白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2010/03/20(土)   CATEGORY: 未分類
ギュルミ氏の流転の人生
金曜日、かつてダライ・ラマのボディガードをつとめたこともあり、法王事務所で働いていたこともあるギュルミ・ワンダー氏の講演を聴きにいく。

 会場は大倉山記念館という明治期の洋館の中の集会室である。主催者は『ダラムサラと北京』、『チベット約束の庭』などの発行元である「チベット交流会」さん。ギュルミ氏とは長いおつきあいらしい。

 テーマは「ダライ・ラマ法王の日常」。

 ギュルミ氏が法王のボディガードをつとめられていたのは70年代から85年くらいまでで、その間の、あるいはその後、日本やカナダにいる間に見聞きした法王のエピソードを伺う。

 ギュルミ氏はチベットが中国に十七箇条協定を結ばされた1951年の生まれ。
 カギュ派の僧であった9歳の時に国を失いシッキムに亡命した。いつ還俗したのですか、と伺うと、11才の時学校の制服を着るために袈裟を脱いだけど、いつということはない、私の人生は流転につぐ流転だ、とおっしゃられた。

 そこで、ギュルミ氏ご自身の流転の人生について伺うと、これがすごい。
 ギュルメ氏は西蔵ツェワン先生、ペマ・ギャルポ先生たちと同じ、最初期に日本にわたったチベット人。だから日本語もペラペラ。

 日体大で柔道を学び、しかし白黒曖昧にする日本の社会を好きになれず、インドのチベット社会に戻る。

 もれ聞こえてくるチベット本土の破壊の様子を聞くにつけても、安穏としていられず闘争のための同士を募るも、同調者は集まらなかった。そこで、学校の先生になることとした。
 
 ダライ・ラマに「日本はもういやなので、シッキムの学校で体育を教えます」というと
 法王様「昔は子供を学校にやるのは親にとって誇りだった。まして先生になるのはすばらしい。チベット人の子供を教育してください」とおっしゃるので

 「チベット人でなくインド人の子供です」と恐る恐るいうと法王様「同じだ。がんばりなさい」

 そして、ギュルメ氏は教師として給料をもらうようになるが、そうするといろいろなものがほしくなった。そして一年後ほしかったバイクに乗っている時、一転して全てがむなしくなった。

 そこで、ギュルメ氏、再び法王様のところにいって「今までのことを全て後悔しています。わたしが日本にいくまえカリンポンではチベット人の間には、チベット人という概念しかなかった。貧しいけどみんなで助け合っていた。しかし、今はみなビジネスで成功したりして、互いに助け合わなくなり、ラサの人、アムドの人などと互いの間で派閥を作っている。」と訴えた。

 するとダライ・ラマ法王様は、鍛冶やのふいごが、片方があがると片方が下がるように、人間性があがるとお金がなくなり、お金がたまると人間性が下がるといい、いろいろなチベット人の話をした。

 当時、中国人と戦うためインド軍にはいったチベット人が第三次印パ戦争にかりだされて、バングラディシュで死んでいた。法王は彼らは死に場所をまちがっている、とおっしゃった。そしてダージリンの紅茶畑で働きながら少ない賃金の中から亡命社会を支えるための税金をはらっている貧しいチベット人のこと、法王はいろいろなチベット人の人生を話した。

 そして、ギュルミ氏は武装路線をあきらめ、法王のSPの仕事を皮切りに、亡命政府内で働くこととなる。

 それから、いろいろあって、今はカナダ国籍をとってお坊さんでない俗人の老人ホームをシッキムのカリンポンにつくる事業に携わっている(お坊さんは僧院内で弟子に世話してもらえるから)。ギュルメ氏は

「チベット本土で今蜂起しているチベットの若者たちのキモチはよく分かる。自分がそうだったからだ。しかし、今はもう暴力に頼ろうとは思わない。そのように若者たちにも説いている。暴力は何も生み出さないからだ。法王様のおっしゃる通りだ。」

 「私の人生は流転の連続だが、いい方に流転してきたと思う。」

 ギュルメ氏はハリウッド映画クンドゥンにおいて中国と対立して馘首されるルカンワ首相の役をつとめている。ハマリ役すぎて吹いた。最後に、

「もしチベットが今も独立国だったら自分は本当に首相になっていたかもしれないよ」とジョーク。
 
 いや、こゆいお話でした。若い頃は国のために戦うことを志し、今はチベット文化の長い目でみた存続を考え、暴力を捨て、難民社会の福祉にいそしむ、また節目節目で法王様がおしつけがましくなく、ギュルメ氏を導くそのオコトバがたまりません。

 氏は23日に離日してカナダに戻りますので、彼のトークショーはあと日曜と月曜の二回しかありません。通訳を介さず直接日本語でお話ができます。

 三月二十一日(日) 午後6:30~8:30
  会場 大倉山記念館 (最寄り駅東急線大倉山駅徒歩七分)
 三月二十二日(月) 午後1:30~4:30
  会場 関東Itソフトウエア健保会館(最寄り駅総武線大久保駅より徒歩一分 
 申込先/お問い合わせ先 チベット交流会 電話045-943-5258
チラシはこちらにあります


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| | 2010/03/22(月) 10:55 [EDIT]
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シラユキ | URL | 2010/03/22(月) 13:55 [EDIT]
>Norikoさん
ギュルミ氏の講演に足を運んで下さったとのこと、ありがとうございます。チベットに関する問題はたしかに考え込むことが多いです。あまり考え込まず、自分がかかわれる範囲でかかわることがいいかと思います。

カルマ・フォーチュン(♪♪) | URL | 2010/03/26(金) 15:37 [EDIT]
http://twitter.com/DalaiLama

http://www.tibethouse.jp/news_release/2010/100304_twitter.html

ダライラマ法王げいかが、ツイッターをはじめたそうです。
ご報告を兼ねておいておきます。

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