白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/03/11(水)   CATEGORY: 未分類
ソウルでチベット蜂起記念
3/8 

チベット蜂起記念日も近いというのになぜかゼミ生とともに卒業旅行である。安いチケットのためついたら十二時近くになっている。仁川空港近くのビジネスホテルに入る。ここは海外なので一応「みなさんはこれから日本人の代表となります。一挙手一投足気をつけてくださね」といっておく。かくして東洋のノルマンディー仁川(朝鮮戦争時、連合国がここ仁川から上陸して中国・北朝鮮軍を撃退)にて一泊。

3/9 

今日は仁川から慶州へとえんえんバス移動(※ もっていたガイドブックが古く新幹線があるのを知らない)。宿は韓国のバックパッカーむけの民宿で、共用スペースにはキッチンとか完備しているが、寝るところは、チャングムの時代そのままのオンドル部屋。まわりは新羅の古墳に囲まれていて、何かでてきそう。
ぶっ国寺

 今日は世界遺産の仏国寺と石窟庵をめぐる。新羅の仏教は飛鳥時代とリンクしていて、というかこっちが本家なので、東洋史だけではなく日本古代史の人にとってもイチオシの遺跡。仏国寺は、土台と石塔は新羅時代だけど、建物は豊臣秀吉が焼いたので、再建である。しかし、学生はといえばこの八世紀のすばらしい世界遺産の構造美を前にしても、なーんか集中力がなく「おなかすいた」「トイレ」とか、うるさい(移動ばかりの時間の都合上昼ご飯が食べられなかった)。負けずに、学生を仏国寺のさらに奥にある石窟庵につれていく。途中Jが
 
 「先生石窟庵って何ですか」と聞くので、
 「新羅のまんじゅうだ」と答えておく。
 
 石窟庵につき、「美しいだろう。石窟スタイルは草原の道をたどってインドから新羅にまでやってきたんだよ。この時代アジアは仏教文化が繁栄していたから、坊さんは道々施主をみつけて中国からインドまで無銭旅行できたんだぞ。」といばる。学生はいまいちの反応。
 
 夕方、ついに師弟間に戦争勃発。夕食に入ったサムパプの店は、オーナーがインコマニアなのか、金剛インコ、ヨウム、キバタン、小桜、オオオオハシ、われらがオカメインコなどを見ながら食事ができるみせ。インコたちは見たところ大事に世話されていて、そのうち何羽かは人間がとてもすき。私がインコにうっとりとみとれていると、 学生の一人が「先生この鳥、食材ですよ」と笑えないギャグをいう。ブチ切れ。この子たちは一切衆生が無限の輪廻を繰り返した結果、かつて自分の母だったこともある、という仏教思想を理解したことはないのだろうか。
 
 そこで、明日どこにいくかという話になり、私が「明日は新羅の貴族ファランが跋渉して、石仏で有名な南山でハイキングしまーす」というと、学生たちの何人かが「ソウルにもどって免税店にいきたい」という。わたしはそこで、物欲よりも精神がいかに大切かをとき、そののち、多数決をとったら、私の方には学生が一人しかつかない。残りは全員免税店に行きたいという。
 
 さすがに自分もうやる気ナッシングになって、「免税店なら私いる意味ないね。明日の朝でじゃあ解散ね」というと「先生が呼びかけたからみんな旅行来たんじゃないですか。」というので「じゃあ私はごきぶりホイホイの真ん中においてあるあのエビのにおいのするヤツね」というと学生が「じゃあ僕らはゴキブリですか」と会話は限りなグダクダになっていく。
 
 私は、そのあとチャングム部屋でふて寝をしていると(パソコンは壊れて仕事もできず)、宿のおじさんが学生たちの相手をしてくれて、深夜近所の新羅の古墳の頂上でフエ吹いて踊りを踊っていたそうだ。ありがとう、おじさん。
 
