。

遊牧民 | URL | 2008/05/14(水) 07:47 [EDIT]
汶川、二十数年前成都から紅原、九寨溝、南坪綿陽と川北一周した際に、昼食のため立ち寄ったことを思い出しました。中国西南地区の少数民族地帯を頻繁に旅しましたが、チベット族に限らず、ほとんどの少数民族は、多数族に追いやられ辺境へ辺境へと、さらには山へ山へと居住地を移して行かざるを得なかった歴史を持っています。それは多分中国大陸に限ったことではないと思われますが、それで軽くほっといてくれてる時代なら全てがほぼ自己完結で、たとえ災害に見舞われたとしてもまだあきらめがつくのかもしれませんが(あまり表現は適当ではありませんが)、強力に支配下に組み込みまれ利用されながら、都合が悪い時には切り捨てられる現在の有り様では、今後、ホントに暗い気持ちになります。しかし、ここまで天が見放すとは、指導者によほど「徳」がないと思われますな。
● これでも平和の祭典五輪を開けるのか
モモ@大東 | URL | 2008/05/14(水) 12:23 [EDIT]
オリンピックは単なるスポーツ大会ではなく、
スポーツを通じて世界の平和を願う目的もある。
こんな状況で五輪に大盛り上がりしている場合なのか。
疑問に思います。
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2008/05/14(水) 18:39 [EDIT]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
● 怪異?
桂木紗枝 | URL | 2008/05/15(木) 12:21 [EDIT]
はじめまして、早稲田の隣町に勤めております地味なチベットサポーターです。(ルンタプロジェクトに入っています^0^)
8日は昼休みに大隈講堂へ走っていきました!
地震まで発生して暗澹たる思いでおります。チベタンの方々がお祈りにいらっしゃるお寺に時々参加するのですが、静謐な読経の奥でどんなご心境か、己の無力さに臍を噛みます。
先生がおっしゃった災異思想ですが、ネット上で或るうわさを見かけました。
「龍が中国を見ている」

http://www.tenki.jp/him/ni/ni_24.html

さすがに龍。スケールが桁外れです。

ほんとうに、ウエイクアップ、プーチンタオ!
● ケガレとハレ
しゃも爺 | URL | 2008/05/16(金) 04:18 [EDIT]
>人心がすさみきった所に大災害はくる。

私も全く同じ事を感じました。
ご存じかと思いますが、民俗学では「穢れ」のことを『気枯れ』と表します。
読んで自の如く、人々の「気」が減退し、枯れた状態であり、それが病や不幸や災害や「魔」を呼ぶと考えるわけです。
圧政で虐げられ、それで滅入った気がさらに「魔」を呼び込む……泣きっ面に蜂というか、世の無常を感じざるを得ませんね…。
為政者が、その不幸の流れに少しでも早く気付くことを祈るばかりです。
でなければ、次に「魔」が降りかかるはまさしく我が身。
果たしてそれは天誅か人誅か、、、

他方で、数々の「魔」に逢いながらも、「気枯れ」ることなく明るく気高くその壮絶な人生を駆け抜けているあの御方は、チベット人にとって(あるいは穢れゆく大国にとって、そして我々にとって)、やはり光であり「ハレ」であり「気良め:清め」でありましょう。
最近よけいに眩しく惹き付けられるのは…おそらく私が穢れてきているせいですね(汗
● どうなるのかな?
カルマ | URL | 2008/05/16(金) 08:47 [EDIT]
四川省の未曾有の大地震。
ぼくは、ぼきんは、しばらく様子見です。
ミャンマーの台風の被災地に、肝心の赤十字や国境なき医師団が、救助隊が、入れていない。
軍事政権は、信用できない。
でも、地震被災地へ、地元や、上海や北京から民間ボランティアがはいった情報もあり、以前の大地震では、無かったと想うので、希望は、在ると思う。
今日は、赤十字に募金してこようかなと想う。

シラユキ | URL | 2008/05/18(日) 00:41 [EDIT]
>dominoさん
早稲田に来てくださってありがとうございます。

>遊牧民さん
HNからしていろいろ旅されている方かしらと思っていましたが、案の定、いろいろなところを旅されていらっしゃるよう。最近あてどない旅というのをしていないので、遊牧民さんのお話をうかがって旅に出たくなりました。

>モモさん

昨日、とある新聞社の方が、地震で中国に同情集まって北京ゴリン大成功間違いなし、とかいってましたよ。

>ゆずさん
政府に徳がないと、災害も、不景気もみな一番ヨワイとこにツケはでますよね。ソ連はチェルノブイリが崩壊の序曲になりましたが、今回もあと●年とかカウントダウンしている人がいるとかいないとか。

>桂木さん
チベット・サポートしてくれてありがとうございます。龍脈の話、わたしもネットの噂クリップしました。風水ってあるのかもしれませんね。

>しゃも爺さん
わたしもダライラマ猊下の高潔さと中国政府の×さを見るに付けても、光が強ければ強いほど、影も深いなあ、との感を強くしています。なんとかならんのでしょうかねの。

>カルマさん
十三億の中国人が世界中で災害を契機に一つになっています。一人一元でも十三億元。様子見していてもいいと思います。
● ボランティアが、・・・。
カルマ | URL | 2008/05/20(火) 11:00 [EDIT]
中国政府は、やっぱり、あほだ。
北京や上海、香港などから、最低、1億くらいの人数、自費でボランティアが、来る事くらい、想像できるのに。
なんで、現地に入った途端、ボランlティアが、厄介払いされるんだろう。矛盾している。(昨日のTBSのニュースより。)
奥の、少数民族自治区へ、彼らが入るのを、阻止したいものでも、あるのだろうか。
チベット自治区へ、入られたら困るものでもあるかのようだ。
2次災害で、200人生き埋めのニュースでも、わかるとおり、2次災害を恐れているのだろうと思うが、不気味だ。
● 北川県で。
カルマ | URL | 2008/05/22(木) 11:06 [EDIT]
今日の、愛読している、新聞の朝刊記事より。
北川県の住民に、メンヨウへ、避難命令。
残った救助隊隊員に防疫服、5千着の手配。
防疫部隊、北川県に6百人配属。
北川県には、通行証明書や、身分証明書を見せても、入れないらしい。
成都の病院でも、ガス壊疽が、流行しているとあった。

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● 大地に建つ―200年後の建築家と子どもたちへ
ロドリゲスインテリーン 2009/12/04(金) 23:23
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