白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2006/05/04(木)   CATEGORY: 未分類
チベットの仏教母タントラの灌頂を授かる
 朝、四時半起床。うう、つらい。
 もともと寝が浅く明け方に二~三回目が覚めるが、今日は二度寝はできない。

 支度をして羽田にむかう。今日は、六時半発の大阪伊丹行きJALに乗り、清風学園で行われるターラー菩薩の灌頂を授かった後、四天王寺で授業で使う資料映像を撮って、夕方六時半発の羽田行きに乗って日帰りする強行軍である。

 行き当たりばったりが身上のわたくしにはこのような細かなスケジュールはもっとも苦手とするところ。心配したダンナは行動予定表を作ってくれた。みると何時何分の電車に乗るか、それに乗り遅れたらどうするかまで指示されており、最後には関係各位の電話番号まで載っている。

 わたしは小学生か。

 ケータイも持たされた。じつは私はケータイを持っていない。なので、いきなりわたされても使い方がわからん。

 昨日のんだ睡眠薬のせいで機内ではバクスイする。昨日東京は大荒れの天気だが今日の大阪は晴れている。さすがチベットの高僧である。

 空港バスでもバクスイし、清風に向かう。今回の灌頂には破顔君が志願して参加することになっている。彼は昨日は書写山で如意輪観音のご開帳をみたのち、学園の近郊に宿を取っていたらしい。

 彼にとって灌頂ははじめてのこと。彼はいずれお寺をつぐ身で、日本仏教には非常に造詣が深い。そのため、彼がチベット仏教をどうとらえるかは、興味深い点である。

 灌頂は盛況で前列をしめた大阪経済人をはじめとして善男善女がみなみな、ツォンカパの『修道に関する三つの要点』(ラムツォナムスム)などに耳を傾け、ターラー尊の加持を授かる。

 四時に終わった後、破顔くんと四天王寺に向かう。彼は早朝の読経に参加するために朝五時に来ていたのだが、開門が八時ということで出直しである。境内には「しゅーじょーむーへんせいがんどー」と、四弘誓願の歌が流れている。いいのう、と思ったら、それは閉門の合図であった。まだ、四時半である。やる気ないな、四天王寺。

 仕方ないので、極楽門など境内外の諸堂をまわって写真をとる。破顔くんは灌頂もチベット仏教への接触もはじめてだったようだが、私に気を遣っているからかも知れないが、まあ興味をもってくれたみたい。よかった。

 日本仏教は仏画でも、仏像でもお庭でも、お坊さんの立ち居振る舞いでも、非常に洗練されていて、清潔でスタイリッシュ。

 ところが、チベット仏教は、仏像・仏画は極彩色のキンキラキン、パワフルでカラフル。チベットのお坊さんの法衣はトップのダライラマのあの質素なスタイルをみればおわかりだと思うが、緞子の袈裟なんてありえない。所作は密教に関する手の動作とかは日本と同じだが、普段の立ち居振る舞いに禅宗のような厳格な決まりはない。日本人からするとざっくばらんにみえる場合もある。

 だから、仏教をオシャレ~と雰囲気で愛する人はたぶんあまりチベット仏教は受けないだろう。

 しかし、中身を見てもらいたい。昨日は休日なので、日本では全国各地の寺で結縁灌頂が行われていただろう。しかし、そのどの導師であろうとも、本日のギュメ寺管長ほど戒律をしっかりまもり、かつ、哲学をきわめ、さらにはこの灌頂にあたっての前行をしている人はいないだろう。

 また、集まってきた人にきちんと縁起や空についての解説を行えた人はいないだろう。

 ロプサン・ガワン師は最後にこういった。
「あなた方のうち一人でも仏教にこころを向ける人がでてきたらいいと思います。これは命令ではありません。心のありようを変えたら幸せになれますよ、こういう考え方もあるんですよ、ということなのです。今日家に帰ったから、家族の人に今日の話をするれば、それだけでも仏教を他人に伝えたことになります。お釈迦様が仏教を説いた時はたった一人でした。しかし、今は世界中の人が仏教を信じています。みなさんも仏教に心をむけてください。」

