白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2012/01/14(土)   CATEGORY: 未分類
年が改まっても改まらないもの
 私のゼミ生の内、卒論提出を予定していた学生は「一応」全員卒論を提出した。また、院生Mも奇跡的に修論を提出できた。とりあえず、学問の神様に感謝したい。

 院生Mについては、正月二日に高田馬場駅前のエクセルシオール・カフェであった時には、たった一章分しか仕上がっておらず、その五日後に提出できたことは21世紀の奇跡といっていい。

ろ 提出日最終日には彼のケータイには三十分おきに先輩から確認の電話がかかってきたそうで、私のところには一時頃「今から提出にいきまーす」という電話があったので、安心していたら、原稿のサイズをA4なのに、彼は「A3でうちだして半分におって製本すればA4になる」と勝手に思い、事務所で拒否され、もう一度セブンイレブンで印刷しなおして提出したのは、事務所閉室時間三分前。

 刑事ドラマか!

 卒論提出学生の一部も相変わらずどうしようもなくて、年末に卒論の指導日をつくったのに、有馬記念を優先してこなかったやつ、「パーティー・ピープルの政治行動」という題でアンケートをとるようにいった学生は暮れもおしつまって電話がきて「先生みなパーティに夢中でアンケートに答えてくれません。無理です。意味が分からないといわれました」。今までやってきたことは何だったのか。もちろん卒論内容もひどいもの。

 私はこの学生に六年間倫理を説いてきたが、まるで壁に向かってしゃべっているようだった。そして、今日も変わらず快楽原則に忠実な日々を送っている。彼曰く「先生の言うことをもっともだと聞こうとする自分と、勝手にやりたい自分が二人いるんですよね」と。

 K太はいつもこの学生をかばって「でも、先生コイツこれでもずいぶん人間になってきたんですよ」

 妖怪人間か!

 年が明けてからのゼミで「規定枚数に達したのを確認しなければ指導票はわたさない」といっているにも関わらず、データをもってこないヤツ四人。さらに初回のゼミはみな指導票ほしさに出席していたが、卒論提出後のゼミはがっくり人数へって半分以下。

 まあ礼儀がなってないというか、こんなんで社会でやっていけるのか、呆れるばかり。

 木曜日には人生に難破中の知り合いがグチを言いにやって来る。彼女に問題の構造を分からせるべく、ホワイトボードにこれまでの経緯を時系列で書き上げ、どこで選択を誤ったのか、なぜこうすることがいけないのか、について諄々と諭す。しかし、これまでも「あなたのしていることはヒモなしバンジージャンプよ」などのわかりやすい言葉でさとしてきたのに、まったく聞き入れられなかったので、今回も耳に届くどうか疑問。

 私は相手がそれを聞こうか聞くまいが、泣こうが怒ろうがとにかく、常に直球でものをいうことにしている。その人が失敗した時に「何でとめてくれなかったのか」と怨まれるのがいやだし「どうせ聞く気がないでしょ」と見て見ぬふりをすることは見殺しと同義語だと思うから。

 まあ難破している人はもう自分のことしか考えられなくなっているので、何をいっても「当事者じゃないから私の気持ちは分からない」になっている。でも、当事者じゃないからそこから抜ける方法も知っているというふうに視点を変えてくれるといいんだけど。

 今年の卒業旅行は至極普通で沖縄である。行く前に行き先が言えるなんて自由の国って素晴らしい(そんなのオノレだけじゃ 笑)。珍しく国内になったのは、K太が飛行機苦手であまり遠距離のれないこと、今年は沖縄が本土に復帰して40年だし、40年前はアメリカだし、もっと昔は独立国だったわけだから、考えようによっちゃ海外だということから。

 わたしは、首里城とか、ユタとか伝統文化に興味がある。そこで、るるぶっぽい表紙の沖縄のガイドブック『沖縄修学旅行』をアマゾンでとりよせた。

届いたものを見ると、何これ。地図も観光地情報もゼロ。どころか、目次を見ると。ひめゆりとか、反戦地主とか、一女子高生の訴えとか、被害者の会とか、集団自決とか、もう八割が「被害者としての沖縄の歴史」。

