白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2008/12/31(水)   CATEGORY: 未分類
死期が迫って真実を知る
 ブログを読んでくださったみなさま、今年一年、本当にありがとうございました。

 来年もよろしくお願いいたします。

 で、終わるのも何なので、コネタを一席。
 今日の朝日新聞の社説のタイトルみて仰天。

 「チベット問題―いまこそ対話の好機だ」

チベットで揺れた年だった。3月の騒乱に始まり、五輪の聖火リレーを巡る混乱は世界に広がった。今月には、欧州連合(EU)議長国・フランスのサルコジ大統領が、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と初めて会談し、中国の猛反発をかった。
 中国の外務省報道官は「祖国分裂をはかる政治亡命者と会ったのは、内政への乱暴な干渉で、人民の感情を大きく傷つけた」と言った。「靖国参拝を繰り返した小泉元首相と同じだ」という批判も中国国民から噴出した。
 ダライ・ラマと会談しないよう再三にわたり警告していた中国側は、フランスのリヨンで開かれるはずだったEUとの首脳会談を延期した。
 金融危機が実体経済にも及ぶなか、世界経済の立て直しに役割が期待される中国とEUのサミットが実現しなかったのは、極めて残念だ。
 サルコジ氏が中国の強い反対にもかかわらず会談に踏み切ったのは、人権重視の国内世論に配慮しただけでなく、中国側にダライ・ラマとの対話の重要性を改めてアピールする狙いがあったに違いない。
 3月の騒乱後、国際世論におされて始まったダライ・ラマの特使と中国当局者の対話は行き詰まったままだ。
 「独立ではなく高度の自治」というダライ・ラマの「中道路線」には変わりがない。だが、中国当局は「事実上の独立を目指している」と受け付けない。対話再開は、北京五輪に悪影響を与えないためのポーズだった。そう思わせるほどのかたくなさだ。
 そんな中国の姿勢に、チベット社会では若者を中心に「独立」を求める強硬路線が勢いを増している。先月の亡命チベット人会議でも、中道路線継続は確認したものの、中国側が前向きに対応しなければ、独立を要求する以外に道はないとの声が大きかった。
 チベット人はチベット自治区以外にも暮らし、チベット仏教を信仰するのもチベット人に限らない。このため、ダライ・ラマの求める「自治」の範囲への疑念が、中国当局の頭から消えないのかもしれない。
 しかし、中国はやはり、チベット社会で幅広い支持を得ているダライ・ラマとの対話を進めるべきだ。
 ダライ・ラマの73歳という年齢を考えて、対話を先送りするという思惑も一部にある。だが、それでは両者をつなぐパイプがつまり、強硬派を勢いづかせて再び騒乱を招きかねない。来年はチベット動乱から50年という敏感な時期でもある。
 日本政府はチベット騒乱後、欧米のように大声ではなく、静かにねばり強く中国に対話路線を説得した。「メンツを大切にした日本外交が功を奏した」という声が中国内で出たほどだ。日本流の働きかけを続けるべきだ。


 
 まあ古くからチベットやってる我々からみたら「おせーよ」てなもんですが、 朝日が書いたとなれば、これはやはりびっくりです。

 大晦日というこの暮れもおせおせに、朝日を読む高齢の知識人層の脳内に、チベット問題の解決を訴えてくれたことを素直に喜びたいと思います。

 いや、ぶっちゃけ、もう朝日新聞をとるのをやめて、可愛い卒業生がおつとめしている某新聞にかえようかなーと思ってましたが、もう少し様子見してみようと思います。

 この迷走がどこに向かうのかを(笑)。

 ダライラマ法王のおっしゃることはここ半世紀一貫して変わっていないので、世間がやっと彼の見識に追いついたということでしょう。

 二酸化炭素が地球を温暖化している、ということをいくら主張する科学者がいても、経済重視の世界は「トンデモな話」として、とりあわなかった。でも、2007年、温暖化による地球の破滅を訴え続けたアル・ゴアがノーベル平和賞とると、掌返したように、温暖化を認める報道一色となった。
 アル・ゴアの先生は彼が学生の頃から同じことを説いていたのに。

 今年ノーベル経済賞を受賞したクルーグマンも、ずっとこの金融自由主義を批判していたが、「トンデモ経済学」とかバカにされて、金融恐慌に突入してはじめて、その内容を認められた。

 人は破滅の瀬戸際まで来ないと、真実に耳を傾けない。

 人は必ず死ぬのに、死ぬ直前まで好き放題やって、死期を宣告されて初めて人生についてまじめに考える。

 つまり、朝日新聞がチベット報道を公正に報道し始めたということは、

 チベット文化消滅の危機ってことだよ!

