白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2012/05/20(日)   CATEGORY: 未分類
外資Nくんの就活相談
 元ゼミ生Nくんが来月からニューヨーク勤務になるというので離日の挨拶にきた。折角なので、『就活を控えた三年生に、ともだち目線でのアドバイスでも』とお願いしてみた。

Nくんは某外資系企業にシステム管理者としておつとめしており、彼のいる部署は日本人は彼だけで、あとはインドのバンガロールに三人とか、そんな感じでバラバラ。しかし、ミーティングは本社のあるニューヨーク時間で行われるため、昼間の勤務がおわった後、ミーティングが始まるという殺人的な勤務状況であった。しかし、成果主義なのでやればやっただけ評価されるということで、彼にはとくに老け込んだ様子もなく、在学中と同じおだやかなマイペースな感じ。

Nくん「ニューヨークに行けば本社と時差がなくなるので深夜のミーティングもなくなるし、仕事さえやっていれば、五時半になったら退社しても誰も何も言いません。日本の職場みたいに『自分の仕事は終わったけど、あの人がまだ職場にいるから』とか廻りの視線を気にしながら家に帰れないなんてこともありません」。

猫とジャズとクラッシックを愛する彼にとって、後二者についてもニューヨーク勤務は良い環境だろう。

 私「志望書の書き方とかについて何かアドバイスは?」

Nくん「まず、誤字脱字のある人は書類のスクリーニングの段階で落とされます。だからちゃんと文章は見直すこと。それから、文章読んでいて、どんなにこの子、切れるだろうな、と思っても、志望理由と部署の仕事内容がマッチングしていないと、それでもはねられます。会社は最初から即戦力なんて求めていませんから(大企業だからだな)、「自分はこんなにできるというアピールをするよりも、自分の志望内容が部署の仕事の性格とあっているかを確認して」

Nくん「志望書読んで面接するのがン十人いて、どの学生を採用するかは多数決で決めます。最近は志望してくる学生の半分以上が留学生です。外資とはいえ職場は日本なのでできるだけ日本人学生に有利にとは言われますが、結局留学生がちょっと多めに残ります。なぜなら、日本人の学生がいかに『サークル活動でリーダーシップを発揮しました』とかアピールしても、やはり異文化に飛び込んできて、いろいろ苦労しながら語学力を身につけ、大学の単位を取る」といったハードルを越えてきた留学生の方が迫力がありますから。

 つまるところは『この人と働きたい』というのがありますから、話しかけても何をしゃべっているか声が小さすぎて聞き取れないとかいう人よりは、挨拶のできて受け答えもちゃんとできて明るい元気のいい人は有利です。」

  私「今の日本は内向き指向なので、留学する学生は少数派になっているんだよね。それに失敗するのが怖いから最初からやらない、というムードが蔓延していて、チャレンジ精神もない。だから、彼らが自分を強くしていく機会はどこにもない。で、中には「物欲がないから」とか言って謙虚ぽくふるまう人もいるんだけど、それは「仕事=金や地位を求めるもの」と決めつけている時点であかん。出世とかお金とか関係なしに、仕事そのものを楽しんで、同僚が好きで働いている人はたくさんいるしね。」

Nくん「ボクも稼ぎは自分のために使っていませんから」

  私「今の自分をまもって、楽な方に流れている内は、結局何にも自分をかけていないから、何やってもダメというこになる。よく、政治が悪い、官僚がだめ、社会が腐っている、不景気だ、アメリカ帝国主義、とすべてを否定する人がいるけど、そういう人は結局最後の最後には自分も否定することになる。会社でも仕事でも、人間関係でもできるだけ良い面を見るようにして、とりあえずそこで踏ん張ってみると、また違う風景が見えてくるよ。」

Nくん「ボクも入社したての頃、上司とあわなくて、自分を正当に評価しないと思っていた時期があって、評価も悪いから、このままじゃいずれ首になると思い詰めていた時がありました。でも、いろいろな人に相談したら、『必ず一日三十分その上司と話しをする時間をとれ』と言われて、そうするようになったら、結局は自分に問題があることが分かりました。自分が変わったら問題もなくなりました。」

  私「ここで重要なのは今、自分がつらいのは客観的にいって環境が悪く自分には問題がないのか(上司がモンスター、勤務状況がブラック、社風に順法精神がないetc.)、実は自分に問題があるのか(能力不足・コミュ不足・認知のゆがみ etc.)、それを見極める眼でる。前者の場合はもちろん自分をまもって会社やめるもよし、訴えるもよし、しかし、後者の場合は、つらくても自分の今を直視して自分を変えること。その方が結局はラクになる。だって自分が正しいと言い聞かせて会社やめても、自分に問題があるなら、どの会社にいっても結局同じことになるから」

 環境と感情は分けること。こんなにつらいんだから環境が悪いんじゃなく、客観的にいって悪いのは環境なのか感情なのかを冷静に判断すること。

Nくん「外資のせいかもしれませんが、結局問題のある人は自然淘汰されていきました。自分からやめる場合、やめさせられる場合、両方ですね。結果、会社の品格も護られているというか」