よくみると出版社は地図の昭文社ではなく、オキナワ反戦ものばかりだしている高文●であった。ガイドブックと見まごう装丁により、アマゾンで間違えて買う人は多いと思う。

 沖縄の人々は古くは島津藩と琉球国に搾取され、琉球処分で明治政府によって独立を奪われ、戦争中は本土と違って陸上戦場にされ、戦後はアメリカ、アメリカが去ったあともそのまま基地は残り、と、確かに大変な歴史だと思う。しかし、沖縄独自の歴史や文化を紹介した上で、この話がでるならまだしも、最初から最後まで「被害者沖縄」の現代史って、かなり偏っている。

 そういうわけで、もうすぐ四年生ともお別れ。少しでもお別れを悲しいものにしないために、彼らの卒論でも読んで腹を立てたいと思う。
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ぽん | URL | 2012/01/14(土) 22:33 [EDIT]
謹んで新年の無事を願います。

名も知らぬブログ主さまにお聞きするのはリアルではあり得ないですが、ここはインターネッツということで、お暇でしたら教えてください。

ファイナル翁がツイッターで”金剛乗”とポロリしたんですが、大人の私が”金剛乗”を誤解しないための道しるべをお願いしたいのです。
● 姐さんおつとめご苦労さんです
宰相 | URL | 2012/01/15(日) 13:46 [EDIT]
>彼らの卒論でも読んで腹を立てたい
最近、年初~中旬にかけ、いろいろな方から書類を提出してもらって(提出させて)、その内容をまとめて状況を報告する業務をしてるんですが、きちんと書式を整えさせて提出してもらう(させる)ことのなんと難しいこと。おまけに、「入力の仕方わからん」「何書けばいいの」(←俺が聞きてーよ!)だの、先生のご苦労が少しわかった気がします。

今年もよろしくお願いします。先生と、自分の後輩になる教え子の皆さんに幸福あらんことをお祈りします。

嶺のシラユキ | URL | 2012/01/15(日) 17:20 [EDIT]
>ぽんさん
ファイナル翁云々はツイッター検索してみてもわかりませんでしたので、どういう文脈で「金剛乗」を用いているのか分かりませんが、金剛乗は仏教哲学を意味する顕教と対になる、仏になるための実践修業です。チベットでは金剛乗は顕教を収めた後に行うとされ、昔その本尊の姿もすべて顕教の哲学の項目を象徴したもので、観想も実践も実にまじめなもんです。

>宰相くん
明けましておめでとうございます。わたしゃヤクザの姐御かい。最近の若いもんって書式を埋める、論理的・具体的にものごとを叙述するのとかなかなかできない人多いですよね。彼がキョひられたアンケートなんて三択なんだよ。何が難しいんだか。
● 耳の痛ひ・・・
でんでん | URL | 2012/01/16(月) 17:37 [EDIT]
演習室でのメクルめく光景が想起されるブログを拝見、昔の我が身を振り返り苦笑ものでした。拙者も五十歩百歩でしたから。

 ・・・でも学園祭が終わった頃から担当日の前週に指導教授とゼミ生にレジュメを作成・配布し、平行して卒論の原稿を主査と副査に提出、原型を止めないくらい加筆・修正をされて次の指示内容を次週の演習までに練り直すようなことをした思い出があります。
 内容は提出期限(所謂刑事ドラマ、特捜最前線状態?!)が激ヤバだったので、見限って提出。今も研究室のどこかにあると思うと汗顔モノです。
 勉強はしませんが、指導教授との報告・連絡・相談の大切さだけはそれこそ’演習’して得た気がしましたが。
 三年生位からシューカツしか頭にないみたいですが、採る方としては、学生生活での打算的な思考パターンとかがリクルートスーツ越しに、困った事にわかってしまいます。卒論の取り組みを面接で語れる学生が皆無なのは寂しいです。
 拙者はシューカツの予備校でなく、指導教授との敵と味方のような知的やり取り・ある意味バトルの場としての演習室でした。
 ・・・でもそんな呑気なことを今したら進路が決まらないのでしょうね。今の学生、本当に可哀想です。本物の学問に触れられないのだとしたら。「觸清浄句是菩薩位」と金剛薩埵が説いたハルし。

嶺のシラユキ | URL | 2012/01/16(月) 18:22 [EDIT]
>でんでんさん
今の学生のゆとりはすごいですよ。誰も年内に一行すら文章にできないんですよ。赤入れようもない。修論ですら三日前ですからね、何書こうとしているのか内容が分かるのが。これからの日本はこんなんで大丈夫なのか疑問か゛・・

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