白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2013/01/19(土)   CATEGORY: 未分類
年初の大学風物詩
 卒論、修論など学位をかけた論文は、学生生活の総括である。提出できないと内定がでていようと卒業はパーとなるので、提出期限の最終日には人生をかけた様々なドラマがうまれる。

 まず、一月の第一週に修論提出日がきた。二日間ある受付期間の初日、Sちゃんが中国人留学生Xくんを慰めながら研究室に入ってきた。何でもXくんは修論の下書きを指導教授にみせたら、「書き直せ」と言われ、それが一月五日だったので、もう提出を諦めたのだという。

 慰める側のSちゃんも修論の提出を予定しているのに、最終締め切り日を明日に控えたその日もまだパソコンを開いて論文で使う史料の整形をしていた。この時点ではできあがった本文の誤字をなおすくらいをやっていないとまずい状態なのに、まだ史料の書式をととのえているのである。

 そうこうするうちに院生Mが現れ、その二人の有様を見て

 院生M「Sちゃん何か手伝うことある?」

 Sちゃん「ない。黙ってて」

 院生M「この期に及んで細かいことを気にしている場合じゃないよ。とにかく書くんだよ。死にかけたアサリが泥を吐くように文字を吐き続けるんだよ。僕はもう手が勝手に動き続けたよ。」

 院生Mの修論は死にかけた貝がはくドロだったのか。そいえば去年の正月二日、彼の修論の話を聞くために高田馬場のエクセルシオールカフェにいったな。とくだらない思い出がよみがえる。
 
 中国人留学生xくんはいつになく元気がなく、院生Mが買ってきたお菓子にも手を付けず、Sちゃんも、「もう三日寝ていないの。食べると眠くなるからいらない」というので、院生Mと私は二人でアイスクリームを食べながら、二人をナマ温かく見守る。

 その後、Xくんと私はアメリカのテレビドラマについて語りだし、

 Xくん「先生にお勧めのドラマがあります。ホワイト・カラーはイケメン二人が主人公ですよ」

 私「主人公二人の顔キボンヌ」とか、腐った会話(Xくんがこう表現した)をしていたところ、Sちゃんが突然

 Sちゃん「何かもうどうでもよくなってきた。」

するとすかさずXくん「あきらめちゃダメだよ」

 そして、研究室をでる時、Xくんは通りすがりに彼女の肩にそっと手をおいて、でていった。

 何かとてもキレイなものを見たような気がする。そこには民族をこえたグダグダな友情が芽生えていた・・・。

 そのせいかどうかSちゃんは翌日無事提出に成功。こうやってここに書けるわけである。

 その一週間後、今度は卒論の提出日が訪れた。今回提出予定者は私のゼミで六人。

 しつこいくらい何度も、規定の書式で印刷せねばならないこと、製本しなければならないこと、私が判をついた指導票をつけなければ受け付けられないことをメールで流しつづけたのに、最後の最終日の前日になっても三人がハンコをとりにこない。

 なので、その三人限定で、自分が授業をやっている教室の部屋番号を教えて、とにかく早くハンコをとりにくるように言う。しかし、ここまで言っても最後の一人Kくんが2時半すぎてもやってこない。即日製本は午後一時までにだすのが決まりなので、午後一時には卒論は完成しているはずなのに。

 仕方ないので、kのケータイに「ハンコとりにこい」とメッセージをうちこむと

k「先生今どこですか」という緊迫感のないメールが届く。

 何のハンコかも分かっていないかのような反応である。あれだけ口を酸っぱくして授業でも、メールでも連呼したのに。信じられない鈍さである。
 
 そして、四限の授業が始まってしばらくたつと、戸口にぬーっとKが立った。「授業終わってからこいよ」と言いたいところだが、時間が迫っているため、仕方なく対応する。授業を中断してKの下にいき

「ハンコおすから書類は?」と聞くと、何と書類をもってきてない。ありえない。

 しかし、私の方もハンコをだそうとしたら前の授業をやった教室に忘れてきていることに気づいたので、いい勝負である。呪われている。

「16号館の2階のサービスルームいって書類とってこい」とKをたたきだし、授業を続ける。そして授業が終わった後、Kの処にいき書類にハンコおすも、肝腎の卒論がない。聞けば

