白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2011/01/24(月)   CATEGORY: 未分類
香港・台湾・日本リーグ
 テレビつけたら日曜洋画劇場でレッド・クリフパート2をやっていた。カタカナ題名であるが、ひらたくいえば三国志にでてくる赤壁(レッドクリフ)の戦いの実写版である。これは香港・中国合作映画であり、キャストは本土中国、台湾、香港、日本と国際的であった。

 ここから読み取れる寓意が実にオモシロかった。
 
 日本人の大半は台湾も香港も本土中国もごっちゃに考えている人が多いだろう。事実チベットに対する認識は三者いずれも、中国の一部と考えるなど、共通する〔ひどい〕部分もあるが、前二者は民主主義政権、後一者は独裁政権という違いがある。

 香港・台湾は独裁政権の中国に飲まれる恐怖と危機感と常に戦ってきた。それがここにも反映しているのである。

 赤壁の戦いがなぜ有名かというと、軍事的に圧倒的に優勢な曹操軍(魏)を、小国連合軍(呉・蜀)が打ち破ったことにある(いずれ併合されるけど 笑)。で、『レッド・クリフ』は呉が舞台であるため、呉の軍師周瑜が主人公であり、そこに孔明、曹操がからむ。つまり、三国志の本来の主人公である蜀は、孔明以外は刺身のつまの扱いをうけている。

 で、キャストの出身国をみてみると、これが大笑い。
 

・孫権(後の呉)陣営

 周瑜(トニー・レオン 香港) 主人公 
 孫権(張震 台湾)
 尚香(ヴィッキー・チャオ 本土出身ながら台湾で活躍)
 甘興(中村獅童 日本)
 小喬(林志玲 台湾その上民進党笑)

・劉備(後の蜀)陣営

 孔明(金城武 台湾と日本のハーフ):
 趙雲(胡軍 本土中国)
 劉備(尤勇 本土中国)
 関羽(巴森扎布 本土中国だけどモンゴル人)
 張飛(臧金生 本土中国)
文字色
・曹操陣営(のちの魏)

 曹操 (張豊毅 本土中国

 ついでに主題歌はアランちゃんがうたってまーす。この人は国籍は中国本土だけど、チベット人(笑)。メッセージがてんこもりの映画です。

 強いけど大義のない曹操は大陸中国俳優で、
 弱いけど義と郷土愛の周瑜と孫権と孔明は、香港、台湾、日本俳優がしめている。
まあなんてわっかりやすいんでしょう。

 つけくわえると、主人公の妻で、曹操に懸想される絶世の美女小喬を演じた林志玲は、お母さんが民進党の支援団体の夫人部長をやっていたことから、本土中国の愛国主義者より、彼女がキャンペーンガールをやった商品を不買運動おこされたという、可哀想な経歴をもつ人である。
 
 曹操が小喬にむかって「おれはすべてを手に入れる」というとき、「台湾も香港も手に入れる」という寓意があり、

 小喬が曹操に「あなたはこのお茶と同じ。野心があふれかえっている。誰かにこの茶碗をひっくり返されるかも」と言う時「あんたがあくなき領土拡張を続けると、日本・台湾・香港どこかがきれるかも」という寓意があるのだ。

 香港・中国合作映画の大作といえば、思い出すのが2002年のジェット・リー主演の『英雄HERO』。この時の朝日の記事を以下にはります。

「英雄」と統一(特派員メモ 台北) (2003年09月19日 朝日朝刊)

 中国の張芸謀(チャンイーモウ)監督の大作「HERO」。・・・映画は後に始皇帝になる秦王と刺客たちのドラマだ。秦王に迫った刺客は「統一」と「平和」のために王を殺さない。最後には「始皇帝は長城を築き、国と民をまもった」という字幕が流れる。
 当然のように、焚書坑儒などで、毛沢東とも重ねられて「暴君」のイメージが強い中国では「始皇帝を英雄に持ち上げるなど、歴史とかけ離れている」という批判が出た。
 これに加えて台湾では「秦王は天下や統一、平和を掲げて小国をのみ込む。中国の台湾統一工作の映画だ」と、かみつく声が新聞や雑誌に登場した。ハリウッドの向こうを張って、武侠と特殊撮影を駆使した中国版のイデオロギー映画というわけだ。
 宣伝のために台北を訪れた張監督は「映画は秦王が中国を統一する前の話だ。暴君になったという後の歴史から物語を見ることはできない」と、批判をかわしていた。
 さて、台湾は「英雄の天下」を受け入れるのか。暴君に向けて「刺客」を放つのか。(田村宏嗣)


 この時も、後の秦の始皇帝は大陸中国の役者がやり、主人公の刺客三人は全員香港俳優であり、わかりやすい構図であった。

 しかし、監督は香港系ではなく、本土中国の張芸謀監督。彼は後に批判をうけることになる北京オリンピックの開幕式/閉幕式の総監督制作指揮を担当した人であり、この映画でも、戦乱の世をおさめるためには始皇帝(中国共産党)の非情(独裁政治)が必要なのだ、というメッセージをおくりまくっていた(今は戦乱の世でないから批判あびてんですが 笑)。

