白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2012/06/21(木)   CATEGORY: 未分類
ダライラマとスーチーさんなごみ2shot
2012年6月16日、ビルマの民主化のリーダー、アウンサン・スーチー氏が、21年目のノーベル平和賞スピーチを行った。ビルマ軍政によって長きにわたり軟禁されていたため、出国をすると、今の中国の民主活動家たちと同じく帰国できない可能性があったため、彼女は出国を断念し、結果、ロンドンに住む愛息二人の成長を側でみまもることもできず、夫の死に立ち会うこともできなかった。しかし、昨年からはじまった軍政の軟化にともない、スーチーさんの外遊も可能となり今回の運びとなったのである。
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 さらに、2012年6月19日、訪問先のロンドンで、ダライラマ14世とスーチーさんの会合が実現した。

この写真はまたたくまにFBで世界中に共有され、チベット・ビルマ両民族の不幸に心を痛める人々は、みなこの写真に得たいのしれない勇気をもらった。何かポジティブな気があるので、はっておく。

 このエントリでも述べたようにスーチーさんのなくなられたダンナ様、Mihcael Arisはチベット研究者。また、スーチーさんは思春期から20才まで母親がインド大使をつとめていた関係でインドにおすまいだった。彼女がマハトマ・ガンディーを尊敬しているのはこのインド滞在が大きく作用している。

 また、当然のことながらスーチーさんは仏教徒。ダライラマ法王と同じく彼女の非暴力運動の原動力は、仏教のアヒンサーからくるものだ。スーチーさんとダライラマ法王の人生は常に近いところにあり、それが19日ようやく交った。

 ビルマが本当に民主化に向かうかはまだ分からないが、こういうツーショットは猜疑心のあふれる世界に大きな前向きな力を生むものである。
 
 法王とスーチーさんの関係を示す史料で、自分の手元にあったものを参考までにあげておく。

 参考1は、ダライラマ法王を含む平和賞受賞者がスーチーさんの解放をもとめてビルマ入国を求めた出来事。ダライラマ14世を含む7人のノーベル平和賞受賞者がスーチーの解放を要求してビルマへの入国を試み、拒否される。7人はビルマ難民キャンプを訪れ支援を表明。そのままジュネーブにとび国連人権委員会(UN Commission for Human Rights)で同じアピールを行う。ダライラマ法王は平和賞受賞者と積極的にリーグをくんでこのような働きかけを行ってきた。そのあとビルマへの投資を抑制するようなよびかけも行っている。

 参考2は、法王からスーチーさんへの公開書簡。

参考1  ノーベル賞受賞者がミャンマーのスー・チーさん解放運動(1993年02月21日 朝日朝刊)
 ミャンマー(ビルマ)軍事政権によって自宅に軟禁されている九一年のノーベル平和賞受賞者アウン・サン・スー・チーさんの即時釈放や民主化を要求する、歴代平和賞受賞者ら七人が二十日、タイでの五日間の運動を終えた。隣国から国境を越えて吹きつけた“平和の風”に軍事政権が反発を強める中、一行は、全面的な武器禁輸や経済制裁、国連議席停止を求める勧告を携え、運動の舞台を今後は国連に移す。(バンコク=林修平)
    
 ●国境の叫び
 二十日午後三時、バンコクのチュラロンコン大学に姿を見せたコスタリカのアリアス前大統領や南アフリカ共和国の黒人指導者デズモンド・ツツ大主教ら一行七人は、学生ら聴衆四百人を前に「人権と平和」について語った。
 ミャンマーを脱出してタイで暮らす学生の姿も目立った。予想を超える参加者で、教室から講堂に会場が変更される盛況ぶり。
 アリアス氏が「スー・チーさんの釈放のために圧政者に圧力を」と、声を張り上げると、会場に拍手がわいた。
 ツツ大主教らは十八日には、ミャンマー国境から十キロほどタイ領に入った少数民族カレン族のメラ難民キャンプを訪れた。民族衣装姿の若者らが「平和が欲しい」「アウン・サン・スー・チーを自由に」と手書きのスローガンを掲げて迎えた。
 歓迎集会。最後に演壇に立ったツツ大主教は「大きな鉄砲を持ったビルマの政府は小さなアウン・サン・スー・チーを恐れている。小さなあなたたちを恐れている」と語りかけた。
 国境の少数民族や学生ら反政府勢力は、八九年六月に軍事政権が行った「ビルマ」から「ミャンマー」への国名変更も認めていない。
 次に訪ねたホイクラロック難民キャンプ。八八年九月の武力弾圧で国境地帯に逃げ込んだ学生で組織する全ビルマ学生民主戦線(ABSDF)のモ・ティ・ズン議長(三一)がツツ大主教に「一緒に写真を」とはにかんだような表情で頼んだ。「世界の人びとの支持を集めることで勝利できる。今回の訪問の意味は大きい」とほおを紅潮させる同議長。
     
