白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2010/05/01(土)   CATEGORY: 未分類
歴史教育とは何か
 
頭と舌でチベットを体験!
出雲の講演明日(3日)になりました! うわもうははは。
 と   き:平成22年5月3日(憲法記念日)午前11時から1時間http://blog51.fc2.com/control.php?mode=editor&process=load&eno=456#
場   所:出雲大峯 中嶺山 峯寺 島根県雲南市三刀屋町給下1381
入 場 料:無料 講演会終了後「テントゥク」をご接待 詳しくはここクリック



大学院に入ったピンガ大王が「歴史教育って何でしょうか」みたいな質問をしてきたので、もうすぐ教育実習にいく学生も多いことだし、何かの参考になるかとその時彼に返したメールをあげとく。

 歴史研究とは、史料批判を行いつつその時代特有の現象を明らかにしていく営為のことです。

 過去に起きたことはその時代特有の環境、考え方、伝統、習慣などが組み合わさって生じてきたものです。したがって、ある時代に存在した現象を明らかにしようとするならば、その時代の環境なり価値観なり、思想なりをその当時の文脈に正確に位置づけて読み取る作業からはじめねばなりません。歴史家の優秀さは根拠を提示しながらどれだけその時代の空気を再現できるかによります。
 
 しかし、過去は今から簡単に想像できるようなものではありません。

 たとえば、ケータイが常用されるまえ、待ち合わせがどのようにされていたか、思い出せますか。ネットがない時代、スーパーがない時代、買い物はどうでしたか。思い出せますか。こんな風に、短い間にもいろいろな概念が大きく変わっていることに気づけば、百年二百年前になるとどれだけ違った価値観でものごとが動いていたか想像つくでしょう。

 それに、ある事件がどうして起きたかを考える時、それが昨日起きた事件であってもそれが起きるに際してはいろいろな要因があったことはわかり、そこから過去に起きた様々な事件も一つの原因だけではなく、多くの要因を勘案しなければいけないことは分かるでしょう。
 
 これが歴史研究です。なので、過去のある時代のある現象を断定的に見てきたように語り、単純化し、果ては断罪したり褒め称えたりするような歴史家は「かなりヤバイ」ことは自ずと分かるでしょう。

 たとえば、某国を例に挙げますと、現在の体制を正当化するために、過去の時代について、その当時には存在しない概念「封建領主」、「農奴」、「宗教はアヘン」などの言葉をもっておとしめようとします。これが客観的な歴史研究たりえないことは四才児だって分かることです。
 
 歴史教育とはまさにこのような予断をもったものの見方をさせないために行うものです。
 
 歴史教育とは、過去におきた出来事はすべて、史料に基づいて証明できる範囲内において考えるべきであることを教えることです。それ以上のこと、資料にないことを言う場合、その先は妄想、政治的信条、プロパガンダの類となり、歴史ではないことを教えることです。

 歴史はただそこにあるもので、自然と一緒で、観察の対象です。古生物学が過去の地層からでてくるものを科学的に分析して、恐竜の時代を解明していくように、歴史は史料をほりさげてその時代の特殊な現象がどのような体系であったのかを解明していくものです。
 
 
 つまり、歴史を研究することはデマや感情によって曇った目によって過去を見るのではなく、史料によって解明できる範囲内において言えることを積み上げていく作業だといえます。こうして見ると、歴史研究は物事を客観的にみる訓練になるとも言えますね。

 ここまでしか分からない、ここまでしか言えないことを教えることが歴史教育です。

 ソクラテスもいうように「自分がいかに無知かを知るものが一番の智者」といえるので、歴史教育においてもそのセンで行くことがいいかと思います。
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COMMENT

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● 生意気だった学生時代
モモ@八尾 | URL | 2010/05/01(土) 12:46 [EDIT]
「歴史など終わったもの、これから先を研究するならともかく
済んでしまったことを教わるのは時間として無駄」と思ってました。
でも今は違います。先人達の築いてきた土台を研究することは
人間の成長過程で、ある程度知っておかなければ
ならないことを大人になって初めて理解できました。
高校生の時に気付いていれば・・・と舌打ちしてしまいます。

シラユキ | URL | 2010/05/05(水) 18:49 [EDIT]
「これから先」をどうかするためには、今を積み上げていくしかなく、その今は過去の集積なわけですから、
これから先を作っていくためにも、過去をちゃんと踏まえ無ければいけないんですよね。
過去の研究は全然ムダではないです。
未来は過去を踏まえてしか作り得ない。

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