  私「外資はいいねえ。日本では『問題のある人を切る』という決断を誰もし(でき)ないから、会社も政界もどこもかしかもグダグダだよ。品格も何もあったもんじゃない。」

 さて、質問コーナー。

 学生A「人事担当者が志望者のFacebookとかをチェックするって本当ですか?」

Nくん「見る人はいます。だから、人にみられてまずいような書き込みはしない方がいいです。」

 学生B「全共闘世代がいつまでも社会の中心部に居座って、若い人にチャンスや決定権を譲らないから、若い人も育たないし、社会もよくならないんじゃないですか。多数決でいっても若い人の方が人数が少ないから意見が通らないし」

Nくん「日本企業のことはよく分からないけど、やはり人事の流動性はあった方がいいよね。」(この時彼は年功序列という言葉を途中で使ったのだが、その言葉がなかなか出てこなくて、外資ってスゲーと思った。年功序列ないからな外資には 笑)

  私「私の隣に住んでいるおじいさんは今年85だけど、自分で車を運転して毎日自分が所長をつとめる老人健康施設にかよって現役で医師を続けている。お金のためでも名誉のためでもない。彼にとっては働くことが息を吸うように普通なことだからだ。

 でも今の若い人って『合わない』とかいう私的な理由から、簡単に会社やめるよね。隣のおじいさんはどう思っているかは知らないけど、年寄りを一括して批判すれば今の状況がどうなるわけでもないと思う。

 もちろん社内の力関係を操って、無能なのに威張っているオジサンもいるだろうけど、仕事に対する使命感をもってなるべくしてその地位にいる人もいる。年寄りが若者をふがいないといい、若者が年寄りにいなくなればいい、とけなしあってても建設的ではない。若い人がすぐに会社をやめずに年寄りから学べるところを学び、年寄りも給料や地位にこだわらずに若い人を導かないことには、これからの少子高齢化はやっていけん。もめている場合じゃない。」

Nくん「会社が学生を採用するためには莫大なお金を投じているんですよ。説明会の会場設営費、そこに社員を送ればその社員がやっている仕事はその間、ストップする、そして入ってきてからは新人研修の会社にも莫大なお金を投じているし、そうして入ってきてやっと仕事してくれると思った時にやめられると、会社もきついですよ。」

 そうしてNくんと数人の学生とみなでタイレストランBossへ。

 聞けば、就活事情がリーマンショック以前の状態にまで回復しているという。かつては学生が一斉に大企業をめざしたため、中小企業には求人があってもそこにいこうとせず結果就職が決まらない学生が多くでた。しかし、去年からは、学生が中小企業に目を向けはじめたため、就職率がアップしたのだという。良いことだと思う。

 それこそ、物欲がないのであれば、まさに金や地位ではなく仕事内容で会社を選んで、同僚・上司・会社の良いところをできるだけ見て、その仕事を好きになって行けばよい。仮につらい状況になった時でも、自分と他人に誠実に向き合っていれば、原因が会社か自分かが分かるので、対処を誤ることもない。
 そう、大切なのは~、己を知ること。そして、敵を知れば百戦危うからず。
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| | 2012/05/21(月) 11:43 [EDIT]
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Zima | URL | 2012/05/22(火) 08:22 [EDIT]
活躍している元気な後輩がいるようで何よりです。
自分も文キャンで話してきました。
別で学生の就活支援団体を手伝っていますが、優秀な人材とそうでない人に両極に分かれますね。
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| | 2012/05/22(火) 09:15 [EDIT]
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嶺のシラユキ | URL | 2012/05/26(土) 08:35 [EDIT]
>Zimaくん
今ゼミ生に二人Zimaくんと同じ業界をめざしている子がいるので、もしかするとOB訪問お願いするかもしれません。その際もしお時間がありましたらよろしく!

嶺のシラユキ | URL | 2012/05/26(土) 08:40 [EDIT]
>S先生
外国人はともかく、女性はやはり保守的で、家族と一緒にいたいから東京から離れないようにあえて一般職に応募したりとまだまだ引いてます。男の子はご存じのとおりどんどん大人しくなり、もうどうなるのか心配です。

>Mさん
すべては因果ですよね。その報いがいつくるかは分からないけど、良いことをすることにこしたことはないですよね。なにごとも。くさっていても仕方ありませんから。

月夜野 | URL | 2012/05/26(土) 18:50 [EDIT]
転職内定もらって早々にこの記事を読んでフンフンと思いました。
キャリアと新卒では見られるところは違いますけど、根底は同じだなーと。

これからガンバリます!

嶺のシラユキ | URL | 2012/05/26(土) 21:32 [EDIT]
>月夜野さん
内定ゲットおめでとうございます。きっと志望書と仕事内容がよくあっていたのでしょう(笑)。仕事が楽しんでできるといいですね!
● 了解です。
Zima | URL | 2012/06/10(日) 21:35 [EDIT]
平日パツンパツンになっていますが、上記アドレスに連絡もらえたら対応します。
今度10月に文キャン文化人類学西村先生ゼミでグループワークします。慶応、一橋、東大に負けないイキのいい学生がどれくらいいるか楽しみです♪

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