白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2010/04/11(日)   CATEGORY: 未分類
年度初めの誓い
 先週の日曜日、桜をみながらオサレな町を歩いていたら、ふとフランス料理屋さんがめにとまった。久しぶりにオフランスもいいかと思い、入ろうかとしたが、コートの下がコキタナイ部屋着で、コートを着込んだまま食事というわけにもいかないので、なくなくおフランスは見送り、玄品ふぐに入る。

 そしてフグ鍋を勢いよく食べている時、葛きりをちゃんとさまさないまま食べた結果、食道が焼けただれた。おかげで週の前半は固形物が飲み下せず、げっそりした。

 そこで、昨日はリベンジに比較的まともな格好をして、おフランス料理屋に突撃。ブルゴーニュの赤ワインを傾けながら、春野菜のスープ(ピンク色よーん)、聞いたけど忘れた魚料理に、牛フィレに、クリームブリュレを戴く。ああ美味しかった。

 何となく年度初めにあたってやる気がでてきた。
 
 実はこの春から、授業数がへって時間がとれることになった。

 そこでまず、二冊目の研究書(乾隆帝とチベット仏教の歴史)をまとめるため、今までの論文を英文のものは和訳し、構成上足りない部分は2本新たな論文を書く。

 そして、のびのびになっていた新書本の原稿も書とりかからないと。今度は編集さんの希望もあって、専門ど真ん中を一般向けにしたものとなりそう。

 調度二冊目の専門書をだすくらい論文がたまったところで、このように授業がラクになったのも天の配剤。とはいっても、学内の助成金がとれないと出すに出せないけど。

 この前のニュースで、仕分けの対象として、各省庁のいろいろな部門がやり玉にあがっていたが、省庁の中でも最も多くの項目が挙げられていたのが、文科省だった。

 国立博物館、美術館、学術振興会、宇宙開発、などなど研究・文化予算がみなおしの対象となっており、なんかすごく不安。

 文化にかかる金をケチる政権って絶対未来に禍根を残す。
 専門書は売れないのでどこの出版社も引き受けてくれない。
 しかし、売れる本が立派かというと中にはしょうもない本があるのは周知の通り。

 たとえば、とにかく人に手にとってもらうため、人が「こうだ」と思っているものをけなし、落とし、疑問を呈することによって、心配になった人が手にとることをはかったりする本がある。売るための本である。それが事実にもとづく指摘ならまあ多少は意味があるかもしれないが、一部をもって全体を論じていたり、予断や憶測に基づくものであったり、だいたいしょもない場合が多い。
 
 このような本は売れるかもしれないが、その滞空時間は短く、世の中にも文化にも何も裨益するものではない。

 専門書は違う。

 研究とはすでに存在しているものについて、もう確定したものについて、その構造なり実体なりを解明していくものであるから、良質な研究は、時代をこえて必要とされ読み継がれていく。

 しかし、このような専門書の大半は500部くらいしか売れることが想定されていない。電子出版などによって昔よりは広く読まれるようになっているが、とにかく売れないので、どこの出版社も専門書はだしたがらない。

 そこで、助成金を求めて研究者は国や大学に申請を続けることとなる。

 その助成金を仕分けとかで減らされたら、困るんですよね。500部すら刷れなくなっちゃう。

 まあ、粘着に申請し続けます。さらなる野望は最初に出した『チベット仏教世界の歴史的研究』と合わせて、英文版を出すこと。そうでなくとも、チベットの歴史は黙っていたら、埋もれてしまう、あるいは、現在チベットを支配している国家が国を挙げて行う宣伝に封殺される。

 というわけで、今年はまじめに研究する。

 忘れてた、ゴールデンウイーク五月三日に出雲の古刹、峯寺で講演します。
 次のエントリで詳細をかきまーす。
 でも、このブログ見てて出雲周辺の人って二人くらい?(笑)
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COMMENT

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二人のうちの一人M | URL | 2010/04/11(日) 16:38 [EDIT]
先生のブログを読み始めてから、本物を残すことの意味を、とてもよく知らされています。チベットの文化を残すということがどれだけ大切なことか、もちろん日本文化もしかり。商業主義で人間間違うよりも、利他精神で平穏に過ごすことの方が、より本物になっていくのではないかと思っています。
というわけで、5月はよろしくお願いいたします。

