白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2008/07/06(日)   CATEGORY: 未分類
深読みカンフーパンダ
 「インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの迷宮」を見てきました。

 初回では若さピチピチだったハリソンフォードも、いいじいさん。
 「この年になると失うものばかり」とか言う姿には哀愁すらただよう。
しかし、アメリカのお父さんはそう簡単にリタイアしません。今回も冒険活劇につきものの、謎解きと古代遺跡と家族愛をフルセットで楽しませてくれます。

  初回でヒロインを演じたマリオンが二十数年をへて息子(むろんオヤジはインディ)をつれて登場。第一作目へのリスペクトがいたるところにでてるのでオタクはチェックしてから映画館へ。

 ただし、行く先々で遺跡ぶっこわすインディは考古学者としてはサイテーだと思います。

 で、映画が始まる前に次回上映作品のコマーシャルが流れる。その一つにカンフーパンダがあった。アメリカのアニメーションの常として、でてくる主役級のキャラがどれもグロくてぜんっぜん、可愛くない。

 ポケモンがアメリカに輸出された時、ピカチュウが「最も愛すべきキャラ」に選ばれたところをみると、彼らアメリカ人の感性もわれわれと変わらないと思うのだが、だとするとなぜアメリカのアニメーションにでてくる動物はかくもグロいのだろうか。
 
 まあ、それはおいといて、予告編でみる限り、自他とも認める弱いダメ・パンダが「自分を信じて」修行をすることによって、平和の谷を救う、という、「空手キッズ」な物語。

 ああ、おこちゃまむけのカンフーアニメかあ、と思ったが、ちょっと気になったのが、敵役の名前がタイラン(Tai Lung)だったこと。

これ、タイラント(独裁者)を暗示しているのかな?

 だとすると、パンダはチベット高原東辺の動物だし*、ハリウッドはリベラルの牙城だし、ひょっとして中国に対する高度なイヤミを含んだ作品か?

 *亡命チベット政府はかつて「パンダはチベットの動物です」というキャンペーンを行ったことがある。しかし、パンダのいるギャロンは昔からチベット文化圏ではあるが、中央チベット政府とどっかんどっかんぶつかっていた地域なので、微妙な主張である。

 そう考えてみると、主人公のパンダの名前はポウ(Po)これは、チベット語でチベットを意味する「bod(po)」のと同じ発音である。

 ポウ(チベット)対タイラント(独裁者=中国政府)となる。

 これって、弱いバンダ(チベット)が強くなって、タイラント(中国)に闘いを挑んで勝つ、という暗喩かあ?

 しかし、なにしろカンフーパンダ、日本ではまだ封切りされていないので詳しいストーリーはわからない。そこで、英語のWiki でKung-fu Pandaをひいてみる。

 で、テキトーに把握したストーリーは以下のよう

レッサーパンダのシフ(先生)は、雪豹のタイランを子供のようにかわいがってカンフーを教えたけど、ドラゴン・マスターにしようとしたら、亀賢人に「不合格」と言われてなれませんでした。タイランはそれを恨んで暗黒面におちてしまい、谷を荒らします。レッサーパンダは涙をのんでこの愛弟子を倒して刑務所に送り込みます。

 しかし、タイランは脱獄。谷をまもるドラゴンマスターを選出すべく、五人のカンフーの達人(サル、虎、蛇、カマキリ、ツル)が天下一武道界を開いて戦うことになります。

 その会場に、ノーマークの食堂の息子のメタボ・パンダ、ポウが出現して、亀賢人は何とこのダメパンダがドラゴンマスターだという。みな半信半疑だが、とにかくレッサーパンダのもとでパンダは修行をつみ、とうとう龍の巻物を手に入れる。
 しかし、そこにはなーんも書かれていなかった。

