白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
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DATE: 2010/05/13(木)   CATEGORY: 未分類
チベットの青蓮華
というわけで、チベット仏教の伝統に見事に絡めとられて、ターラーの生起を毎日やることになってしまった。
green_tara.jpg

 平岡先生によると、「観想がカンペキにできなくとも、印がなんちゃってでも、とにかく毎日続けることが大事」なんだそうな。センセによると「最初は一週間続ける、と決意してやり、次は一ヶ月、と徐々に期間を延ばしていくと毎日できるようになりますよ」とのことである。

 私は「アル中が断酒をする時のやり方と同じですね」と心中思ったが、不謹慎なので口にしなかった(ここで書いたら同じじゃ)。まあでも、飲酒という悪い習慣を断ち切るのも、仏のイメトレという良い習慣を身につけるのも、習慣にするという意味では同じであるからこの喩えもまんざらはずれてはいない。

 アル中患者の半分は断酒に失敗して最後は死にいたるというが、生起法を途中でやめたらどんな罰があたるのか、怖いので聞けない。ちなみに、具足戒とった僧侶が還俗したら、七回地獄に落ちるらしいが、それよりは軽いよね。そうあってほしい。

 で、平岡先生によると、「最初は長いとつらいだろうから、省略できるところをして短いバージョンでやってもいい。しかし、なれてきて一座にかかる時間が短くなってきたら、省略した部分をフルバージョンでやるといい」とのこと。

 こうして、世界一たよりないターラー行者が誕生した。私のことだから簡単には成仏できないので、将来私に救われる予定の有情さま、しばしお待ちくださいませ。

 密教をちょっとでもかじった人はご存知だろうが、密教のさまざまな仏様たちは、形はあるけれど肉体をもたず、その実は空である。なので、どのような仏様を本尊にする場合も、まず、「なにかが無い」というような相対的な無ではなく、絶対的な無(空)の状態から、本尊の姿を起こしていく。

 で、なにもない空の世界に、形あるものとないものの中間の存在としてまず「音」があらわれる。これは本尊を示す文字(種字)で表され、たとえばターラー尊だとtaMである。そして次にその種字が本尊を示すシンボルに姿を変える。ターラー尊の場合だと青蓮華である。そして、このシンボルが姿をかえて、衆生を救うための姿、本尊の姿になるのである。

 だから、チベットの密教の仏様の姿は、みな空なのである。仏様の徳のさまざまな側面をイメージしやすくするためにさまざまな姿に表現しているだけである。

 で、ターラー尊の重要なシンボルである青蓮華をみてて面白いことに気づいた。仏画の中でターラー尊が手にする青蓮華は、蓮華の形をしていない。どちらかというとこれまでいくつかのエントリーで取り上げたヒマラヤの青いケシ、メコノプシスである。ターラーの手にする青蓮華はチベット語でウトパラというので、チベットの薬材辞典でウトパラutpalaをひいてみると、やはりどの本でもメコノプシスが学名としてあがっている。
Meconopsis shelldonii

 チベットの青蓮華は蓮華でなくメコノプシスだったのだっ。

 ターラー尊はチベットで感得された仏様で、遊牧民や農民にいたるまでこの仏さまに対する信仰はさかんである。チベットの守護尊は観音菩薩であり、ターラーはその眷属であると考えられていることと、あらゆる災難から人を救ってくれるというその大きな救済力が人気の秘密であろう。

 一方、メコノプシスはヒマラヤ山中にわけいった多くの欧米人のプラント・ハンター(フッカー、キングドンウォード)の心を例外なくとらえてきた。

 つまり、メコノプシスは欧米人にとっても憧れの花であり、それよりずっと昔からチベットでもっとも人気のある女尊のシンボルとしてチベット人にめでられてきたのである。

 まさにヒマラヤの女王。

 そういえば、むかーし、自分がぴっちぴちの女子大生だった頃、いまはなきH先生のところでチベット語を学んでいた。その時H先生が「これは蓮華と訳しますが、日本でみる睡蓮やはすの花とは違います。ウトパラとはチベットの仏画によく書かれるこの花です。」という話題がでたことを思い出した。あまりにも昔なので、その時どんな仏画をみたかは記憶にないが、ターラー尊の仏画だったかもしれない。

 今思えば、ターラーを感得したガルワンは、チベット人がもっとも美しいと思う女尊の姿を身近に咲くもっとも美しい花の中に見たのだろう。
 いやあ、物事に対する理解というものは年を取るにつれて深りますなあ。
 修行も続けたらきっと深まっていくのでしょうなあ。

 今のところ、三日は続いてます(笑)。
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Penba Yakdu | URL | 2010/05/14(金) 00:58 [EDIT]
目から鱗です。
青いケシがターラーのシンボルとは

「ドルマ・ウトパラ」
なんかピッタリの名前です。
● お灯明とお花供養
koichi | URL | 2010/05/18(火) 08:14 [EDIT]
ピューペ の場所には時々本物のお花をあげましょう。
アロケはお灯明ですが、私はカメヤマローソクのtea lightを使っています。日本製で安全で5時間位いけるからです。東急ハンズかドン・キホーテに置いてます。良ければご参考に。

白雪姫 | URL | 2010/05/19(水) 01:06 [EDIT]
>Penbaさん
メコノプシスって西洋人に受けているだけかと思っていたので、ターラーさんのもっている花であることを発見したことでとても感動しました。

>koichiさん
アーガムは全部で四回くらいでてくるので、確かにホンモノのお花とかささげないと、観想が貧弱だからサギしている気分になります。今のところ続いております。とりあえずご安心ください。

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