白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
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DATE: 2011/11/05(土)   CATEGORY: 未分類
ダライラマ in 高野山
今回のダライラマ来日の主要目的は、高野山大学創立125周年を記念して金剛界曼荼羅の灌頂(入門儀礼)を主宰することであった。

 メイン灌頂は11月1日から2日の二日間にわたって高野山において行われ、その前後にダライラマが若い僧侶と語り合う場や、高野山大学の管長との対談などが設定されていた。そして法王は4日に高野山を離れ被災地に向かった。

 四日の晩、この灌頂儀礼の通訳をつとめたお馴染み清風学園校長平岡先生から、ダライラマin 高野山のお話を聞かせていただいた。
 
 高野山大学は弘法大師空海の開いた金剛峯寺の境内、つまり紀伊半島の山の上にある。ダライラマ猊下の宿泊所として高野山は、皇族と座主以外泊まることのない、山内でもっとも格式の高い金剛峯寺を準備した(エライ!)。
 
 格式が高い=古い。また、十一月の初めですでにお山の上は寒いので、ダライラマをお迎えするにあたり高野山は、この格式ある部屋に暖房を入れ、シャワーをつけたそうな(エライ!!)。 

 真言宗は『金剛頂経』(金剛界)と『大日経』(胎蔵界) の二つの経典を拠り所とする。今回ダライラマ法王の行った金剛界の灌頂は、前者の『金剛頂経』に説かれた修業を許可する儀礼である。

 法王はこの金剛界灌頂をサキャ派の支派ツァル派(tshar)座主、チューゲイ・リンポチェ(1920-2007)から授かっており、今回も灌頂の儀軌もツァル派の伝統に属するものを用いている(ダライラマ五世の時代からツァル派の密教がゲルク派に入っている)。

 
 高野山で法王が灌頂を行うに際しては「高野山には御大師(弘法大師)さまの金剛界灌頂があるのだから、ダライラマ法王に灌頂をしていだく必要はない。著名な科学者と対談してもらおう」などの意見を言う方もいたそうだが、

 平岡センセ曰く「結果としてこれ(灌頂)をやってとても良かった」。

 高野山大学の先生方はダライラマの灌頂に非常に感銘を受けられていたという。以下諸先生方の反応。

 A先生は瓶の灌頂(第一灌頂)で金剛界37尊の仏の名を一つ一つ唱える際、一体一体につき、そのお姿を確認して合掌して受けられていたという。

 B先生「密教の事相をやる人はチベットの灌頂を受けた方がいい。一つ一つの解釈が深い。チベット密教の実力をみせつれられました」
C先生「もっと勉強せねばならないことがわかった」
 D先生「〔単なるイベントではなく〕灌頂をやってよかった。」
 灌頂のしめに挨拶されたD先生にいたっては、感動の余り声を詰まらせていたという。

 私もなんどか101代ギュメ寺座主ガワン先生が主宰する灌頂に参加させて頂いて強く感じたことは、灌頂の場には、釈尊とその眷属が霊鷲山に集っていた時代を彷彿とさせる、時空をこえた雰囲気がある。とくに何日もかけと行われる大灌頂の場合は、師匠と弟子の間は親子のように緊密となり、一緒に灌頂を受けたものどうしも「金剛兄弟」と呼びあう、不思議な雰囲気をかもし出す。
 
 高野山大学の先生方もこの灌頂という儀礼の場において、ダライラマ法王と深い意味で近づくことができて、いろいろ感じ取られるところがあったのだと思う。

 では以下に「法王in 高野山」エピソードのご紹介です。

◎エピソード1 高野山の奥の院には、今も弘法大師さまのご遺体が祀られている。御大師さまは今も瞑想にはいって一切衆生の救済を行っていると言われ、そのため高野山は真言宗の特別な聖地である。
 法王による奥の院参拝は、滞在日程の最終日に予定されていたそうだが、法王はその話しを聞くや、灌頂の行われるその日の朝、管長松長先生の案内で奥の院を参拝されたという。そして、灌頂が始まって弟子に菩薩戒を授けるシーンにおいて、「お大師さまがここにいると思って誓いなさい」と言ったのだそうな。他宗教、他宗派の伝統を尊重する法王ならではである。

 また、弘法大師の入定伝説についても、法王は「智慧法身でここ(奥の院)にいらっしゃるというのもありうる」とマニアなコメントをされたという。

◎エピソード2 ある塔頭のご住職が、「法王は科学的な思考を強調するが、宗教的な真理と科学的な真理は一致しなくてもいいのではないか。」と質問したところ、法王は

 「造物主を肯定する宗教(イスラーム教・キリスト経)なら科学との共存は不可能だろうが、仏教は因果の教えを奉じる宗教なので、科学と共存できる。私が三十年前に、チベット仏教徒の科学者(マチウ・リカールか?)に対し『科学者と対話したい』と提案すると、彼は『科学者は宗教者を否定します。対話はなりたちません』と反対した。
しかし、いざ対話を初めて見るとこうだった。はじめてその会議に参加した女性科学者は最初は私のことを「お前は坊主だろ。アンタと話しても何も得ることがないわ」みたいな顔をしていたのが、対話が進むにつれ、身を乗り出して通訳を介してだが積極的に質問してきた。21世紀になり多くの科学者たちが『仏教から学びたい』と言い始めている。仏の教えですら金の真贋を確かめるように吟味して、しかる後に信ぜよという、仏教の姿勢は科学者の姿勢と通じる
」とお答えになった。

