白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/01/23(金)   CATEGORY: 未分類
菩薩オバマの就任
木曜日は四年生最後の授業。彼らにとっては学生時代最後のゼミ。四年ゼミの最後の授業は『ダライラマ 幸福論』とバラク・オバマの就任演説でしめくくった。

 授業のあと、Mちゃんがテスト三個もある日なのに、みんなのために(あとKくんに「有言実行だぞ!」と脅されて)ケーキを焼いてもってきてくれた。ケーキのまわりは観音真言オンマニペメフンで飾られ、上にはチベット旗が立っている(ええ子や 涙)。そのあとは例によって飲み屋へ。

 一次会で怒鳴り疲れた私がお金払って帰ろうとすると、

学生たち「いーです。ボクたちが払います。お世話になりましたから」

私「どうしたの気味悪い。あなた達いつもお金ないのに」

J「○×は腎臓売ってお金作りましたから。腎臓は二つあるから一つ売っても死なないんですよ」

私「でもMなんていつもお金もってないじゃない。大丈夫なの?」

J「Mちゃんは難民ですから、国連高等難民弁務官が出してくれます」

私「緒方さんが彼の飲み代を払ってくれるの?」

J「世界銀行かもしれません」

私「どはははは」

 で、これで帰ると彼らに悪いので、二次会についていくと、昨日二時間しか寝ていないAジくんが十時をまわった頃来てくれる。

 神のゼミ長、卒業しても社会人になっても二時間しか寝ていなくても来る。すごいな。

久しぶりにAジくんとオバマ大統領の話とかでもりあがる。

Aジくん「ブッシュが大統領でなくなると困るんですよね」

私「なんで」

Aジくん「オレ世界旅行しているとき、イスラム地域いっても、南米いっても、中国いってもどこいってもブッシュの悪口言えばすぐに誰とでも友達になれたんですよね」

私「そりゃわかるけど、人の悪口いって結束するって美しくないよ。たとえばダライラマって素晴らしいよね、とか共通の尊敬できる人の話題でもりあがる方がよくない?」

Aジくん「それは金持ちの発想です。ビンボー人は敵を作らないと生きていけないんです」

 
そう、世界の嫌われものブッシュに対して、オバマさん就任前から聖人モード全開。

 自らの対抗馬であり、口を極めて自分を罵り続けたヒラリーを国務長官に抜擢。さらに、アメリカが太平洋戦争に巻き込まれる契機となったパールハーバーの12月8日に日系人を軍の高官に据えた。

 これによって自分の面子より、和合を重視することをアピール。まさに菩薩。

 それがうまくいく・いかないは別として、オバマさんのこういう菩薩な姿勢は人類の民度というか心の質を確実に上げることと思う(こういう高潔さを理解できない人はいつまでも同じままだろうけど)。

 Aジくんの話でないけど、単純思考の人間は対立軸をつくって相手を糾弾することを本能とし「あれかこれか」の二択でものを考えがちである。しかし二択はそれぞれのサイドにいる単細胞によって永遠の政争を生むので、二択のどちらか一方という形で決められた方策は必ずしも機能するとは限らない。

 しかし、より大きな視点でものごとを見ることができる人は、二択の真ん中にある中道を見いだし、最小限の犠牲で効果的な解決策を導き出す。

 オバマさんは就任演説の中で二択的思考を繰り返し否定している。

 ダライラマ猊下の説く中道のアプローチも、独立か併合かという誰もが思いつく単純な二択とは無縁な思考。

 猊下は、中国の憲法に今明記されている条文にのっとって、チベットの真の自治(今は名前は自治区だけど、実際は植民地)を実現させようとしている。つまり、独立といって中国を刺激するのでもなく、併合されて中国の一部になることに甘んじるのでもなく、中国の憲法を引き合いにだし、論理的に中国政府にせまり、実質的な自治を得ようとしているのである。

 これに対して中国政府は反論の余地もないはずなのに、そこは中国。

 猜疑心むきだしの幼稚なヒテスリー言動をくりかえしてきた。そいで、「あなたのためにいう。もう少し品格のある対応をしろ」と親切にも言ってくれる人に対しては、13億人の市場と軍事力をちらつかせて、「オレの言うとおりにしろ~」と叫ぶ。みっともない話である(脅しにのって沈黙する日本もみっともないの二乗である)。

 かの国は道徳とか真実とか、論理とか遵法精神とかいう、国家の尊厳を保つ上で必要不可欠な要素をまったくを理解していないか、軽視しているんだろうな。

 オバマさんの就任演説の中に

腐敗と謀略、反対者の抑圧によって権力にしがみついている者たちは、歴史の誤った側にいることに気づくべきだ。そして、握りしめたそのこぶしを開くのなら、私たちが手をさしのべることを知るべきだ。

という件があったけど、これって中国とか北朝鮮とか、ジンバブウエとか、スーダンとかそのほかもろもろのダメ国家を指しているんだろうなー(それにしてもひどい国家おお杉)。

 またオバマさん

今私たちに求められているのは、新たな責任の時代だ。それは、一人ひとりの米国人が、私たち自身や我が国、世界に対する責務があると認識することだ。その責務は嫌々ではなく、むしろ困難な任務にすべてをなげうつことほど心を満たし、私たち米国人を特徴づけるものはないという確信のもとに、喜んで引き受けるべきものだ。・・・