 3/10 

翌日、宿の共用スペースで朝ご飯の卵焼きをつくりながら、今日はチベット蜂起記念日であることを講釈する そして、ヤフーニュースをチェキしていると、北朝鮮が米韓合同軍事演習に怒って、「北朝鮮の発射したミサイルを迎撃するなら、宣戦布告とみなす。日本海をとぶ民間航空機の安全は保証できない」という声明をだしたという。私がこのニュースをよみあげると、朝食つくっていた学生たちの一人が
 
 M「ああ、旅行保険がきかなくなっちゃう」
 私「あ、そうか戦争状態になると、何があっても保険がおりなくなるんだよね。て、そこじゃないだろツボは
石仏

 明日、自分たちの乗った帰国便が北朝鮮に打ち落とされる危険をはらみつつも、みな南山のハイキングにいくという。一応みな気を遣っているのだろうか。昨日のお寺よりは今日の山の方がみな楽しそう。ここ南山は新羅を動かしていた貴族の子弟の秘密結社ファランのサロン。彼らは弥勒(釈迦の次に覚りを開く仏)がやってきて新しい世界をつくる、という信仰のもとに結束し、仏教にのとっとった国家造りをしようとしたひとたち。
 
 午後、トンテグからソウルまで新幹線にのって移動(やっと新幹線の存在に気づく)。そいで、ソウルについてまた、私が「お寺参りしたい人ー」と聞くと、二人の学生しか手を挙げない。あとはみな免税店。若さ故の驕り。ルイヴィトンやティファニーで幸せになれると思うちは、まだまだである。
 
 で、私は学生二人とともに韓国最大の仏教宗曹渓寺にいく。丁度夕方の法要をやっていたので、とりあえず参加する。十分ほどたったら法要の区切りがあって、本尊に向かって北面していた導師と信徒が一斉に体の向きを西側にむけた。わたしたちは西口の末席にいたので、全員に拝まれる。あわてて、自分たちも西面する。そしたら、とある信徒の方が私たちに気づいて、韓国人だと思ったのか、勤行集を渡してくれたが、漢字ならまだしも、ハングルなので、内容はまったくわからない。
 
 けど察するにこの法要は西方にむかっているから、阿弥陀浄土を観相するものだろう。
 
 ちょうどチベットが西側なので、チベットで犠牲になった方々のお祈りをする。三十分くらいやるとまた区切りがあったので、本堂をでて、門前のお店でろうそくを三本買って三人でささやかにフリーチベットのキャンドル・ナイトを行う。
 
 空には満月がかかっている。
 
 今年は猊下が亡命されて五十年。半世紀の時が過ぎた。猊下のこの日のスピーチの一言「チベットは中国によってこの世の地獄」(Hell in Earth)となった。」から、Hell in Earthという言葉がキーワードとなって世界中のニュースに流れた。日本が朝鮮半島でかつて行った生き地獄統治と同じことが、21世紀のいまなお、中国人によってチベットに施されている。
 
 
 仏教は自己陶冶と博愛の教えだ(物欲は真逆よ)。民族主義、国家主義、宗教原理主義などの形をかえた自己中心主義とは一線を画したところにある。中国はチベット仏教を弾圧することで国家を護っていると思っているようだが、ようはエゴ。エゴを追求する先には破滅しかない。自分の利益のみを追求して他を顧みない人間が友達を失い、親戚に見放され、最後は自分を見捨てて孤独に死んでいく。
 キャンドル

一人でも多くの人がエゴを鎮め利他心を持つようになりますように。
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PENBA YAKDU | URL | 2009/03/12(木) 01:18 [EDIT]
なんという仏縁でしょうか。
私は来月、南山に行くのです。
昨年はお写真にある三陵渓谷の磨崖観音菩薩立像などを歩きましたが、今年は七仏庵周辺と四面石仏をテーマにしようと思っているのです。
それにしても、師匠の解説よりも免税店というバチあたりなゼミ生さんたち、改心して楽しまれて良かったですね。
それに日本海に散らなくて。

● 管理人のみ閲覧できます
| | 2009/03/12(木) 06:40 [EDIT]
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カルマ♪♪ | URL | 2009/03/12(木) 08:40 [EDIT]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009031102000080.html

昨日の中日新聞の記事。
どうやら、東京新聞と同系列会社のようで、・・・・・。
(ごめんなさい。)