 ええのう。

 比べるのも失礼だが、例のトンカツ住職はわれわれからン十万円の布施を要求したあの日、

「×○宗には、△×寺と■○寺という二つの本山があります。両本山はとても仲良しです」というたしか五分もしない法話であった。つまり、

チベット仏教はスタイルの面で日本仏教よりもおとろうとも、仏教哲学を研究し、瞑想をし、それを他者に伝承していくという点においては、チベット仏教の方が日本仏教よりもはるかに洗練されており、奥深いということなのである。
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COMMENT

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モモ@柏原 | URL | 2006/05/04(木) 12:17 [EDIT]
大阪までいらっしゃるのなら
娑婆も案内しましたのに・・・でも不眠は大変ですよね。
私も昨晩は酔っ払って寝ましたが、2時間で目が覚めました。
● 興味を持ったどころじゃなく
破顔 | URL | 2006/05/04(木) 22:18 [EDIT]
大喜びでしたよ。
せっかく灌頂受けて、晴れて念誦ができるのだからとさっそく第一日目をやってみたのですが、チベット語の基本ができてないので頂いた次第がうまく唱えられず、瞑想も途切れがち。とりあえず十字真言だけなんとかお数珠一周。もうすこし実践しやすい方法を探ろうと思います。
日本仏教の洗練されたところ、私はあれはあれで大好きなのですが、小坊主ではなく一信仰者として言うことが許されるなら、どうも輪郭だけ敷き写ししてるような歯がゆさがあるのです。事実、修行道場にいるうちは先輩が見てるので作法どおりに振舞っても、見ていないといい加減な人は多いし、作法の意味についても知らないでやってる人や、ひどいのは教える側も知らなかったりするし。まともな僧侶もいるにはいるのですが、繋がりのない点で存在しているのでどうしても弱いのです。私はチベット仏教についてはほとんど知らないのですが、仏教の核心に切り込めるのなら、私はチベット所伝でも日本所伝でもかまわないのです。ただ、そうして得られた仏教の教えを流すにあたっては、干からびたり詰まったりしてはいるけれど、一応まだ形はとどめている水路をもう一度修理して使いたいな、とそう思っているのです。
まあ、詰まった水路というのは、ムカデが棲んでいたりするかもしれませんが、ちゃんと水が流れるようにさえなれば、そういうのは自然にいなくなるのではないかと。学生ならではの甘い理想ですけど。
仏教について、チベット仏教について、まだまだ知りたいことばかりです。これからも私を見捨てずに教えてください。
● みなさん、ありがとう
イシハマ | URL | 2006/05/08(月) 18:27 [EDIT]
>モモさん
お気遣いありがとうございます。止まれれば時間もあるのですが。大阪在住のイトコすら、わたしの日帰り日程にいつもあきれかえってます。

>破顔くん
頼もしい限りです。日本仏教の水路はたしかにかなりしっかりととしたどだいがあるので、たしかに、まだ使えると思います。これからの仏教は文字通りきみたち若い僧侶たちの双肩にかかっています。
● チベット
湖南 | URL | 2006/05/09(火) 22:14 [EDIT]
チベットつながりでTBさせていただきました。
よろしくです。
● お見かけいたしました
ヤンギ | URL | 2006/05/17(水) 14:16 [EDIT]
当日私も参加いたしておりました。
お見かけしたので、あ~イシハマ先生~と声をかけそうになりましたが、いきなり知らない人から声をかけられてもビックリされるだろうなぁと思いとどまりました。
ご灌頂よかったです。お約束毎日守ってます。
● お声をかけてくださったらよかったのに
イシハマ | URL | 2006/05/22(月) 23:35 [EDIT]
せっかくお会いできたのでしたら、
お話したかったです。
ところで、ヤンギさんてどなたかしら。
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2006/05/29(月) 13:54 [EDIT]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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