白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/07/05(日)   CATEGORY: 未分類
チベットの母語る
日曜日、ダライラマ法王の妹君ジェツゥン・ペマさんの講演(チベット里親支援グループKIKUさんの主宰)を聞きに行った。

ジェツゥン・ペマさんはチベット難民の子供たちの教育機関、「チベット子供村」(TCV)の校長先生を長年にわたりつとめられた方で、チベット難民たちは彼女を「チベットの母」と呼び愛している。

チベットの主な産業は「人格者を作ること」であるが、この人格者をつくるための教育は伝統的には僧院社会で行われていた。しかし、ダライ・ラマ法王亡命後は、失われていくチベット文化を維持し、かつ国際社会で通用する人材をつくるためにTCVが設立され、俗人に対する人格教育も模索され続けてきた。

 妹君のご講演を一言でいうと、
「TCVでは、ダライラマ法王を筆頭として、先生や寮母さんや、周辺のお坊さんたちがみなでこぞって、大人の人格の見本を示して、子供たちを知育ばかりでなく、徳育で導き育んでいる。とにかく人格をつくる教育が何より大事」ということ。
 で、どのような人格には育むかはしつこいようだけど『ダライ・ラマ 幸福論』(角川春樹事務所)を読んでね!

 もうちっと詳しく言うと、
 教師が生徒に一方的に語りかけるような教育を行っても、生徒が納得しなければ、理解しなければ、聞き流していれば、意味をなさない。

 で、子供たちに教育内容を知識としてわからせるだけでなく、心から納得させ理解させるための一例として、「平和地帯をつくる」という教育法は印象的であった。

 ダライ・ラマは1988年に、欧州議会で、「チベットを〔スイスのようなバチカンのような〕平和地域(アヒンサー地域)にする」ことを提唱している。TCVではそれを言葉だけのものにしないために、敷地の中に「平和地帯」を作っている。で、喧嘩をしているような子供がいたら、その「平和地帯」に行かせる。

そこは岡の上にあって、そこにたって小鳥の声をきき、花を見て、壮大な日没を見ているうちに子供も自己の内面と向き合うこととなり、心が静まっていく。

 こうして非暴力の子供たちが育っていくのである。お見事!

で、サービスで質疑応答をのせときますね。

(1) 問 TCVにはイジメや不登校の問題がありますか?
答 あります。でもぬるいものです。寮母さんとかが気を配っていますので、ひどくなりません。

(2)問 おちこぼれはいますか
答 もちろん、勉強をしたくないという子はいます。そういう子には何をしたいのか聞いて、彼らがやりたいことを見つける手助けをします。社会にでていって、TCVの良さがわかって勉強したくなったら、帰ってきなさいといってます。

(3) 問 豊かな日本では子供は感謝をしりません。どうしたら感謝させることができますか。
答 感謝を期待しないことです。子供は賢いからよく見ていますよ。子供のためにやっていることは子供につたわって自然と子供の心に感謝の気持ちが生まれてくるでしょう(これって暗に感謝されないのは、お前が感謝されるようなことやってないからだといってるようなもんで笑った)。

(4)問 家族が重い病気に罹り、悲しくて苦しいです。どうしたらいいですか。
答 苦しみを消すのは難しいです。信頼できる人に打ち明けると、その問題が軽くなります。私たちの社会ではお坊さんに相談したりします(日本の社会には信頼できる人格者がいない。さあどうする)。

(5)問 子供が悲しんでいるときにどうやって慰めたらいいですか。
答 まず子供の言うことを聞いて、そしてその苦しみが自分だけのものでないことに気づかせてあげることです。

(6)問 TCVでの教育を終えてチベットに帰った子供たちは迫害を受けますか?
答 1979年に最初の亡命子供を受け入れてから14000人が国境をこえてTCVに入りましたが、このうち4000人近くが親のいる本土チベットへ戻りました。彼らは厳しい状況に直面することになります。国境を越えると警察につかまり数日間拘留されます。ふるさとに帰っても監視がつき、老いた親がいるだけです。インド帰りは公職につけないことになっていますので、仕事もなく、自分でツァー・ガイドとかを始めるしかありません。

(7)問 Other before self(自分より他者のことを思いなさい)を座右の銘とするTCVの子供達に共通する性格は?
答 助け合いの精神です。失業した人に仕事を融通したり、病気になった人の面倒をみたり、後輩の里親になったり、つねに助け合っています。

(8)問 欧米型でない日本独自の支援の仕方はあるでしょうか。
答 もう日本では2000人の方が里親になっており、大変感謝しています。その里親の方々がチベット問題を周りに話してくれることもありがたいです。こうした市民の意見が政府を動かしていくのだと思います。

(9)問 TCVの教育を日本で導入するには、まずどうしたらいいでしょうか。
答 校長先生や学校を運営している人など、まずトップの方が「価値ある人間をつくるTCVの教育を「いいものである」と理解し、納得して頂くことが大切です。そこからすべてが始まります(そりゃそうだ。校長先生がまず人格の見本にならなきゃ始まらない。でも大変だこりゃ)。
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COMMENT

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ハマーン | URL | 2009/07/06(月) 23:23 [EDIT]
>感謝を期待しないことです。

とても大切なことだと思います。
感謝を期待するようになると、
他人に対する言動すべてに感謝を期待するようになって、
感謝されなかった時、
怒りや憎しみを生むきっかけになるかもしれませんよね~。

いやぁ~まさにチベットのお母さんですね。
温かみが伝わってきます。
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2009/07/07(火) 01:22 [EDIT]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2009/07/07(火) 05:02 [EDIT]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

カルマ・フォーチュン(♪♪) | URL | 2009/07/08(水) 11:10 [EDIT]
ウイグル自治区、中国当局者は、暴動は、ウイグル人のせいにして終わらせるつもりのようです。
去年のラサと同じで怖いですね。
今朝の新聞の記事の内容でも、漢族にも、ウイグル人を殴らないときがすまない、(中国当局が流したニュースのせいで)
ウイグル人は、夫を返てと、警官に詰め寄る女性とかいてるらしいと、書いていた。

>感謝を期待しないことです。
・・・・・。
複雑ですね。
子供たちは、おひるのおべんとうは旦那が作ったのじゃなければ絶対に食べません。(たべてくれません。)

イシハマ | URL | 2009/07/11(土) 16:08 [EDIT]
>ハマーンさん
「感謝をできない人」は意固地で頑固で結局は自分が苦しく
「感謝を励みに人助けをする人」が数的には一番多く、
「感謝をキタイせずに人助け」が聖者の領域。最後のタイプは今時希少ですよね。

>おこぞうさん
ごろうちゃんのトサカアクセサリーはじつはもう作ってます(笑)。

>モモさん
いまはふわふわの柔らかい命を慈しんで幸せですよね。

>カルマさん
時間がたてば状況も変わると思います。
● ありがとうございます
けい@FreeTibet | URL | 2009/07/17(金) 00:28 [EDIT]
遅ればせながら…講演会にお越しいただき、ありがとうございました。
スタッフは公演を聞けないものと思い込み、筆記用具も心の準備も無く、バタバタと立ち見をしていたので、せっかくのいいお話も全部を把握できず、先生のブログで復習できて助かりました。
ありがとうございました。

アマ・ジェツゥン・ペマに対するチベタンの様子は、TCVの子供達も在日チベタンの大人達も、同じように母を慕う子供そのものでした。

チラリと2回お逢いしただけの私も、写真を見ただけの知人も、彼女の偉大な母性を感じて尊敬しています。
そんな彼女達の元で育ったチベタン達が、人格者ばかりなのは当然ですね。

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