白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2011/04/30(土)   CATEGORY: 未分類
ダライラマ法王震災法要
四月二十九日、護国寺においてダライラマ法王が導師をつとめた東日本大震災物故者四十九日法要が営まれた。

 今回の訪日は本当に突然決まったものであるにもかかわらず、たくさんの人が集まり(NHKが2000人、護国寺発表4000人 笑)、護国寺の本堂では収容しきれず、露天の境内にびっちりおかれた椅子でも収容しきれない人が集まったのであった。

 一時間ほど前に護国寺様につくと、ボランティアスタッフの方が「もうすぐ猊下がおつきになります。今いけば大本坊で法王様をお迎えできますよ」と教えてくださったので、大本坊に向かうとお坊さんたちが整列してまん中に猊下の通るみちが出来ていた。もう少し遅いと道が封鎖されて入れないところだった。

 行列のはじにもぐりこみ、法王様のお迎えに成功! 祝福を授かる。わー、心が清くなるう。
 
 境内いたるところに、見知った顔がおり、「シンガポールどうでした」とか声かけて戴いて、暖かい気持ちになる。ボランティアがみなオールスター・チベサポだー。

 チベットとダライラマをご縁にして集ったわれわれは、きっと、今生ばかりでなく来世でもご縁があることだろう。来世もよろしくね。

 司会は清風学園の校長の平岡さん。法要はチベット勢によるチベット文般若心経、普賢行願賛(華厳経の最終部分)と、あとは震災15日目の法要で読んだ四大を鎮める経典群など。

 般若心経はこの世界の究極のリアル「一切のものは空であり、永遠不変の実体なるものはない」を説く代表的経典であり、普賢行願賛は「だからエゴにとらわれるのでなく他者のために菩薩行やってみい」と説く経典である。

 大乗仏教メインストリームである。

 その後、日本の僧侶たちによって漢文の般若心経の読誦が三回なされ、光明真言、南無大師遍照金剛などが唱えられた。この漢文の般若心経のあたりで一天にわかにかき曇りかなり強い雨がふりだす。境内の参列者は露天なので、ヒサーン。


 法要の後、護国寺の御前様、鶴見の総持寺の管長さま、宗派を越えてチベットの平和を祈念する会の会長さんがご挨拶。そして、いよいよ法王講話。


 まずはチベット語で、
 今回の震災には同じ人間としてとても心を痛めている。また、日本には友人がたくさんいて、また仏教徒なので、心の底から悲しい。私にできることは祈り、被災者を追悼すること。仏教的には法要することでわたしたちの心をなぐさめることができる。三月にダラムサラでタイの仏教徒が施主となってくれて、すべての人に日本のために般若心経をよんでいただきたいと頼み、みなで十万回般若心経を唱えた。

 大変な時に、友人がきて大丈夫と言われたら安心する。自分はそう思うので、知人のために、心を慰めるために日本にきた。こうして日本の兄弟のもとにきて49日の法要することができてとても嬉しい。

 今回の自然災害は対処のしようのないものだ。シャーンティデーヴァはこういうておる。

「対処のしようがある問題なら、全力で問題解決にあたれ。何も手立てがないなら思い悩んでも仕方ない。前を向いて明日を考えよう」と、


でました必殺シャーンティデーヴァ攻撃。

 わたしは学校などを訪れて若者たちに英語を勉強をしなさいと説いてきた。気持ちを率直に伝えたいのでこれから英語で話す。へたくそな英語だけどね(笑)。
 これ以後法王は英語でしゃべりだし、同時に身振り手振りもアメリカンに豹変。就任演説の時のオバマ大統領をイメージしていただくと当たらずとも遠からじ。

 われわれは同じ人間である。チベット人は国を失ったが、その困難な時代によってかえって心を強くし、内なる力を高めることができた。悲劇にうちまかされるのでなく、ただしく現実を認識することによって、悲劇に対処し、内なる力を高めよ。