 というわけで、来年もチベット文化に対するご支援を賜れればと思います。
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COMMENT

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マーハー | URL | 2008/12/31(水) 23:39 [EDIT]
今年最後の書き込みになりますね(笑)
ありがとうございました。
来年も感心をもって読ませていただきます。
先生と旦那様のますますのご活躍を楽しみにしています。

「チベット文化消滅の危機ってことだよ!」
このくくりの言葉がぐっと心にきました。

皮肉なことですが、
「ひとは死を知覚したとき、命を強烈に感じる」
ものなのでしょうね。

神秘を濁すならまだしも、消滅させてしまうのは避けたい。
消滅させてもなんの利にもならない、
他でもない、科学にとっても。

そう思います。

ゆず | URL | 2009/01/01(木) 17:16 [EDIT]
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。チベット問題なんて解決しなくても、正直大半の日本人には全然関係ないです。金融危機でアメリカより中国が有望な市場ですし、マスコミにはチベット問題なんて眼中に無いかも知れませんね。問題はテレビや新聞の多くのスポンサーが中国に進出してたり、つながりが深い事だと思います。日本は中国に依存しすぎですよ。確かに近いし人件費も安いし消費人口も多い。でもその裏で民族問題、人権、格差や自由等多くの問題を抱えている事を日本人は知らなさすぎだと思います。今年こそはチベット問題が少しでも進展しますように。

セン | URL | 2009/01/01(木) 20:11 [EDIT]
あけましておめでとうございます。

>つまり、朝日新聞がチベット報道を公正に報道し始めたということは、
>チベット文化消滅の危機ってことだよ!

僕は先生とは逆の受け止め方をしました。
あの朝日新聞が、ついにこんな社説を載せたということは、世論全体の大きな流れとしては、中国共産党のいいふらしているデマよりも、チベット亡命政府の提出している見解に確実に傾きつつあるのかな、と思いました。
ダライ・ラマ法王の世界中への訴えと、チベット人たち、チベット支援者たちが手を取り合っての頑張りが認められつつあるのではないかと。
中国人の知識層の中からも、中国政府のやり方に対して疑問の声があがっているということには感銘を受けました。
将来的には、中国内部・外部の両方からの圧力により、現在の中国共産党の体制は崩壊し、真の民主化が実現し、チベットが蒙っている圧制も取り払われるのではないかという希望を抱いています。
あとまだ何十年かかるか分かりませんが、私たちが生きている間にはそれは実現するのではないかと思います。このような理不尽な状況が、これから先100年以上も続くとは私には到底思えないのです。私は楽観的すぎるでしょうか?

何はともあれ、今年もよろしくお願いします。

manuel | URL | 2009/01/02(金) 11:47 [EDIT]
あけましておめでとうございます。

私がチベット問題について深く考えるようになったのは去年の暴動以降でした。そう、いままで問題意識が薄かったのです。
私は学んでいる学問上人権や政治の側面からチベット問題を学び始めたのですがさまざまなイベントや公演に参加するうちにそれだけに限らず文化や宗教も深く知ろうと思うようになりました。
信心も興味も薄れ始めていた仏教とも再び真剣に向き合うようになりました。ダライ・ラマ法王様の思想にも触れ感銘を受けました。チベット人の生き様に現代人が忘れ始めている何かを感じちょっとした憧れを抱くようになりました。
そして今では堂々と「チベットが大好きだ!!」と叫ぶことができる自分がいます。

要するにただ人権問題、国際問題に向き合うための姿勢を学べただけでなく人生について、命について深く考える機会をいただいたわけです。

今年は天安門事件20年ということで中国やチベットに関する様々な問題に関し中国自身、そして国際社会がどうするべきかが改めて問われることだろうと思います。

一日でも早くチベットに、世界に平和が訪れますようにと願う今日この頃です。

しらゆき | URL | 2009/01/04(日) 16:41 [EDIT]
>マーハーさん
現代は死を隠し、死ぬ間際までそれを考えない人が多いですが、「死」を身近に感じる現場にいらっしゃるので、思索的になることができるんですよね。私も母の死を契機にいろいろ考えました。愚考ですけど。

>ゆずさん
確かに年明けの特番では中国の消費が世界景気回復の起爆剤とかいってますが、13億人がみな先進国の生活をはじめたら、たぶん未曾有の何かが起きますね。先進国ももう少し浪費体質を改めて、労働集約型の大量生産品を大量消費するのではなく、職人芸の一点モノを生涯使い続けるような見識を身につける時でしょう。どっちもどっち。

>センくん
トキが報道されはじめたのは最後の数羽になってから。

>manuelさん
チベットへのかかわりは一時の興味で終わらすのはもったいないですよ。manuelさんのように文化に触れることによって、いろいろな悩みから解放される人は多いです。

マーハー | URL | 2009/01/05(月) 23:11 [EDIT]
「現代は死を隠し…」
このお言葉にあらためて考え込みました。

昔はおそらく、生活に死あるいはそれに関係する事柄がもっと身近にあったのではないかと思うことがあります。
現代の象徴の一つは、まさに死あるいはそれに関係する事柄を隠せるだけ隠したところにある、そんな気がします。

これってわたしたちのありかたにとって大事なことだという気がしてなりません。
とある方のブログで書かれていた「今まで、いろんな支援の現場(日本国内でも、海外でも)見てきたけど、
どうしても、日本人の若い人たちの甘さが目立つ。 」ということばと
通じるものがあるような気がしまして(笑)
● 朝日のチベット社説
やまだ | URL | 2009/01/10(土) 22:31 [EDIT]
一言も中国政府を批判しない朝日の社説ですな。
到底厚生とは思えませんな。

>>「メンツを大切にした日本外交が功を奏した」という声が中国内で出たほどだ。

その中国内の声とやらは、 日本の外交が、「何に対して」功を奏したと言うのですかね?
偉大なる同化政策・民族浄化に対してですかね?

朝日は「中国はチベットに対する侵略を止めよ」とは絶対に書かないようですな。

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