白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2011/03/04(金)   CATEGORY: 未分類
故宮のチベット秘宝
ご存じ台北の故宮所蔵の宝物は、北京の紫禁城にあった清朝皇帝の遺産を、日本軍や共産党の破壊からまもるために蒋介石が大陸から台湾に持ち出したものである。故宮の秘宝というと、玉でできた白菜や豚の角煮で有名であるが、ここは一つチベットの秘宝に注目してみよう。

 清朝皇帝、とくに最盛期の乾隆帝は敬虔なチベット仏教徒であったため、故宮には宮廷内でもちいられていたチベット仏教関連の法具とかも所蔵されている。1994年にはチベット仏教をテーマにした『皇権と仏法』という展覧会も開催されており、同名のカタログはたぶんいまでもネットで買える。
 また、今回副院長さんの話しによると、三年後にまた大規模なチベット関連の展覧会を行うそうだ。

 私が今回故宮で閲覧を楽しみにしていたのは康煕8年につくられたチベット大蔵経(通称龍蔵)と、ダライラマ五世の時代の豪華宝石マンダラである。

 我々は24日の午前に故宮に到着した。タクシーだとエントランスに直接乗り付けることになるが、記念撮影ポイントは牌楼からみる故宮の全体像であるため、わざわざ牌楼まで歩いて戻る。

 すると、入り口には法輪功のみなさまが中国共産党の非道を訴えるピケをはっていらした。しかもその前を本土から来た中国人観光客がぞろぞろ歩いている。私はガイド旗代わりにチベット小旗をもっていたので、ちょと緊張したが、本土から来た観光客はなんだかよく分からない表情を浮かべて記念撮影する我々と法輪功のみなさまの前を通っていった。
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 しょっぱなからムダな気を遣ってしまったが、ダライラマ五世の時代のマンダラは美しかった。我々ビンボー人は観想のマンダラとかをラマに送るが、清朝皇帝ともなると、マンダラを金銀宝石でつくってラマに奉献するのだ。写真をみると分かるけど、このマンダラ、ちゃんとスメール山とそれを同心円状に囲む七金山、その東西南北に四大部州を配置してつくってある。順治帝が1653年にダライラマ五世を北京にお招きした折に、このマンダラは黄寺に祀られ、乾隆帝の時代に皇帝のプライベートルームである乾清宮に持ち込まれたという。

 このマンダラはダライラマ五世と乾隆帝が見つめていたものなのである。

 そしてちょうど期間展示中の龍蔵は素晴らしかった。
 この写真では大きさは分からないだろうが、一帙一秩が各50kgある。前にモンゴル大蔵経を見た時は、新生児の遺体くらいの大きさだな、と思ったが、これは子馬の遺体くらいある(この喩えどうにかならないかとダンナにいわれたが、チベット圏では遺体を布でぐるぐるまきにしてこれと形状がそっくりなんでついこのような喩えに)。 
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 経典は一葉一葉が紺紙金泥で、一秩ごとに美しい彫刻を施された厚い板で上下を挟まれ、金襴緞子のおくるみに包まれて、虹色の紐をかけられている。こんな立派なチベット大蔵経ナマでみたのはじめて。美しい。

 この経典を発願されたのは二代目ホンタイジの妃である孝荘皇太后。彼女はチンギスハンの弟の末裔ホルチン部の出身で、満洲人たちはこのホルチン部の女性を皇室に娶ることによって、モンゴルと同盟し、中国を征服したのである。

 で、このホルチン部出身の皇太后、まだ十代前半の孫、康煕帝の尻をひっぱたき、私財を投じて、また国庫を傾けてこの美しい大蔵経をつくった。筆者にあたる坊さんが疲れて字を乱さないように、当番制にして、おなかいっぱい食べて休んでもらい、心をこめて写経させた。

 こうしてこの立派な経典は康煕帝の親政開始の年1669年に完成したのである。思えばこの孝荘皇太后のお墓、去年乾隆帝のお墓にいったついでにお参りしていた。皇太后の墓は清朝皇室の墓域の外にあり、観光地でないため荒れ果てていて、壁には大穴があき、境内では畑が作られていた。おいたわしい・・・。親政の開始にあたってこんな立派な大蔵経を建立したから、その功徳で康煕帝の御代は未曾有の長さと繁栄を誇った、と当時の人は思っただろうなあ。

 この龍蔵は今回出版されたが、その基金はディグン・カギュ派のkatarinen Stifungファンデーションが負担したんだそうな。先に述べたクンガ老人がカギュ派の元で修行して台湾でブレイクしたためであろう。こんなところでもカギュが活躍している。

 また、清朝時代、大蔵経はモンゴル語と満洲語に翻訳されたが、満洲大蔵経も展示されていた。こちらは常識的な大きさ(それでも新生児くらい・・・くどい)。

 今回は展示されていなかったが、この他にも故宮には、貴金属製のマンダラは五つから六っつ、おそらくはチベットのラマから灌頂をうけた際に皇帝がかぶった宝石きんきらの五佛冠(ラマがかぶるにしちゃ豪華すぎ)、ダライラマが清朝皇帝の長寿儀礼を行った時に授けた數珠、などの歴史的名品がたくさんある。

 国宝みすぎて消化不良になったアナタは、一回のティールームで台湾の特産高級ウーロン茶をのみましょう。雰囲気いいですよ。また、敷地内にあるレストランは地下はリーゾナブル、地上はちょっと高級でなかなかステキ。史料を閲覧したい人も、身分証一つで閲覧証作ってくれて、北京の故宮よりもずっと風通しがいい。
 比べるのもなんだが、本当に北京の故宮はメンドクサイ・・・

 というわけで、みなさん台北故宮にいってチベットの秘宝を見よう。龍蔵は七月まで展示されているよ!
 
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