白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/12/16(水)   CATEGORY: 未分類
ゴマン学堂とモンゴル人
来る土曜日に護国寺で「モンゴルとチベット仏教のふか~い関わり」を演題に講演します。

【第3回bTibet09】2009年12月19日(土) 
13:00頃から ご法話「他者を愛する、菩薩のこころ」
ゲシェー・ガワン・ドルジェ師 (デプン・ゴマン学堂 ゲシェーラランパ)
http://www.mmba.jp/profile/gomangstaff/index.html

15:00頃から
講演「歴史上の大国モンゴルを魅了したチベット」
石濱裕美子先生(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)

17:00頃から
―デプン・ゴマン学堂の僧侶と一緒にチベット式法要―
文殊師利大乗仏教会http://www.mmba.jp/zurde/tshogs.html
 

というわけで、土曜日、本年最期のチベット基礎講座(bTibet09)の講師にお呼ばれしており、演題は主催者から「チベット仏教とモンゴル人との関係を話してほしい」と言われたので、その方向で話を準備する。

 13世紀のモンゴル帝国の時代、フビライ=ハーンとチベット僧パクパとの関係はよく知られているが、じつは教科書にはでてこない17世紀以後のチベットとモンゴルの関係も、超こゆい。

 だって、あのラサの中央にある大聖堂チョカンの本尊釈迦牟尼仏の冠はアルタン=ハーン一族のプレゼントだし(『殺劫』には文革の時壊されて大きさのあわない冠になっている、と書いてあったので現存するものは昔のままでないかもしけないけど)、ダライ・ラマ五世が17世紀にチベットの政治のトップに君臨できたのも、グシ=ハーンというモンゴル王侯の軍事力の後援があったからだ。

 ダライ・ラマ政権はモンゴル地域、ブリヤート、カルムキアなどから広く留学生を積極的に受け入れたため、その留学生の帰国後チベット仏教はモンゴル人居住域に劇的に広がった。そして、多くのモンゴル人がダライ・ラマを崇拝するあまり、ダライ・ラマの大施主の座をめぐってモンゴル人同士、後にはモンゴル人と満洲人の間にたびたび紛争がおきた。

いつの時代もダライ・ラマのまわりはホットなのだ。

チベット人が言うには、仏法は文字通り「三宝」なので、宝のまわりには盗人が集まるし、霊鷲山のいただきで釈尊が仏法を語られた時、聖者たちにまじって、有象無象があつまったように、昔から真理のまわりには聖者から魔物系にいたるまでいろんな人が集まるのだという。ちなみに、自分この話を聞いた時、「願わくば聖者は無理でも長者くらいになって、魔物呼ばわりだけはされたくないな」と思った。

 なので、モンゴル人がダライ・ラマの施主の座をめぐって戦争したくらいで驚いてはいかん。

 そもそも、くだらないもんだったら、誰も相手にしないから、孤立して、それをめぐって争いもおきん。今でも、ブレイクスルーのまわりには、それを実用化するとか、まねるとかで多くの人が商機を求めてたかるように、チベット仏教は普遍的であり、それがあまりにも感化力をもち実効的であったが故に、今も昔も魔物や盗人も含めて有象無象があつまってくるのだ。

 で、数日前、主催者のN君から参考資料として『ゴマン学堂史』が送られてきた。分厚い二冊本で、2001年にゴマン学堂から発行されている。なぜ、デプン大僧院の一学堂であるゴマン学堂史が参考資料になるかと言えば、かつてゴマン学堂はモンゴル地域出身者の受け入れ学堂であったからだ。

 アムド、本土モンゴル、南モンゴル、ブリヤート、カルムキア、これらの地域の出身者はじつは17世紀に満洲人が中国を占領していた時代に、満洲・モンゴル・チベットを政治的にも仏教的にまたにかけて活躍した人たちを輩出している。なので、ゴマン学堂史には古くは清朝宮廷で活躍したチャンキャ、モンゴルのダライラマ、ジェブツンダムバ、20世紀初頭ロシア布教で名高いブリヤートのドルジエフや、最初期にアメリカにわたって、アメリカのスターチベット学者たち(ロバート・サーマン、ジェフリー・ホプキンスetc.)を育てたカルムキア人のゲシェー・ワンゲルなど、すごいビッグ・ネームが名を連ねている。

 南インドに再建されたゴマン学堂は、いまもモンゴル人の留学生を受け入れているが、モンゴル人にはかつての政治力・経済力はなくなっているので、ゴマンは諸行無常の理を地でいく状態になっている。ははは。

 で、土曜日の話は、やっぱ面白いのはダライ・ラマ五世の死から六世にかけてのモンゴル人と満洲人の争いと、近現代のモンゴル僧たちの活躍なので、この二つをアレンジしてみようかと思う。もし余力のある方は『チベットを知るための50章』の49章あたりにある「草原の民のアイデンティティー探し」を読んでおいてくれると嬉しいな。
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