Susumu | URL | 2010/04/11(日) 17:03 [EDIT]
新年度、自由な時間が増えてよろしかったですね。
英文版をぜひとも完成されて、先生のお名前を世界に轟かせてください。井の中の蛙でなく、世界のIshihama ですよね。もっともすでに世界のIshihamaなっておいでなのに、私が無知なだけかな。
そうだったら、ごめんなさい。


宰相 | URL | 2010/04/11(日) 19:53 [EDIT]
先生の授業数が減らすとは、文科省というより学部は何をやっとるんだという気がしないでもないです。私以上に迷える、ゆとり教育どっぷりの後輩達にとっては、残念な限りです。どうかこれまでと変わらず、いやそれ以上に濃密な指導で後輩達を導いて(救って)くださるように、お願いいたします。

シラユキ | URL | 2010/04/11(日) 22:19 [EDIT]
>もう一人のMさん
ありがとう。なんか院生らしくなってきたっつーか、嬉しいです。

>Susumu先生
まだブログごらん頂いているとは本当に光栄です。先生には遠く及びませんが、何か研究していてよかったと思えるような人生を送りたいと思います。英文に訳すのは私の英語力がもう少しアップしないと悲惨なことになります・・。

>宰相くん
今までがちょっと多すぎたの。適正化したってことで、許して(笑)。いやサバティカルも早稲田きてからとってないし。

宇宙犬 | URL | 2010/04/11(日) 23:21 [EDIT]
先日は東京でのご講演、誠に有難うございました。
美味しいお食事、元気が出ますよね。火傷の具合は如何でしょうか…。

出雲でのご講演、mixiのトピックで、更に多くのかたが御覧になると存じます。盛会となりますよう。
そして、新年度におけるご成功とご発展、さらなる野望の達成を祈念申し上げます。
今年度もどうぞ宜しくお願い致します。

manuel | URL | 2010/04/12(月) 17:00 [EDIT]
全くですよね。石油もレアメタルもないこの国は人材こそが最大の資源なのに学術予算を減らしすぎたら致命傷ですよ。
何より研究の道に入りたくても入れない人達がいる。その中にはチベットを研究したいと願ってる人も少なからずいるはずでしょう。

政治家の皆さんには高すぎる自分達の給料を削ってでも学術予算のために使う発想はないでしょうね・・・

シラユキ | URL | 2010/04/14(水) 08:57 [EDIT]
>宇宙犬さん
いつも拡散ありがとうございます。

>maneulさん
そうなんですよね。学術予算だけは(もちろんムダなのは省いても)減らさないでほしい。博物館や美術館が雨漏りとか始めたら、その国はもう終わりですよ。

>二人のうちのMさん
すいません、M寺のMウラさんでしたね、院生二人もイニシアルMなのでカンチガイしていました。文脈を読む修業ができていませんでした。

宇宙犬 | URL | 2010/04/15(木) 11:24 [EDIT]
あっ、実は今回はトピ立てさせて頂いたのは私ではないんです。。申し訳ありません。でも、トピックについては折に触れケアしていきたいと存じます。

エントリの本題と関係無く申し訳ありませんが、最近先生の影響でインコさんの可愛さに目ざめつつありまして、でも一緒に暮らすことはできないので、YouTubeで動画など視て、鼻の下を伸ばしております。

今週末にでも、お気に入りの動画を先生にお送りしようと、ドラフトアップしたタイミングであの地震、そんな呑気なメッセをお送りするのもはばかられ、下書き保存箱に入ったままになってしまっております。

みねまつ | URL | 2010/04/16(金) 22:18 [EDIT]
二人のうちのMです。すみません、その都度名前をかえてややこしくさせてしまいましたね。申し訳ございません。

この場をお借りして申し訳ないのですが・・・

>宇宙犬さま
今回のトピ主です。はじめまして。
ご覧いただいて光栄です。
今後ともよろしくお願いいたします。

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