白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/02/27(金)   CATEGORY: 未分類
愛新覚羅の遺産
著名なフランスのデザイナー、故イブ・サンローラン氏とそのビジネス・パートナーであるピエール・バージ氏が二人で築いたコレクションを、ピエール氏が競売にかけて放出することとした。

 そしたら、そのコレクションの中には1880年に円明園から略奪されたもの(ブロンズ製のウサギとネズミの頭の形をした噴水口)がまじってていて、それを知った中国のナショナリストたちが、略奪品だからかえせー、と大騒ぎ。ああっというまに弁護士団が結成され、フランスの法廷に差し止め裁判を起こしたが、見事に却下された。
 
  そりゃそーだわ。文化財保護ってとっても難しくて、たとえば円明園がかりに英仏軍に焼き討ちにあわなくとも、文化大革命の時に紅衛兵が「ブルジョワ文化打倒」とかいって壊してたかもしれず、イラクで暴動が起きた時も、国立博物館はおそわれたし、北朝鮮の博物館の所蔵品も中国に闇ルートで売られてキム総書記親子の全集本のため良質の紙を購入する資金にあてられているそうだし、外国人が奪わなくとも、自国の文化をないがしろにする自国民によってぶっ壊される可能性だってあるわけだ。
  
 東京だって、廃仏毀釈に、上野戦争に、関東大震災に、東京大空襲とろくでもない歴史の中で文化財はどかどか失われている。それにね、中国人さん。このブロンズ像、そもそもの持ち主は満洲皇帝ですからね。ちゃんと愛新覚羅家にお返しするんですか。
 
  てなわけで、フランスの裁判所が棄却したのは当然なわけです。

 しかし、この騒ぎがいっそうすごくなっちゃったのが、このピエール・バージ氏がなかなかイカシたことをおっしゃったから。フランス語からではなく英語からの訳ですが、おおざっぱにはしょった日本のメディアの報道よりは詳しいとおもうので、以下訳文。
  
   以下、ロイターから
  わたしはこれを正当な対価をはらって手に入れていますし、カンペキに法律によって護られています。ですから、中国人たちの言うことはちょっとおかしいですね。
でも、中国人たちにこのブロンズ像をすぐにでも返す準備がありますよ。

"I acquired them and I am completely protected by the law, so what the
Chinese are saying is a bit ridiculous," he told Reuters Television on
Friday. "But I am prepared to offer this bronze head to the Chinese
straight away."

彼らが人権を守ることを宣言し、チベット人に自由を返し、チベット領にダライラマが帰ることを受け入れさえすればね。

"All they have to do is to declare they are going to apply human rights,
give the Tibetans back their freedom and agree to accept the Dalai Lama
on their territory," he said.

もし中国人がそうするなら、私は自分からこれらの二つの中国製のブロンズ像もって〔もともとあった〕北京の夏の離宮に戻しにいきますよ。
If they do that, I would be very happy to go myself and bring these two
Chinese heads to put them in the Summer Palace in Beijing."

 これは明らかに恐喝ですが、私は受け入れますよ。
"It's obviously blackmail but I accept that,"


 ぶはははははは。
  
  そしたら中国人、怒り狂って、「競売を行ったクリスティーズの大株主はチベット独立派」だの、「国境なき記者団に資金援助している」だの相変わらず、どんどんへんな方向に話をそらして、レッテルをはっては大騒ぎ。
  
 ダライラマ法王もおっしゃっているように、「こいつは味方、こいつは敵」とレっテルをはる思考こそが、いわゆる無明(仏教で人間の最悪の悪徳とされるもの)。敵・味方なんかは状況や時間の推移によっていくらでも変わるものなのに、そんなものにとらわれるのは、エゴエゴな思考をしているから。
 
 そもそも、国境なき記者団にはフランス政府だって資金援助してますよ。ようは良識あるお金持ちが社会貢献の一環でやっていること。それをとりあげて、なにがチベット独立支持派だっつーの。良識ある人は真実とか真理に基づいて動いているだけ。こういう人たちはかりに真理が自分にとって自分の国にとって短期的には不都合であっても、真理の側にたつ覚悟ができている。長期的には国や人を生かすことを知っているからである。