 タイランをむかえうった五人の戦士たちは負け、平和の谷は危機一髪、さあどうするポウ。
 逃げまどう人々の中でパンダは父親とであう。父親はうちの麺のあじのヒケツは「ゼロ」(nothing)だ、と伝える。そこでポウは巻物の奥義が自分を無にすることである、と覚る。
 タイランとポウは対決し、ポウはタイランを打ち負かして谷は護られましたとさ。


 って、なにこの恐ろしいまでに単純なストーリー展開。

 それに、敵役のタイランは雪豹**。これチベット高原の生き物じゃん。

 **スノーライオン。かの有名なチベット国旗で、チベットの政治と仏教を象徴してむかいあっているあの動物よ。

 ここに暗喩を見ようとすると手、ギャロン政権(パンダ)とダライラマ政府(雪豹)の闘いになってしまう。

 ああ、18世紀の物語かあ。

 なわけもないから、ストーリーや動物の出身地を見ただけでは、風刺の意図があるかどうかは結論できず。

まあちょっとでも風刺のにおいをかぎとったら、上映禁止にする某国がいるから、収益を至上命題とするハリウッドもアブナイ賭けはすまい。

 しかし、この政治色を一生懸命消そうとしたその配慮の中にこそ制作者の意図をみてやりたいと思う。

 とりあえず、虎や龍といった中国イメージど真ん中の動物を主人公にせず、主役級をすべてチベット高原の動物(レッサーパンダ、パンダ、雪豹)にしたこと、ポウとタイランという主役二人の名前に何かがこめらてれいるのではないか、と深読みしてあげて、ちょっと評価したげるよ。

 見に行かないけどね!
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COMMENT

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● インディ・ジョーンズって
宰相 | URL | 2008/07/06(日) 19:01 [EDIT]
なんで単純な敵がいる時代しか時代設定できないんですかね。
ナチのつぎはソ連かい。ドイツでないだけ許せるけど。
● Nothing
Susumu | URL | 2008/07/06(日) 19:32 [EDIT]
インディージョーンズ、見てきたんでしけど、何も記憶に残りませんでした。Nothing!

国家というものに、僕はなんらの期待も持っていません。
国家(政治)というのは為政者にとって何が利益になるかが最重要なのであって、正義とか、理想とかを期待するのは幻想です。

僕が生まれたときからそうでしたし、今も同じです。
● 今年の映画は、レンタルやドマリです
カルマ | URL | 2008/07/07(月) 09:36 [EDIT]
たぶん、今回は、政治的背景は、ないと思う。
一昔前の、正義と悪の、・・・・・。
昔は、正義=アメリカ 悪=共産党・独裁者
いまは、おそらく政治的背景はないと思います。
インディは、面白ければいいや。
どうせ、破壊されたものは、スクリーンのなかだけだし、壊したい、けど、現実にそれをやると、犯罪になるから我慢している人が大勢居るから。
ただ、あまりにも、テロをあかったり、犯行シーンが、リアルすぎるとなると、問題になるでしょうね。
ジョージ氏も、スピルバーグ氏も、だいすきだから。
(子供の頃、夢の中で、ぼくを、ミヒャエル・エンデが、「スモール・レディ」って、呼んでいた。)

くろぼん | URL | 2008/07/07(月) 14:15 [EDIT]
ダライラマは政治は人を幸福にするための道具であって、それ自体が悪なのではないとおっしゃっていますね。
道具を使う人間の心次第なのだと。

チベットにしろパレスチナにしろ、
現在の不幸は国を持たざる民の悲劇でもありますので、
わたしたちも国家の枠組みで受けてきた様々な恩恵(基本的人権、福祉や治安や安全保障など)に感謝するとともに、その恩恵を持たざる人々に対して同様の恩恵を得させる枠組みの創出のために、個人レベルでまず何ができるのかを現実的に考えてゆく必要があるのではないかと思いました。

