マイル・ストーンは苔むして
ここ数日、晴れて少し肌寒い。研究室のはいったビルから富士山がきれいに見える。
紫外線も強いらしく、この時期、大学の構内を歩いていると一瞬チベットにトリップしたような気持ちになる。
なので、必然的に授業中チベットの話題が多くなる。
わたしは日本でも数すくないチベットの専門家なので、必然的にチベットの話題が多くなる。聞く人が聞けば面白いと思うのだが、学生にもいろいろいて、
「また、あの人チベットの話しているよ」みたいな反応をする人もいる。
学生が編集する学内情報誌にマイルストーンという雑誌がある。
ある日、政経学部のとある先生が「センセ、見てくださいよ、これひどいんですよ。僕の授業を 何の役にもたたない授業、って書いてるんですよ。」
私「(どーでもよさそーに)そりゃー大変ですねー、どれどれ、私のはどう書いてあるかな」
みると「本人がチベットの専門家なので、チベットの話が多い。何の役にも立たない。」とある。
なんじゃこりゃあ。
私「失礼な! 何を基準に役に立つたたないを決めているんじゃ。役に立つ立たないで学問を決めつけるな。すぐに役に立つことを知りたければ、専門学校にいけ! そのかわり、誓って言うが、そこで学んだことはタイムスリップして百年前にいっても、百年後にいっても、どっちでもやくにたたんわ! あんたらのいう「役に立つ」はその程度のことだと知れ! あんたらに決めつけられるいわれはないわい! センセ、一緒に抗議に行きましょう。なんなら名誉毀損で訴えるとか。」
とあるセンセ「でしょでしょ。でね、僕、去年はこの編集部に抗議入れたんですよ。なのに今年もまったく同文ですよ。もう○×な学生との戦いですよ」
そこで我にかえる。そういえばこういう情報誌って、情報をよせる人がいないと、毎年同じものがひきつがれるんだっけ。学内情報誌といったって、その程度の見識であり、相手にするだけムダか。そもそも大半の授業評価が、楽に単位がとれるかとれないかで決まっているし。
そいえば、とある先生も自分の授業評価に、
「寝癖くらいなおしてから、教壇にたて」とかそんなことばかり書いてあったという。
(学者に身だしなみを強要してもムダだと思う。アルキメデスは裸で外を駆け回るくらいだし)。
よく、大学の授業の質をあげるために、学生による授業評価をとりいれようという動きがあるが、このような事例を見聞きするにつけても、学生の評価にひゃくぱーせんとたよるのがいいかどうか疑問である。
授業を評価すること自体はとてもいいことだと思う。しかしその場合、学生の意見に加えて、さまざまな年齢層の社会人などにも聴講してもらって決めるのがいいと思う。その方が評価はより客観的になる。
学問や文化の行く末は、世のはやりすたりや、経営上の都合などでは決して決めてはいけないものである。
大学の品格を維持することがひいては卒業生のためにもなる。そこんとこは、やはり譲ってはならない。
紫外線も強いらしく、この時期、大学の構内を歩いていると一瞬チベットにトリップしたような気持ちになる。
なので、必然的に授業中チベットの話題が多くなる。
わたしは日本でも数すくないチベットの専門家なので、必然的にチベットの話題が多くなる。聞く人が聞けば面白いと思うのだが、学生にもいろいろいて、
「また、あの人チベットの話しているよ」みたいな反応をする人もいる。
学生が編集する学内情報誌にマイルストーンという雑誌がある。
ある日、政経学部のとある先生が「センセ、見てくださいよ、これひどいんですよ。僕の授業を 何の役にもたたない授業、って書いてるんですよ。」
私「(どーでもよさそーに)そりゃー大変ですねー、どれどれ、私のはどう書いてあるかな」
みると「本人がチベットの専門家なので、チベットの話が多い。何の役にも立たない。」とある。
なんじゃこりゃあ。
私「失礼な! 何を基準に役に立つたたないを決めているんじゃ。役に立つ立たないで学問を決めつけるな。すぐに役に立つことを知りたければ、専門学校にいけ! そのかわり、誓って言うが、そこで学んだことはタイムスリップして百年前にいっても、百年後にいっても、どっちでもやくにたたんわ! あんたらのいう「役に立つ」はその程度のことだと知れ! あんたらに決めつけられるいわれはないわい! センセ、一緒に抗議に行きましょう。なんなら名誉毀損で訴えるとか。」
とあるセンセ「でしょでしょ。でね、僕、去年はこの編集部に抗議入れたんですよ。なのに今年もまったく同文ですよ。もう○×な学生との戦いですよ」
そこで我にかえる。そういえばこういう情報誌って、情報をよせる人がいないと、毎年同じものがひきつがれるんだっけ。学内情報誌といったって、その程度の見識であり、相手にするだけムダか。そもそも大半の授業評価が、楽に単位がとれるかとれないかで決まっているし。
そいえば、とある先生も自分の授業評価に、
「寝癖くらいなおしてから、教壇にたて」とかそんなことばかり書いてあったという。
(学者に身だしなみを強要してもムダだと思う。アルキメデスは裸で外を駆け回るくらいだし)。
よく、大学の授業の質をあげるために、学生による授業評価をとりいれようという動きがあるが、このような事例を見聞きするにつけても、学生の評価にひゃくぱーせんとたよるのがいいかどうか疑問である。
授業を評価すること自体はとてもいいことだと思う。しかしその場合、学生の意見に加えて、さまざまな年齢層の社会人などにも聴講してもらって決めるのがいいと思う。その方が評価はより客観的になる。
学問や文化の行く末は、世のはやりすたりや、経営上の都合などでは決して決めてはいけないものである。
大学の品格を維持することがひいては卒業生のためにもなる。そこんとこは、やはり譲ってはならない。
COMMENT
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先生の忠実なる下僕 | URL | 2006/04/22(土) 11:13 [EDIT]
先生の忠実なる下僕 | URL | 2006/04/22(土) 11:13 [EDIT]
まったくけしからんですね。それにしても何の役にもたたないとは何事でしょうか。「アンタたちしらないでしょうけど、私の教えのおかげである極右が平和主義者(?)になったのよ!!!」とでも言ってやったらどうですか。
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emichan | URL | 2006/04/22(土) 11:32 [EDIT]
emichan | URL | 2006/04/22(土) 11:32 [EDIT]
もったいないなあ〜。
「役にたつ」の発想がわかんない。
知の好奇心がないのかな?