 日本は第二次世界大戦で破壊された。多くの日本人が死んだ。広島長崎に二個も核爆弾を落とされた。しかし、日本は諦めず、たちあがってきた。

 自信をうしなってはいけない。私はそういう日本人を称賛する。

 決して諦めるな。自信を失うな。

 過去の体験をいかして、悲劇にとらわれず、自信をとりもどせ。将来をみつめてすすんでいこう。災害はこれからもおこるだろう。それに備えよ。

 未来に保障はない。諸行無常である。新しい現実に直面してそれに備えよ。

 世界は貧しい人が一杯居る。地球温暖化など問題は山積している。
 あなたたちは世界に必要とされている。英語を学びなさい。
 日本は狭い土地を有効に利用している。環境を破壊せず、世界の土地をいかす知識がある。その知識をもって世界に貢献しなさい。


 この法王の演説は、先ほどの法要と対応している。まず般若心経でこの世の現れはグジクジとらわれるようなものでないとただしく認識し、エゴがもたらす苦しみから解放され、幸せになるためには「他者のために生きる」菩薩行が解決策であると説いているのである。

 うちひしがれた人間は一緒に泣いてくれる人が必要だろうし、自分のことしか考えられない時間が多くて当たり前だが、その状態を続けていても体に悪い。そしてそこから抜け出そうと思えば、逆説的であるようだが、自分のことをいったん忘れて他人のために生きるのが最上の処方箋なのだ。人は自分が他人に必要とされている、あるいは、自分が他人に貢献している、という感覚をもってはじめて生きる力がわいてくる。

 15歳で政治のトップにたち、24歳で十万人の難民にすがりつれても、何とかチベット人を護り続け、それどころか世界中の人々に世界平和を説いている法王が口にすると言葉に重みがあるう。法王のアドバイスの通りに立ち直れる人から立ち直って、気を取り直して前を向いて歩きだした方が自分も他人も幸せである。 

 法王様のお話の終わる頃には雨がなぜか上がり(さすが)、法王様の移動とともに押し寄せる人なみが雨ですべって大惨事にならないように、ボランティアの方々が体をはってくださった。よくこの短時間にこのだけの数のボランティアが集まったものである。何事もなく終わったのはみなさんのおかげです。


 そして、その後平岡さんとYさんと東京駅までいってカフェで、今朝の謁見のお話を伺う。

 平岡センセによると、法王は28日にお一人で護国寺を訪れ、一人ヤマーンタカの十忿怒尊の瞑想をされたという。

 法王がおっしゃるには、 この国は今自然災害のただ中にあるが、それを絶つにはヤマーンタカの瞑想が有効である。
 しかし、私の瞑想はこれから何も起きないという保障にはならない。
 1950年代、チベットの高僧たちが国を挙げて祈ったが、中国軍は侵略してきたからね。
 はっはっはっ。でも、やるだけのことはやった。

 日本には知り合いも多いし、今回の悲劇を聞いて本当に心が痛んだ。大変なことが起きた時に、友人が訪ねてくると自分は嬉しい。だから、私もうまくアメリカ行きの最中に時間がとれたので、慰霊と激励のために日本にきたのだ。

 日本人は廃墟に中からたちあがって経済大国になって素晴らしい。
 仏教徒としての習気も残っている(仏教徒だといいきってくれないところが悲しい 笑。)。
 だから、こういう逆境にあっては〔チベット人と同じく〕内なる力を覚醒する力がある。

 私は占星術は信じない(星の運行が人の運命を決めることはない)。すべては人の心のありようからくる。

 法王は自分が長生きするという夢を見たそうで(具体的な年もおっしゃっていたが、ヒミツ)、三百年前の予言書を見たら、自分のことを指しているような人がでてきて、それが丁度自分で夢でみた年まで生きると書いてあった。自分は中国共産党の体制よりは長生きするよ。はっはっはっ。

 とのこと。

 外国人が逃げ出したこの日本におこしくださり、さらには日本のためにお祈りしてくださり、
 本当にありがとうございました。

 法王猊下も日本の宗派の管長さんのように末長く生きられることを心の底よりお祈りいたします。
以下、私のとった法要写真。一枚目は講話の際、二枚目は横綱、三枚目は法要の席におかれた位牌。
1104291.jpg
1104292.jpg
1104293.jpg