 この2つの大作にいずれも主役級で登場したのがトニー・レオン。その北京オリンピックの年に長年のパートナー、カリーナ・ラウとチベット仏教の国ブータンで挙式した。結婚式の会場をブータンにしたのは、カルマパ17世のアドバイスにそってである。香港・台湾・日本はいまや台頭する独裁中国におされっぱである。

 ちなみに、同じ香港俳優でもジャッキー・チェンは何の疑問ももたず中国政府のプロパガンダに協力している。
 

 大義ではなく経済力・軍事力を是とする国を甘やかしてホンマにいいんか。『レッドクリフ』は、われわれにそのような問いを投げかけているのだ。


 
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COMMENT

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● ジェット・リー
tsukiyono | URL | 2011/01/24(月) 18:45 [EDIT]
『HERO 英雄』で主役を張った「中国武術の至宝」ジェット・リー(リー・リンチェイ 李連杰 )はチベット仏教徒なんですよ。昔から彼を応援していますが、チベット仏教を信仰していると知ったときは驚きました。

それとalan。映画『桜田門外ノ変』の主題歌になった『悲しみは雪に眠る』。私にはチベットを想起させるんです。
「いつまでも待ってる~」は法王さまを、「明日に捧げるのは~」は仏教観と輪廻転生を意識しているように思えてきます。伊勢さんが果たしてチベットにインスピレーションを受けたのかは分かりませんが、チベット人が歌う歌詞としては追憶の歌に感じられてなりません。
http://www.youtube.com/watch?v=3QEdBAnHC8U&feature=fvw
http://kashinavi.com/song_view.html?47476

HIKARI | URL | 2011/01/25(火) 23:56 [EDIT]
石濱先生、こんにちは!
レッドクリフ、私もカッコイイな~と思い、また、こんなに良い映画なのに大嫌いな中国人の監督なんだよね~、劉備側のキャストも皆好きなのに・・。
と思っていたら、えっっ!?そういう映画だったんですか?
凄い嬉しいです!
しかも、トニーレオン、ヴッキーチャオ(この人は昔反日活動されてたので微妙ですが、役は良かった)、小喬、金城武(この人が一番好き)好きな俳優さんが皆反中国共産党(多分)。
ジェット・リーも好きで、でも中国だしな~と揺れる気持ちを抱いていましたが、チベット仏教徒なんですね。
ジャッキーは元々好きでも嫌いでもありません。
どちらかといえばもう良いよ(笑)って感じです。
飽きる。
強いだけの人には関心ないし、陰を持ちつつ優しくてそれでいて強いというなら、魅力的と思う。
アランちゃん、可愛くて天然でだ~い好き。
もっと活躍して欲しいよ~。
あれほど歌も上手い声も良い、極上の美人、なのに何故?TVに出ないの?
やっぱり中国様が怖いから?
情けなや~日本のマスメディア。
私はずっとアランちゃんを応援しております。

Hisano | URL | 2011/01/26(水) 11:15 [EDIT]
先生、私はここまで考えて『レッド・クリフ』を観ていませんでした。

蛇足ながら、ジェット・リーは以前は、米国籍を取得されていましたが、現在は、シンガポール国籍です。

別件ですが、ピアニストのラン・ランがホワイト・ハウスの晩餐会で反米映画のテーマソングを演奏して物議を醸していますが、米国籍取得云々と一時騒がれたために、監視の目が厳しくなったのでなければ良いがと思っています。それとも元々ジャッキー・チェン同様プロパガンダだったのでしょうか?
● マルチコメ
シラユキ | URL | 2011/01/28(金) 11:17 [EDIT]
>tsukiyonoさん
アランちゃんの曲は本人作詩でないので、日本人の作詩家にチベット問題を前提に寓意をもたせるだけの見識があるかどうかはよくわかりませんが。作詞家の方をよくぞんじあげないので、ひょっとするとわかかっててやっている可能性もありますが。
カンフー映画にでていてもジェットリーにはたしかにジャッキーチェンにはない深みが感じられますが、そういうことだったんですか。


>Hikariさん
 日本人は外タレに対してアレルギーがあるので、彼女のことをよく知らない人は中国の歌手だと思っているのではないでしょうか。あと美人すぎるとカワイイ系志向の強い日本人には引かれる・・・。確かにもっと売れてもいいはずなんですが。

>Hisanoさん
ランランの我的祖国の件はぶっとびましたね。日本人がホワイトハウスで「鬼畜米英」とかいうようなものです。ホンマに外交音痴が多いですね中国人。

>Mさん
秘密コメで届いていると表示がでていたのですが、なぜか私のパソコンでみると丸見えにみえて(私のパソコンからだから見えるのかもしれませんが)、安全のため削除してメールの方をとっとくことにしました。て、前置きながいですが、チベットを応援してくれてありがとうございます。あの会で何年か前の新年会で私もスピーチしてますよ~。あの時は目が海老蔵状態でブッサイクでした(笑)。

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| | 2011/01/30(日) 18:34 [EDIT]
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