「役にたつ」の発想がわかんない。
知の好奇心がないのかな?
僕が早稲田に入った頃(1998年)、マイルストーンに先生の二文での授業評価が載ってましたけど、その時は、
「講師はダライラマに会ったことのある美人。」
とか書かれてましたよ。
「講師はダライラマに会ったことのある美人。」
とか書かれてましたよ。
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破顔 | URL | 2006/04/22(土) 16:10 [EDIT]
破顔 | URL | 2006/04/22(土) 16:10 [EDIT]
まったくです。ため息が出ます。
世の中役に立つことなどなにもないのだと、
また、役に立たないことなどなにもないのだと、
そう言ってやりましょう。
世の中役に立つことなどなにもないのだと、
また、役に立たないことなどなにもないのだと、
そう言ってやりましょう。
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近畿在住の尼さん | URL | 2006/04/22(土) 17:20 [EDIT]
近畿在住の尼さん | URL | 2006/04/22(土) 17:20 [EDIT]
自分の都合で価値判断している愚者には真実を見ることは遠いものです。怒りを通り越して、哀れみの感のみです。しかし何かのきっかけで、大切なものに気が付くこともあるはず。それを信じて、授業を発信し続けるしかないのではないでしょうか。ザ、にんにくはらみつって感じですけど。先生、お身体お大切に頑張って下さい。
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アメシィー | URL | 2006/04/22(土) 20:51 [EDIT]
アメシィー | URL | 2006/04/22(土) 20:51 [EDIT]
マイルストーン、教室に大量においてありましたね。無記名だから何書いてもいいってことじゃないですよ。大学ってもともと実学だけじゃ成り立たないし。
先生の授業取る学生の気持ちも考えよーよ、といいたくなります。
先生の授業取る学生の気持ちも考えよーよ、といいたくなります。
まさかマイルストーンを本気で全部信じている学生は
いないとはおもいますが、あれはゴシップ誌と同じレベルですよね。
僕はあれを信じずに選択した講義で大切な出会いを
いただいたことが、たくさんありました。
それでも、ここ数年立ち読みしていますが、先生の講義は総じて
非常に高評価だったと記憶しています。
いないとはおもいますが、あれはゴシップ誌と同じレベルですよね。
僕はあれを信じずに選択した講義で大切な出会いを
いただいたことが、たくさんありました。
それでも、ここ数年立ち読みしていますが、先生の講義は総じて
非常に高評価だったと記憶しています。
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石濱裕美子 | URL | 2006/04/23(日) 08:14 [EDIT]
石濱裕美子 | URL | 2006/04/23(日) 08:14 [EDIT]
何かかえって気を遣わせてしまったみたいですみません。
この評価、最初はちょっと気になりましたが、今はもう開き直ってて「このやり方で学生がこなくなったらその時はその時だ」との境地です。大学は今、実学をたいへん重視しており、雨後の竹の子のようにできる新学科・新設学部は資格をとらせることに力点をおくものが大半をしめています。
既存の学部においても、哲学とか歴史とか「役に立たない」ことを教える学科は人気がなく、このような学科をでても就職がないという人ばかりです。このような方達に比べれば私は幸せな方で、文句をいっては罰があたります(いってるけど笑)。及ばずながら「無用の用」というものがいかなるものかを伝えていければと思います。
この評価、最初はちょっと気になりましたが、今はもう開き直ってて「このやり方で学生がこなくなったらその時はその時だ」との境地です。大学は今、実学をたいへん重視しており、雨後の竹の子のようにできる新学科・新設学部は資格をとらせることに力点をおくものが大半をしめています。
既存の学部においても、哲学とか歴史とか「役に立たない」ことを教える学科は人気がなく、このような学科をでても就職がないという人ばかりです。このような方達に比べれば私は幸せな方で、文句をいっては罰があたります(いってるけど笑)。及ばずながら「無用の用」というものがいかなるものかを伝えていければと思います。
● かとおもえば、
破顔 | URL | 2006/04/24(月) 22:45 [EDIT]
破顔 | URL | 2006/04/24(月) 22:45 [EDIT]
今年、一文の日本文学特論に「和歌を歌う(声明のようにほんとに”歌う”のです)」という講義ができ、昨年は同じく一文に「有職故実」という科目ができました。
こういう、掛け値なしに何の役にも立たない講義を新設するとは、文学部も捨てたものではないなと救われる思いです。
あ。もちろん履修してますよ。私は役に立たないの大好きですから。
こういう、掛け値なしに何の役にも立たない講義を新設するとは、文学部も捨てたものではないなと救われる思いです。
あ。もちろん履修してますよ。私は役に立たないの大好きですから。
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