ゆず | URL | 2008/07/07(月) 18:23 [EDIT]
カンフーパンダは中国で「中国に対する侮辱だ。」とか諸々の理由で、上映が延期されてるらしいです。しかし、本当は政治的な意図があるのではないかと当局も警戒してるのではないでしょうか。考えすぎかとは思いますが、チベットと共通点が多いって事は…。人権問題にうるさいアメリカ人なら、そう考えておかしくはないと思います。

しらゆき | URL | 2008/07/09(水) 21:26 [EDIT]
>宰相君
善と悪をはっきりさせた設定を好むのはお子ちゃまむけだからでしょう。

>susumu先生
くろぽんさんもおっしゃってますが、政治も国家も運営する人次第で、良くも悪くもなるんだと思います。ただ今の世界、G8サミットで集まっている方たちとかを見るとよりにもよってなんでこの人たちが・・・と思います(笑)(ダライラマ)。

>カルマさん
スクリーンの中の破壊が現実を破壊することの補償になるからそれでいいというのは寂しい考え方。破壊衝動を自己分析して、なぜそのような気持ちになるのかを客観視して昇華させることが、破壊衝動の治め方の正道でしょう。

>くろぽんさん
まこと仰せの通り、政治、宗教などは運用する人次第。政治は汚いからといって遠ざけ、宗教はアブナイからといって避けても、問題は解決しない。これらを運用する人間を教育するところからすべては始まりますよね。

>ゆずさん
たしか反対する人の意見は「中国のパンダをつかって金儲けするな」という理由で、風刺に気がついた、とか高度な理由でなかったような。

>Jiro siwakさん
そのアニメ機会があったら見てみます。
● メンタルのはなしですみません。
カルマ | URL | 2008/07/10(木) 11:35 [EDIT]
犯罪心理学のお偉いさんのはなしによると、
詐欺師以外の、犯罪者の多くは、自分の衝動や、行動をコントロールする能力が根本的に、欠如していると、数年前に、図書館で借りた本にありました。
(ひとの受け売りだから。だから、どうしたといわれると困る。
 おきびきや、万引きをするお年寄りが、増えちゃとも。)
趣味や、やりがいのある仕事で、発散できる人、少ないのか、メンタル科も、医者が足りず、何処も、予約待ちです。
実家近くの市民病院のメンタルは、数年前、医者がたった一人だったため、初診に、2週間もかかりました。
(母が、痴呆から、幻覚が見え出して、おかしくなったのでみせに行ったとき。)
医者が足りないのは、何処の病院同じですが、やっぱり、日本のしゃかい全体が、どこかおかしい気がします。
● 何となく
ラズベリー | URL | 2008/07/10(木) 19:20 [EDIT]
カンフーパンダ、って嫌な感じがしてました。日本ならまだしも、チベット情報の進んでいる欧米人で、パンダはチベットの動物だって事を知らない人いないと思うんですよね。
だから、チベットを皮肉ったものかなぁ・・そんなの絶対に見ないし、面白くない!って思ってました。
ディズニーもハリウッド映画も20年位前に比べたら地に落ちましたね。



DB♪ | URL | 2008/07/13(日) 12:54 [EDIT]
パンダがいるのは、ギャロンでわ?


しらゆき | URL | 2008/07/13(日) 21:48 [EDIT]
>ラズベリー
わたしも深読みしてみたのは、「あの」ハリウッドが無条件に中国礼賛の映画を作るとは思えなかったからです。みてからでないと何とも言えませんが、あまり風刺性はなさそうなので、そうしてみるとやはり「地に墜ちた」ということでしょう。

>DBさん
そうでした。言葉が似てて間違えました。ご指摘ありがとうございます。本文なおしました。

DB♪ | URL | 2008/07/15(火) 01:08 [EDIT]
ギャロンはけんりゅーてーとも激しく戦っているので、タイランは、やっぱり、ズバリ中国を指しているのではないでしょうか?

雪ヒョウの姿なのは、邪悪な龍が世をしのぶ仮の姿……

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