白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/02/23(月)   CATEGORY: 未分類
チベットは軍と警察ばかり
 三月十日はチベット人がダライラマを護るために中国軍に対して蜂起した記念日であり、例年、世界の主要都市でフリー・チベットデモが行われている。

 今年はダライラマ14世がインドに亡命してから50周年目にあたることもあり、中国政府はチベット人居住域で何らかの抗議行動が起きることを疑い、あらゆる街に警察と軍隊をはりつけている。

 屋根の上にはバイオリン引きならぬスナイパーがいて、お寺の門前には小僧ならぬ警察官を常駐するご立派な管理事務所がたち、「まあ僧侶や巡礼が参拝しているわ」と思ったらそれは密告屋で、彼らはせっせとお寺の周りを回って監視を続けていらっしゃるとのこと。
 
 その上、外国人は観光客も含めて三月三十日まで全面的にチベットに入境禁止である。そういえば、妻を殴る夫とか、子供を虐待する親は、警察や児童相談所の人が家庭内に入るのを極端に嫌いますよね。自分がしていることがまずいという自覚はあるから隠そうとするわけで、だったら最初からやるな、と言いたいです。

 でもね、中国政府さん、こういうことをやるとあなたの銃の力の及ばない地域にいる人々、未来のすべての人々に指弾されることを忘れないでくださいね。日本人も半世紀以上前の悪行をひ孫の代になった今も言われてますから。

 丸腰のチベット人を圧倒的多数の軍隊の銃口で制圧することによって、中国政府はまたまともな人々をドンビキさせ、まともな国家になる道を自ら閉さいでしまったのである。

 銃口でおどしながら僧侶に愛国教育を強制して「ダライラマ」を否定させても、彼らが「祖国中国を愛する」ようになるわけはない。ていうか、逆効果でしょ。

 そもそも、愛国教育って教育じゃないでしょ。教育というものは、怒りや欲望などの本能をコントロールして、普遍的な道徳的価値(他者の価値を尊重すること)にそって動ける人間をつくることである。自国にとって都合のいいことはすべて善で、何か不都合が生じたらそれはすべて他人(欧米・日本・チベット人)のせいなどという、まったくスジの通らないものの考え方を国民に教え込むっつーのは、教育というよりゃ、愚民化政策である。

 今の中国が国として体をなし、国際的に評価されたいのなら、チベットを銃で脅すよりも、共産党の幹部がチベットの高僧の前にひざまずいて灌頂の一つも受けることである。ついでに、カソリック教会にいって洗礼うけて、イスラームのモスクいってコーランよんで、民主化勢力のリーダーを義士として表彰したら、世界中のカソリックとイスラーム教徒、知識人からも見直されるよ。

 共産党の書記としての姿は漢人の共産党員の前でだけやってればいいこと。チベット人だって共産主義で救われると思う人からその教えを奪う気はないですよ。だから、共産党員もそれ以外の価値で幸せになれる人を否定すべきではない。

 清朝の皇帝がなぜあれほど多くの民族に影響を与えることができたかと言えば、対する民族ごとにその民族の文化の文脈にあう姿に自らを変えて接したからである。

 漢人官僚に対しては中華皇帝として、チベット人とモンゴル人に対してはチベット仏教の大施主、転輪聖王として、接したが故に尊敬されたのである。

 清朝最盛期の皇帝、乾隆帝は、チベット文の大蔵経をモンゴル語や満洲語に飜訳し、チベットの高僧を多数供養し、グルカなどの外国の侵略者がチベットを脅かした際、軍を派遣してダライラマ政権を外敵から護った。この場合も、ダライラマ政権からの要請を確認してからチベットへ派兵をし、軍糧は内地から移送するか現地で買い上げるなどし、事態が収束した後には迅速に撤兵するなど、国益にもとづく侵略と受け取られないように配慮した。
ダライラマ政権を尊重し、チベット仏教界に対するこのような貢献を見て、モンゴル人もチベット人は乾隆帝を文殊菩薩と称えたのである。

 軍事力や経済力で尊敬を集めていたのではない。彼らの文化の文脈の中で聖人として称えられていたのである。
 現在、ダライラマが軍事力も経済力も国すらなくとも、〔中国をのぞく〕世界の指導者たちから愛され、支持を受けているのは、彼に他者を尊重する大人のモラルがあるからである。ダライラマは、自らは仏教徒でありながら、他のすべての宗教とその信徒を尊重し、科学を信奉し、そして抑圧者である中国人に対してすら配慮をみせるという大人な姿勢を示してきた。かつての清朝皇帝のように。

 ダライラマはね、伊勢神宮に正式参拝する際にはちゃんと作法をまもったし、アメリカ行った時には、星条旗にも手を合わすんだよ。人々を幸せにできるものに対してはちゃんと敬意を表している。だから彼はみなから愛される。
 
 仏舎利展でも述べたように、じつは漢人にも仏教徒はやまほどおり、彼らは日本人よりはるかに信心深い。本土の漢人の中にも東チベットの僧院にいるチベット人高僧のファンは結構いる。だから、チベットの僧院に布教と修業の自由があれば、漢人のチベット仏教信者はどんどんふえ、その信者は共産主義からはえられない精神の安寧を得られるだろう。漢人が経典するときにお金だしてくれたり、法要の施主になってくれたりするようになったら、チベット人も漢人をもっと好きになるだろう。