   
[ TB*0 | CO*8 ] page top

COMMENT

 管理者にだけ表示を許可する
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2011/04/30(土) 11:02 [EDIT]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

miyacoma | URL | 2011/04/30(土) 14:54 [EDIT]
3月26日の追悼供養に引き続き、レポートありがとうございました!
前回は行くことができず、どれだけ沢山の人が参集するか分からないけど、どっかしら隅っこででも絶対参列するぞーと意気込んで(案の定、満杯だったみたいですね…)、家人に自分の留守を頼んだりしていましたのに、直前になって家族の具合が悪くなり断念。またも自宅で同じ気持ちでお祈りしました。
そんなわけで、法王様の講和掲載頂き、とてもありがたく読ませて頂きました。
震災のことでお話されていますが、個人的にもシャーンティデーヴァの
>「対処のしようがある問題なら、全力で問題解決にあたれ。何も手立てがないなら思い悩んでも仕方ない。前を向いて明日を考えよう」
でちょっと涙目。坂本九でガンバロウ。
毎日法王様のご長寿を祈願していますが、"長生き宣言"キターですね。

マニマニ | URL | 2011/04/30(土) 15:17 [EDIT]
私も行けませんでしたので(体力的に)、いつもながら直ぐにあげてくださる先生のレポートは本当にありがたいです。
法王様が来て下さったというだけで、大変に心慰められました。
東北の震災に合われ、今も塗炭の苦しみの中にある大勢の方々にも、法王様の御心が届きます様にお祈りいたします。

まこと | URL | 2011/04/30(土) 16:38 [EDIT]
先生、レポートありがとうございます。
Ustreamで見ていました。特に英語部分のスピーチは力強かったですね。涙がちょちょ切れました。法王さまに日本を応援してもらって、本当に嬉しい限りです。空気読んでおられますよねー。
スピーチでも触れられましたが、今回の地震・津波で、幸か不幸か(てか、かなり不幸だな...)チベット難民の立場がより理解できる日本人が増えたのかもしれませんね。
とにかく、自信持っていきましょう!がんがれ日本!

| URL | 2011/04/30(土) 17:35 [EDIT]
ゆっくり読経したり猊下のお話を伺えなかったので、とても有難く拝読しました。
急いで本坊に向かう途中にわざわざ戻ってお声かけていただいて、猊下の講和の前に、先生のお言葉でかなり励まされました。
ありがとうございました。

六道輪廻図を見るたびに、天道が現代の日本のような気がしてたので、これからの日本人は人の痛みに敏感な民族に変わっていくのではないかと思っています。

Hisano | URL | 2011/05/01(日) 00:31 [EDIT]
法要に参加させて頂けて良かったです。
最近、知らず知らずに余震の陰におびえていた気持ちが洗い流されていました。
震災に遭われた方達にも、この模様がビデオ・レターのような形で届けれらないものでしょうか?
法王さま長生き宣言されたのですか。法王さまは太陽の様な存在ですので、これからもずっと法を説き続けて下さいますように!

シラユキ | URL | 2011/05/05(木) 01:04 [EDIT]
>おこぞうさん
サンゲギャムツォはダライラマ五世の仏塔をつくった際に自分で著したmchod sdong 'dzam gling rgyan gcigの中の「施主」の章に彼の自伝があります。

>miyacoma
余震もおさまってきたので、ご家族も落ち着かれているといいのですが。長生き宣言は世界中あちこちでされているそうです。ほんとそのとおりになるといいですね。

>マニマニさん
ご自分がつらい方ほど、つらい方を思いやる気持ちが深いんだと改めてマニマニさんをみていて思います。ちょっと世の中も落ち着いてきましたので、マニマニさんの食欲もぐっと増しますように。

>まことさん
U-streamは猊下をまるまる堪能できていいですね。私は法王様が柱の陰になる席で、のけぞるか前に倒れるかしないとご尊顔がみえないという状態でした(笑)。

>Kさん
お母さんが落ちていると、ランゼン、ニマ、チビ三兄妹弟がみな悲しいニャー。

>Hisanoさん
心なしか法王様がいらしてから余震が少ないですよね。余震、このまま静まってくれますように。
● 僧の鑑
ねこ | URL | 2011/05/05(木) 16:19 [EDIT]
母国が政治的津波に呑み込まれたままの方でも、これほど立派に人の励みになられる。

今更ながら、仏教はありがたいです。

何より、伝える力があればこそですね。

        合掌

TRACK BACK
TB*URL
Copyright © 白雪姫と七人の小坊主達. all rights reserved. ページの先頭へ