ゆず | URL | 2009/03/12(木) 10:29 [EDIT]
慶州は日本の京都や奈良みたいな存在だとガイドさんから聞きましたが、正直人通りが少なく寂れた田舎町というのが率直な印象です。仏国寺は秀吉の朝鮮出兵で焼き打ちにあう以前はもっと立派だったそうです。なんで嫌いな日本人2位だそうですよ。1位は伊藤博文だそうですよ。石窟庵はボロボロになったのを、適当に組み立ててコンクリートで固めてしまったので、空調設備をつけないとダメになったとか。ガラス張りになって残念ですね。今度は済州島にでも行ってみたいです。それにしても、韓国のおばちゃんは凄いですね。石窟庵の前の駐車場一面でビニールシート広げて、バッタもんを堂々と売ってるし、頭に重そうな荷物乗せて歩いてるし。
● お帰りなさい
あくび母 | URL | 2009/03/12(木) 23:57 [EDIT]
無事のご帰国おめでとうございます
韓国は2度ほど行ってますが、慶州はまだ行ってないんです
オンドル部屋・・・魅力ですね、次回行く時の参考にさせていただきます。
それにしても、毎回関西人もびっくりの、のりつっこみ お見事です ゼミ生さん達がうらやましいです
● 楽しそうでにぎやかな卒業旅行、良かったです。
モモ@大東 | URL | 2009/03/13(金) 20:02 [EDIT]
いつものように、教え子から慕われる先生の様子が
目に浮かぶようです。人徳ですね。
実は私、本日人生3度目の交通事故に合いまして、
また救急車のお世話になってしまいました。
軽トラックの後輪が左足首の上を乗っていくという
事態になりながら奇跡的に骨は無傷。
これもギュメ先生のご加護のお陰かな~と
心の中で感謝しました。
轢いた方もえらい恐縮してくださって、(しかもご近所さん(笑))
「ボーっと歩いていた私も悪い。罪には問いません」と
警察の方にもお願いしました。
今晩はかなりの擦過傷だったので痛むむでしょうが、
無事だったのは何よりだし、相手の方がいい方だったことも感謝。
後は北朝鮮が早まった行動に走らないことを、
すべての国に煙たい話題が走らないことを祈るばかりです。

manuel | URL | 2009/03/13(金) 23:33 [EDIT]
私も今年慶州に行こうと予定してます。
仏国寺、石窟庵などお寺を中心に回りたいと思います。
韓国のお寺では常に熱心に祈ってる方が多くいるそうですね。
北朝鮮が本当にムチャを起こさないかビクビクしている今日この頃です。

シラユキ | URL | 2009/03/15(日) 17:34 [EDIT]
>Penbaさん
南山いいですよねー。まああと十年もすれば私の言っていることが多少は分かってくるのかと思いますが、やっぱ若い人にはしぶすぎましたかねー。

>ビーの飼い主さん
文鳥のギンちゃん、元気にお育ちのようで何よりです。女の子だと卵巣膿腫や卵つまりに気をつけてくださいね。
>カルマさん
記事の中の「ダライ・ラマを否定するチベット族は、人民元をもらうまでは一人もいなかった」というくだりは印象的ですね。日本にも経済優先で、ダライ・ラマを否定する人いますからねー。

>ゆずさん
中国とか韓国とかは格差が日本以上ですから、食べていくためにはいろんなことをしなきゃなんないんですよ。

>あくび母さま
関西の方にほめてもらえるとは自分、うれしいです。私たちのとまった宿は一泊二千円以下のすごいとこなので、せっかくウォン安なのでもう少しいいとこに泊まられたらいいかと思います。

>モモさん
人生三度目の交通事故って、多すぎ。事情はあるかと思いますが、何かにまもってもらうというバクゼンとしたものよりも、感覚を鋭敏にして自己保身能力を高める訓練をした方が確実かも。

>manuelさん
本当に北にも困ったものです。ミサイルと核でしかコミニュケーションがとれないなんて、あまりにもお粗末ですよね。
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2009/03/26(木) 17:12 [EDIT]
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