◎エピソード3 今回、ダライラマ法王の姿をみて、四月にくらべておやせになったのではないか、と心配されている方も多いと思う。
 ダライラマのお食事の世話をしていた方によると、ダライラマ法王はゴハンは3杯から4杯をおかわりして、そのあとうどんも食べていたので、大丈夫とのことです(笑)。ただし、通訳のマリアさんによるとヒザをちょっと痛められているそう。

◎エピソード4 宿泊所となった金剛峯寺を離れる際、ダライラマはこの宿泊施設のお守りをしている女性をわざわざ探しにいって見つけると〔お世話になりました〕ハグをしたという。また、食事の世話や身の回りの世話をしてくれた人たちすべてを最後に呼び集めて、一人一人の手を取ってねぎらわれたのだそう。とにかくその細かい気の配り方にみなは感動していたそうな。

 平岡センセいはく「法王と接した人は感銘を受けて、変わろうとしはじめます。そういう人たちが回りを引っ張っていけばいいんです。結果として変わらない人もいるかもしれませんが、法王と接した方がみな。変わろうと思いはじめることがスゴイと思いませんか。」

 というわけで、平岡先生、お疲れさまでした!
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COMMENT

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● 高野山の冷気が伝わってきました
dolma | URL | 2011/11/05(土) 18:39 [EDIT]
科学者の所で私もマチウ・リカールさんだと思いました(笑)
ので思わずコメントをしてしまいました。
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2011/11/05(土) 18:57 [EDIT]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

K | URL | 2011/11/06(日) 06:51 [EDIT]
いつもながら深い話題を教えていただいて、ありがとうございます。
金剛峰寺にお泊りになってるのは気付いていたのですが、シャワーや暖房の設備もちゃんと用意されていたと聞いて安心しました(笑)
お食事もたくさん取られていたそうで、本当によかった!

猊下の灌頂は初めて受けさせていただいたのですが、とても素晴らしい体験でした。更に努力、精進します。

はるばるお越しいただいたダライ・ラマ法王はじめ、深い話題を教えてくださった石濱先生、素晴らしい通訳などもしてくださった平岡先生、今回のような素晴らしい機会を与えてくださったみなさまに深謝し、随喜します。
● 金剛界灌頂2011
Koichi | URL | 2011/11/07(月) 21:46 [EDIT]
法王様は高野山は間違い無く密教の道場として相応しい場所だとおっしゃっていました。
灌頂の二日目は午前2時にご起床されて、いつもの秘密集会やヤマンタカ等諸々の生起法を4時間なさった後、新たに3時間、金剛界の瞑想をされてから灌頂に臨まれました。
そして灌頂後は宿舎の金剛峯寺に帰着後も部屋へ誰も入れずに約45分間、大日如来の智恵サッタを色究竟天に戻って頂く読経をされました。また内容的にも宮島の時とは解釈をさらに深いものに変えていたり、宮島で無かった無上ユガタントラとの比較についての新たな観点からの説明なども多く見られ、まさに金剛界灌頂2011バージョンでした。
様々な意見が有った中、法王様の金剛界の灌頂実現に尽力された高野山大学学長先生初め、先生方には心から敬意を表したいと思います。

Penba Yakdu | URL | 2011/11/08(火) 00:27 [EDIT]
貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。
法王の御大師様を尊重されたお姿、高野山の先生方が感銘を受けられた様子、因果の教えが科学と共存できるというお話、どれもどれも感動です。
今回の法王の来日は各地において、今までに増して法王、チベット仏教が人々を魅了していくのを感じました(中にはトンチンカンな質問する記者もいたようですが)。しかし同時にまだまだ報道が少なく、情報が届かない人々もあるように感じてなりません。

私この晩夏、石濱先生のおかげで縁が復活した恩師(平岡先生繋がりのM寺Kさんの父君)をチベット巡礼の旅に御連れしたのですが、体がご不自由にもかかわらず凄まじい情熱で巡礼をされる姿に胸を打たれました。。帰国後も手紙のやりとりをしていますが、この平岡先生のお話を手紙にて紹介させていただきたいと存じます。チベットの信仰の力と現実の悲惨さを目の当たりにしただけに心うたれるのではと思います。

平岡先生と石濱先生、感謝申し上げます。
M寺のKさん、御父君を鍛えてしまいゴメンナサイ。

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