白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2010/12/04(土)   CATEGORY: 未分類
師走の憂鬱
 一年もこの時期となると、三年生は就活に浮き足立ち、四年生は残り少なくなった学生生活を実感し、やっぱ留年するかなどの危険な決意をするものも現れたりする。

 それにしてもそれ以前の問題として、単位がたりなくて四年で(あるいは五年で)卒業できないかもなんてのもいる。そういう学生に限って、楽勝科目、すなわち、出席しているだけで単位がくる、ひどいばあいは、出席しなくとも単位がくるなどという評判の講義をとりまくっている。

 ではなぜそのような楽勝科目ですら落とすのかというと、基本的にそのような科目を選ぶことが如実に示しているように勉強する気がまったくないからである。

 ワセダには系列校という恐ろしいシステムがあり、ここに小中高のどこかの時点で入る大学まで無試験で上がれる。結果として、かつては神童だったのだが、無試験のぬるま湯の中でゲームだ旅行だ、クラブだと快楽に流され続け、年相応の基礎的な学力すらみにつかない人間が生まれ、そのまま大学卒業の時を迎えてしまう。

 同様なできあがり例として、自己推薦で入学した学生も多かれ少なかれこんなカンジになることがある。

 で、このような学生たちにとって卒論とはどういうものなのだろうか。Aはあと一ヶ月だというのに一文字も書いていない。しかも、問い詰めると、

A「〔既存の本を〕ハサミでチョキチョキしてつくるもんじゃないですか」と、しゃあしゃあという。

 お前のいっていることは、犯罪だよ!

 ゼミ生に対しては基本甘い私も、さすがに昨日はあきれ果てオヤジのように説教。

「Bは一回も授業にでなかったのに単位がきてラッキー」とかを公言しているが、アホすぎる。本来身につけるべきことがまったく身についていないのにそれで卒業することに、何も感じることがないのか? それは本当にラッキーなことなのか? 

あなたは自分の幸せの基準を運においているのか。
しかし、よく考えてご覧。宝くじで生計たてている人がいるか? いないだろう?
自分の人生の行く末を運にたくしていいわけ?
人生はギャンブルじゃない。幸せな人生をおくる一番の早道は、抜け道を探すことでも、楽な道を探すことでもなく、与えられた課題を自分の力でといて前に進んでいくことなんだ。

 Bよ、いつまでも子供でいたいだあ? 流れに入りたくないだあ?
 いくつになっても子供でいる方が大人になるのの百倍エネルギーを使うんだよ。
 楽な道を選んだつもりでも、結果としては一番つらい道になるんだよ。
 もっと長い目で人生を見ろ、タコ」

しかし、私の筋の通った説教も、のれんに腕押し、糠に釘。

 「ボクの卒論を落とすなんて非人道的なことを先生がするはずがない」と、とてもいやなカンジの信頼を私においている(笑)。

 しかし、おそらくは本人はある程度は気づいていて、でも、努力も勉強も規則正しい生活もそれに入るにはリハビリが必要なのである。

 こんな彼らも来年には社会人になる。社会人は学力だけではなくコミニュケーション能力その他いろいろあるのでいちがいに彼らが社会で困ることになるとは言えないが(彼らは人柄はいい)、努力を積み重ねることを覚えていくのは大変だろうな。

 就活をはじめたばかりの学生が鬱になる契機として、会社の性格にあわせて服装メイク、立ち居振る舞い、志望動機のプレゼンの仕方が異なることから、なんでここまでしなければいけないのか、とかいう流れがある。

 しかし、これは婚活なんかにも言えることで、「ありのままの自分を好きになってくれる人がでてくるまでまつわ」みたいなことをいっている人は永遠に結婚できない。だいたい「ありままの自分」ってそんな良いものだろうか。

 人間って、いろいろな経験(失敗・成功両方)を通じて、または勉学を通じて、いろいろなことが見えてきたり、その結果問題に処理できる力が生まれてきたりするものである。

 それは自分のことしか考えられない狭い視野を、よりワイドにひろげていく過程とも重なる。

 「ありのままの自分のまま」では、根本的に問題解決を行うことは不可能なのである。だから、オトナはなった方が断然ラクなのである。

 「何か(社会人、夫、親など)になること」は「ありのままの自分を失うこと」ではない。何かになることは人格成長の契機である。何にもなれないこのままって方がよほどまずい。

 「子供を生んだら母親になれるかと思ったら、子供を愛せませんでした」とか、「社会人になったら責任感が生まれるかと思いましたが、生まれませんでした」とかいうのはまずいだろう? 何にもなれない方がよほどまずい。

 「ありのままの自分」はただ、「誰かに何かをしてもらうことをまっているしかない不安定な存在」なのである。自分のことは自分で解決できる存在の方が遙かにラクな人生を送れるだろう。