 レッテルをはってしか世の中をみられない人は、自分では気がついていないけど、自分、自分の宗教、自分の国とかエゴの延長線上でしか物事をみられない人。彼らはエゴに基づいて思考するので、ヘタするとチベット占領問題のように真実や真理をまげても自分は正しいと主張してしまうこともあり、それを許してくれる人はいない。そのような自己本位な国益の追求はひいては亡国の道である。
 
 この場合だと、騒いでいる漢人は、自分の手持ちのレッテル、すなわち、チベット独立支持派とそれ以外の人という二枚でしか世界をみていない。それ以外の思考方法、自分たちのやっていることが本当に正しいことなのか、というような問いは彼らの中には存在しえない。だって、二枚しかもってないもん、レッテル。そういえば、この人たち、五十年前は、世界を親ソ連・反ソ連できってわあわあ騒いでいたっけ。
 
 一つ言えることは、良識ある人を心底うんざりさせる人・集団には未来はないということ。しかも、彼らを破滅させるのは自分自身であるということ。どこぞの国営テレビの火災の原因が警官が止めるのも聞かずに自分たちであげた花火であったように。
 
 レッテルをはる思考を行うことが、いかにダメかについては『ダライ・ラマの仏教入門』をみてね!

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COMMENT

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mukke | URL | 2009/02/27(金) 21:33 [EDIT]
お久しぶりです。

共産主義の発想からするなら,そのブロンズ像も皇帝が手ずから彫ったものではなく人民の血と汗を収奪したものなのだから,人民のものだ! ということになるのかもしれません(笑)。

レッテルは本当に難儀なものですよね。わが国でいくと「反日」とかになりますか。ああいうのを貼って喜んでいるひとを見ると頭痛がしてきます。

シラユキ | URL | 2009/02/27(金) 23:36 [EDIT]
>makotoさん
それ熱河じゃないの? 円明園でなくて。

>mukkeさん
あ、行間読んでくださいまたね(笑)。ありがとうございます
● そういえば…
宰相 | URL | 2009/02/28(土) 16:04 [EDIT]
彼らはこの事件で「中国人の誇りを傷つけられた」といっているようですが、中国人のぴゅあすぎる、けがれなき乙女のような傷つきやすさは、独国でこういう風に論評されているようです。

http://www.recordchina.co.jp/group/g28981.html

PENBA YAKDU | URL | 2009/03/01(日) 16:10 [EDIT]
きのう博多駅に行ったんですが、
新幹線乗り場の書店の店頭の一番前の目立つところに
『ダライ・ラマの仏教入門』が積まれてました。

私が購読したのは2000年の初版1刷でしたから、
驚いたのですが、重版されていたんですね。

雑誌専門の地方駅売店の超プライオリティ高い場所で
再会できるなんて、
世の中かなり変化してきたのでしょうか?
夜明けは近い。

しらゆき | URL | 2009/03/02(月) 23:06 [EDIT]
>宰相くん
他者に対してはあんなに傍若無人なくせに、自分は傷つきやすいって、なんかもうすごく迷惑ですよね・・・。

>Penba Yakduさん
うれしいです。そいえば、アマゾンでダライラマ法王をキーワードにするとたしかに一番上にでるんでよ。やっぱ文庫本だからかしら。
● この国だけは、、、
南方羊子 | URL | 2009/03/03(火) 14:12 [EDIT]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090303-00000017-jij-int
オアシス北京上海公演が中止になりました。
原因はノエルがNYでチベット支援コンサートに出たことがあるから、だそうです。
本当にこの国の政府は。。。

シラユキ | URL | 2009/03/03(火) 19:30 [EDIT]
>南方さん
今日のエントリーでオアシスさんとりあげました。このバンド天に宝をつんでますよ!

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