 ●傾いた天秤
 こうした国境の動きをにらみながら、軍事政権を事実上切り回す実力者とされるキン・ニュン国家法秩序回復評議会(SLORC)第一書記は「外部からの干渉で政策を変えるようなことはない」と国営放送などで繰り返し、“平和攻勢”に反発を強める。
 軍事政権は、民主勢力が圧勝した九〇年五月の総選挙結果を無視。新憲法の制定を「民政移管」の前提とする、独自の「民主化」路線を進めている。
 この路線に沿って今年一月初旬、新憲法の基本原則を定めるために軍事政権が招集した国民会議は、「軍の指導的役割」規定をめぐる反発から、二回の全体会議を開いただけで休会。二月初めに再開された後も、遅々としてもたついているように見える。
 だが、首都ヤンゴン(ラングーン)の消息筋は、軍の国民会議運営に反発しているとされる全国民主連盟(NLD)や少数民族のシャン族に、「組織された反政府運動を起こす力はない」と言う。
 平和賞受賞者の訪問で、国境で抵抗する少数民族や学生の意気は上がった。だが、国内の民主勢力と軍事政権の力関係の天秤(てんびん)は大きく軍部に傾いたままだ。
     
 ●目的は同じ
 舞台を提供した隣国タイ政府も微妙な対応を迫られた。タイは、九一年二月のクーデター、昨年五月の民主化運動に対する武力弾圧事件、さらにカンボジアのポル・ポト派に対する経済制裁への消極姿勢と、対外的イメージが揺らいだ。
 五月事件から生まれたチュアン内閣には人権や民主主義へ踏み込んだ対応が期待されている。対中国関係を考慮して過去二回、入国を拒否したチベット独立運動指導者ダライ・ラマも、今回は軍部内の不協和音を押さえて入国を認めた。
 チュアン首相は二十日、公邸に一行を非公式に招いて一時間半話し合った。一行は前日、武器禁輸や経済制裁、国連議席の停止などを国連に勧告する緊急声明を発表。
 会談で、チュアン首相は「ミャンマーに民主主義を回復する目的は同じ。孤立させるのは逆効果」と応じた。
 人権と民主主義をめぐる東西の対応には隔たりがある。アリアス前大統領は会議後、「時間がかかるかもしれない。だが、我々の主張が国際社会から支援されるよう望んでいる」と語った。


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参考2 ダライ・ラマ法王14世からアウンサンスーチー氏への書簡 2005年6月8日

ビルマ(ミャンマー)連邦 ヤンゴン市大学通54-56 国民民主連盟(NLD)気付

アウンサンスーチー様

拝啓
私たちのように海外にいる者や、ビルマ国内のあなたの同志たちと、あなたとの連絡はあまりに長いこと途絶えたままになっているように感じられます。あなたの心身の健康と幸せへの懸念は募るばかりです。あなたはまた、ご家族や多くのご友人方からの愛に満ちた言葉や励ましのメッセージも、これもまた長いこと一切受け取っておられないのではないでしょうか。だからこそ私は、あなたの 60 歳の誕生日というこの機会を通じて、お祝いの言葉を述べさせていただくと共に、あなた自身の健康と長寿を願うのです。そしてまた、あなたがビルマの人々に向ける、心からの厚い好意が成就されるように祈りを捧げるのです。

おわかりのこととは思いますが、私はチベット人として、あなたが現在直面しておられる厳しい事態に特別な共感を覚えています。チベットとビルマの人々は、過去一貫して隣人であり続けるだけでなく、安寧と慈悲を説く仏陀の教えに従うものとして、数々の価値と願いを共有してもいます。また皮肉なことに、ここ数十年来、私たち両国の人々は共に、自然に正当な形で自由を求め、その実現の機会を探っていますが、こうした取り組みは力づくで押さえ込まれ続けています。
私が深く尊敬するのは、こうした不当な抑圧に直面しながら、非暴力的な手段に忠実であり、受動的な抵抗を用い、対話と妥協と交渉を通じた解決を求めるようとするあなたの決意です。しかし、私たち2人には痛いほどわかっていることですが、こうした物事への取り組み方が実を結ぶには、争いの当事者が話し合おうと互いに身を乗り出さなければなりません。したがって、 私はこの場を借りて 、ビルマ政府に対して、今すぐあなたの軟禁を解くよう、またビルマのあらゆる人々の最終的な利益のために、ただちにあなたとあなたが属する政党との対話を再開するよう訴えます。

今が多難な時期であることに間違いはありません。しかし決して希望を失っても、諦めてもいけません。私自身の、また多くの人々のあなたへの思いは、つねに、ビルマというひっそりとした大地(訳注:アウンサンスーチー氏の詩 "In the Quiet Land" を踏まえていると思われる)で隔離されているあなたと共にあるのです。私は確信を持って次のように言うことができます。このような心からの支援の気持ちが、たとえ直接あなたのもとに届かないとしても、あなたは、ここにこめられた思いを通じて、力と恵みを受け取られるのです。そして最終的には真理と自由、正義が勝利するのです。

祈りと厚情を込めて敬具 (ダライ・ラマ法王の署名)(訳、箱田 徹)
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