 これってダライラマがいつも言っている、自分の国家、自分の民族、自分の宗教と「自分の延長上にあるもの」に対してのみ責任を持つのではなく、世界に対して責任を持つべき、という「普遍的責任感」(universal responsibility)とまったく同じ。自分・自分という思考法こそが紛争をうみ、不幸をまきちらす。この世界は相互依存しているのだから、他者を、世界をそして環境を尊重すること、これがひいは人類の平和につながるのである。オバマさんもダライラマも、このエネルギーを無駄遣いする、果てしなく強欲で自己中心的な文明を転換することを説いているのである。

 オバマさんは、強欲で自己中心的になってしまったアメリカに、建国の時代には横溢していた自己犠牲・清貧・勤勉の精神をとり戻そうとしているのだ。
 
 アメリカは遠い旅をして原点に戻ってきた。
 ダライラマはずっと原点で闘い続けてきた。

 欧米におけるダライラマの位置づけは、オバマさんが敬愛してやまないキング牧師の国際版である。なので、オバマさんはダライラマのよき理解者、支援者となるはず。

 彼が(暗殺とかされないで)長生きして、アメリカを本来の美徳と清貧と希望の国家に戻し、志を同じくするダライラマ猊下の夢をかなえる手助けをしてくれるといいなあと思う。
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COMMENT

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ゆず | URL | 2009/01/24(土) 00:26 [EDIT]
オバマ氏の大統領就任演説には感動しました。しかし、彼はイラクから撤退するとは言っていますが、アフガンには増派するとしています。アメリカが景気を回復させる1つの方法は、戦争を起こす事だそうで、世界恐慌からアメリカが立ち直ったのも、第2次大戦のおかげなのだそうです。ある評論家は「オバマは全てのアメリカ人を代表しているとか、アメリカは1つだと訴えているが、多様な考えがあるのにおかしい。ムッソリーニが台頭してきた時に似ている。ファシズムの考えにもそっくりだ。」とおっしゃってましたが、そう言われると怖いですね。アメリカには巨大な軍需産業があり、政権とも深く結びついてきました。確かに、アメリカは民主主義で自由の国でしたが、それは白人を中心とするものでした。オバマの登場でアメリカが変わるか。もっとも、金融危機や景気対策など、国内問題で外交では大して成果を上げれないとも聞きますが...。チベット問題はどうなるのか...。あ、チベット自治区で「農奴解放記念日」が制定されたみたいですね。大躍進政策や文革については、謝罪も賠償も無いのに。

ちばま。 | URL | 2009/01/25(日) 03:53 [EDIT]
こんばんわ。
今日は仙台でありがとうございました。
オカメインコより参ったものです。

毎日10エントリーづつ読破していく所存です。
僕はダライラマの仏教入門に大変感激させて頂いた口でありまして、
概念によって存在があるということに助けられた者でもあります。

以後の更新も楽しみにしております。
本日はありがとうございました。
機会がありましたら、これからもよろしくお願いいたします。

カルマ♪♪ | URL | 2009/01/26(月) 09:48 [EDIT]
ほんとう、すごい人だよね。
バラク・フセイン・オバマ大統領。
本当にすごい。(なにがすごいのか、よくわからんが。)
学歴が中卒どまりなんで、あんまし難しいことは、わからんけど。
これだけ、演説しただけで、アメリカ国民が、熱狂したのって、久しぶりな気がする。(???)

白人の政治発言は、裕福な白人だけの常識論。
かれならできますよ。大丈夫です。
ただ、政治は、国民の意見を入れてなんぼの世界だから、結果が出るのは、ずっと、後になるものも出てくるでしょうねぇ。
(日本の場合、郵政民営化とか、消費税問題とか、高期高齢者医療制度問題とか、なんとか雇用特殊法とか。こまったねぇ。どうなるのだろう。)

しらゆき | URL | 2009/01/27(火) 10:55 [EDIT]
>ゆずさん
誰がいっているのか知りませんが、オバマさんのどこがムッソリーニなんですか。オバマさんがやろうとしていることは、それこそ戦争で景気を浮揚させようとするこれまでの体質を改めることでしょう。

>ちばまさん
こちらこそ、お運びいただいてありがとうございます。このブログ誰が読んでいるのかいまいちわからないのですが、自分的にはチベット文化を愛している人に読んでもらいたいです。なのでよろしくお願いします。

>カルマさん
日本の政治家は、定額給付金に見られるようにお金ばらまいて票を買う、というレベルです。僧侶も政治家もレベルがアレですが、それも国民のレベルにあわせているんでしょうかね。わたしはどちらかというと、パン(経済)よりも理念です。そうでなきゃチベット支援なんざやっとられませんわ。

マーハー | URL | 2009/01/30(金) 16:07 [EDIT]
>誰がいっているのか知りませんが、オバマさんのどこがムッソリーニなんですか。

たしか佐○優という元外務省?の方が雑誌で書いていましたね。
流し読みでほぼ忘れましたが、演説でオバマさんがよくおっしゃっていた「We~」を例にあげていましたよ(笑)

しらゆき | URL | 2009/01/30(金) 21:03 [EDIT]
>マーハーさん
佐藤○さんですか(笑)。新聞なんかみてても、なんかみなオバマさんの一言一言にすごい疑心暗鬼で、暗いなあと思います。ついこの間まで、オバマさんになったら親中国になって日本ははぶられるといっていた方はどこにいってしまったんでしょうか。

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