 本能に従って流されてラクに生きることは、ひいては自分の人生を自分の力で動かすこともできなくなる、情けない人生、地獄へと続く道なのだ。
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COMMENT

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manuel | URL | 2010/12/04(土) 21:39 [EDIT]
この今回の記事に書かれていることはヒトゴトではなく私の周りでも同じようなことが起こってます。
4年の後期なのにうん十単位残してるやつや今月提出のゼミ論は全く書いていなく、有名な先生の見解の羅列で済ませようとするやつがいたり・・・
そういう私も未だに内定が無く、論文にもヒーヒー言う状況ですが(笑)
● 学生は社会の反映かも
Susumu | URL | 2010/12/05(日) 15:24 [EDIT]
おっしゃるような学生は日本のどこの大学にもいるものです。僕が学生の頃からいました。
でもよく考えてみると、そういう学生の存在を許し、卒業までさせている大学にも責任がありますよね。何故大学がそうなるかというと、きっと大学の先生にも似たような人がいるからではないでしょうか。さらにういと、もしかすると公務員や、場合によっては企業で働いている人の中にも。
おっしゃるような学生の存在は、日本の社会の反映なんだと思います。

でも段々と国際環境の厳しさが増してきている日本で、もうそのような学生(そして教師)の存在は許されなくなってきてるんだと思います。
頑張ってください。

もっとも、学生時代のある時期の僕にも似たような要素がなくもなかったです。いいかげんな学生だった僕に、優しく単位をくださった先生が実は立派な学者だったりして、あとで反省したこともありました。
その頃は、大学そのものがもっと、のんびりしていました。学期が始まってもなかなか授業が始まらなかったり、休講ばかりの先生がお出でだったり、90分の授業を30分くらい遅れて始め、終わるのも30分早くて実質30分の授業をする先生がお出でだったり。でもそういう先生が有名な学者だったり、優れた教育者だったりということあったと思います。
僕の分野の研究者の世界も、僕がそこに入った頃はもっと悠長なものでした。しかし、年々、急速に厳しくなっていきました。それには国際化が大きく影響していたと思います。
かって、アメリカの大学で見た、学生たちの厳しい勉学の態度が、今や日本でも必要になってきたんのだと感じています。

先生方も学生さんたちも頑張ってください。

とりとめもないこと書いてごめんなさい。



シラユキ | URL | 2010/12/05(日) 16:22 [EDIT]
>manuelさん
ダンナの大学でもリーマンショック以後、内定がでないまま卒業する学生がではじめているそうです。卒業までに内定がでることを願ってやみません。

>Susumu先生
おっしゃる通り、大学当局は「経営」ばかりで、「教育」を考えておりません。教師にも、系列校の学生と同じく研究も教育も公務もなんもせん猛者がおります。官僚も企業のトップも大学教授もある程度の業績をあげないと頸にする任期制を導入したら少しはよくなると思うのですが。大学のポストが動かないと、院生たちの就職先もなくなり、とくに文系にとっては悩ましいです。

カルマ・フォーチュン(♪♪) | URL | 2010/12/07(火) 10:06 [EDIT]
それを言われると、私も、頭が上がらない。
チベットに関するアクションも、リサーチ止まりだからなぁ。
で、問題の子供たちですが、2人とも、無事決まりました。
下の子は、部活の顧問の先生にスケート部を作って来いといわれているようです。
上の子は、就職先が無事決まり、後は論文と卒業に必要な単位です。
(短大でも、あるところはあるらしいですね。)
介護士を目指しているだけあって、論文のテーマは、大人用紙おむつがどうのといってました。
で調べようにも、肝心の著書物が学校の図書館にないので、パニくりまくってます。
親から、叱られなれちゃうと、先生の忠告も、馬耳東風なんでしょうか。(すみません。)
● はじめまして
まねききじ猫 | URL | 2010/12/07(火) 13:25 [EDIT]
はじめまして。

私も、私大の教員をやっていますが、
どこも、同じような状況なんだなあ、と、
ブログを拝読して、改めて感じました。

本当は、家庭教育や社会全体の価値観によるところも大きいとは思うのですが、
大学としても、これまでとは違う工夫が必要なのかもしれませんね。

シラユキ | URL | 2010/12/07(火) 21:38 [EDIT]
>カルマさん
ご子息お二人とも立派に成長されてるようで、何よりです。最近は大学図書館の連携がすすんでいるので、自分の大学になくてもよそからとりよせたりもできると思います。図書館のサービスカウンターで聞いてみては。て、ご子息たぶんやっていると思うけど。

>まねききじ猫
この気持ちを理解してくださる方がいらつしゃるとは嬉しいです。今日もこのブログにでてくるBという学生に面談すっぽかされました。それをツイッターでいったら、学生の気持ちを理解してやってくれ、みたいな心優しい人に絡まれて、すごい消耗しました(笑)。お互いがんばりましょう・・。

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