 欧米人はみなチベット僧を好きになった。漢人だけが中国政府のアホみたいな教育のためにチベット仏教(以下、カソリックにイスラームに民族自治に民主主義 と永遠に続く)を理解する道を閉ざされているのだ。

 コミニュケーション能力という意味では彼らが否定した清朝皇帝以下。

 問題はつねに自らの内部にあるのに、それを全部他者のせいにしているうちには、状況は改善しないどころか、悪化していく。しかし、彼らは永遠にその問題の原因が自分にあると認知できない。なぜなら、自分のみを是とし、他者を否とする愛国教育を自国民に施しているからである。


 あるカウンセラーの方に伺ったが、中国人留学生が精神を病んで相談に来ることがあるそうだが、彼らは一様に日本社会での生きづらさを訴える。しかし、四年目くらいになると「中国政府の言うこともおかしいですよね」と気がつくそうである。つまり、洗脳は四年たたないととけず、四年未満で帰国する学生は日本を嫌うだけ嫌って帰っていく・・・・。

 げに恐ろしきは愛国教育。
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COMMENT

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mimaco | URL | 2009/02/25(水) 12:57 [EDIT]
10年近く前、私がラサを訪れたときにガイドをしてくれた青年は漢人でした。彼は説明するときは「ダライラマ様」「ツォンカパ様」と尊敬を込めて呼び、お堂などで説明をする合間に必ず額づいてお参りをしていました。うろ覚えですが、確か子どもの頃からラサに住んでいると話していたと記憶しています。
漢人"同胞"も、普通に接していれば仏の教えに親しみ、先生の仰るように「日本人よりはるかに信心深い」仏教徒に自然になると思います。そうした"同胞"が冷静な分別を備え、プロパガンダを信じなくなることが恐ろしいからこそ、あんなに愛国教育に必死になるのかと思えます。
あの青年は今もラサに暮らしているのだろうか…まさか、公安の監視つきだったりして。

ゆず | URL | 2009/02/25(水) 16:21 [EDIT]
行き過ぎた愛国教育も困ったものですが、中国の人民も徐々に気付き始めてくるのではないでしょうか。世界中の企業が中国に進出し、ネットも閲覧出来る。いつまでも情報統制や愛国教育が通るとは思えません。中国や韓国の愛国心を日本も少しでも見習うべきだと思います...。教科書に愛国心や日の丸・君が代の事を書いて、問題になる国なんて世界中どこにもありませんよ。

カルマ♪♪ | URL | 2009/02/26(木) 12:34 [EDIT]
今日の中日新聞朝刊も似た内容でした。
同感だと思う。
と言うか、なんか久しぶりに、ギャワ・リンポチェげい下様の御顔を新聞で拝見いたしました。(感涙。)
新聞記事は、の街頭でラサ在住のチベット人のインタビューも扱っていて、げいかのお写真は、彼が所持していた、ケータイの待ち受け画像でした。

3月に何が起こるのかはわかりませんが、物見ドマリではいけない気が致しました。
● 某大国でも
モモ@大東 | URL | 2009/02/26(木) 14:19 [EDIT]
新学期になると国民憲章を暗記させたりしますからね。
でも行き過ぎた愛国精神は国を破滅へと結びつける。
愛国もほどほどにして欲しいです。
自分の国自体を愛することは悪いことだとは思えませんが・・・。

シラユキ | URL | 2009/02/27(金) 17:33 [EDIT]
>mimacoさん
不思議でしょうがないのが、あれほど政府を信用していない国民なのに、ことチベット問題に関するプロパガンダは簡単に信じるんですよね。たぶん、自分がひどいことをしていると認めたくないから、ことこれに関しては政府発表を信じているんだと思います。そういう意味ではある程度彼らにもミクロレベルでの良心の痛みはあるのではないでしょうか。

>ゆずさん
愛国は「ゆきすぎた」も「ほどほど」でも上からおしつけるものでもなく、一人一人が自らの能力に応じて活動して客観的に国の評価をあげることだと思います。イチローしかり、ノーベル賞とったあの科学者たちしかり。真の愛国とは、言論ではなく行動(仕事能力)によって示すものだと思います。自分はただの一学者ですが、自分の歴史研究の分野でがんばれば、日本人の東洋史レベルの高さがつたわるはず、と思いいやいや国際学会にでています。ただ、英語が下手なんでつたわらんのですよねー。

>カルマさん
やっぱ中日新聞もグッジョブですか。オリンピック終わって各社結構亡国をきにせずチベット問題を扱ってくださるようになり、うれしい限り。


>モモさん
そうそう、いきすぎた愛国は亡国への道

manuel | URL | 2009/02/27(金) 18:19 [EDIT]
噂には聞いてましたが新聞で今のチベット本土の写真を見てびっくり。あちこち軍人連中ばっかでドラマで見た軍政時代の韓国みたいでした。
共産党政府がもし不要な犠牲を生みたくないのならば自ら民主主義の道を開くべきです。ゴルバチョフや盧泰愚のように。
そして気付くべきです。自分たちがやらかして解放云々が自分たちの嫌いな帝国主義の真似ごとであることを。

シラユキ | URL | 2009/03/01(日) 16:45 [EDIT]
>manuelさん
気づいてくれたら、本当にいいんですけど。教育がゆがんでいるのでなかなか気づかないんですよね。

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