 「即日製本の最終受付一時に間に合わなくて、それでも受け付けてもらって、その製本ができるのが四時半なんです。」
 
 私「四時半って五時で受付終わるのに、三十分きるじゃない。もし形式とかではねられても、なおす時間もない。ありえない。あんたヤバイよ」
 
 しかし、三日間寝ていないKは、朦朧としていてことの重大性に気づいていない模様。ふらふらと製本された卒論をお店にとりにいった。もうほとんどダメだろうと思いつつ、受付終了四分前の四時五十六分にKのケータイに電話をすると、

 Kくん「今事務所の方にいろいろ叱られていますが、受け取ってもらえました」

 奇跡の逆転である。この後彼は、「クウェート人の友達が日本に来ているので接待しなければならないんです」と去ってしまった。

 そして翌日の授業に顔を見せないので、メールすると(これはいつものこと。下宿が大学の側なのでメールするとやってくる)珍しく返事がない。あとで聞くと、クウェート人の友達と別れたあと19時間寝続けたため、授業時間を寝過ごしたのだという。

 クウェート人の接待が授業に優先されることといい、ハンコを授業中にとりにくることといい、最終日四分前の提出といい、彼の社会生活能力はあまりにも低い。

、彼はこれからアメリカの大学で哲学を学んで、夢はハーバート講義のマイケル・サンデル教授らしいが、才能以前にここまで社会生活力に欠けていて、向こうの学位をとるまで行き着けるのか。

 以下、中国ネタ?の余談です。

 関東以北に雪がふった1/14日、勉強会で大学に行った。成人式で休みであったため人気はなく、まるでスキー場のような趣であった。なので、雪にFree Tibetと傘で書いて記念撮影をしようと、たまたま通りかかった、三人の女学生に声をかけようとすると、本土中国語をしゃべる中国人であった・・・。仕方ないので記念撮影は自力でした。

 それから、五日後、昔の学生が研究室に遊びにきた。みな卒業後もチベットときれないでいてくれる子たちであったため、記念撮影をしたいと言い出した。しかし、人気のない研究室フロア。先生たちしかいないし、誰に頼もう? と困っている内に、パントリーで院生らしい女の子が水道を使っていた。

 そこで彼女に頼むこととしてその院生の女の子は研究室に入ってきた。しかし、何かドン引きしている。それに彼女の話し言葉はアクセントがちょっと違う。聞けば、中国の方であった。そりゃチベット旗見ればドンビキするわ。しかし、いい子だったのでシャッターは押してもらえた。彼女が立ち去った後、「世界の五人に一人は中国人だもんね。本土からきたチベットの子たちも、チベット語はラサ語とアムド語で通じなかったりしても、中国語で意思疎通ができたりするんだよね」と会話は暗い方向に。

いずれ、日本国内でも「チベット」とか言えない雰囲気になっていくなんてことはないよね!

 そして、今日。某商社につとめる元学生と久しぶりにあって話をしていると、彼曰く

「アフリカやアジアのビジネスでは中国人がものすごく強い。中国人は現地の有力者に賄賂でもなんでもどんどんつぎこんで契約とり、囚人働かせて現地にみあった安い商品を作ってどんどん売っていく。ルールを護っている我々に勝ち目はない。このまま中国が台頭を続けていくと、〔道徳もルールもなしの〕金だけが尺度となる世の中がくる。みたいな話をする。

 中国人がルールを守り、倫理をもつようになってくれるといいんだけど、あの国の教育は排外思想と、中華民族教育は行っても、他者の尊重、異なるものとの共生は教えないからな。ルールも倫理もない人が唯一理解できる言語は、今も昔も力のみ。金の力、武力、とにかく何かの力。もちろん、彼らが、慈悲の力とか恥を知るとかいう概念を理解てきるようになるのが一番いいんだけどね。
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チベット便り | URL | 2013/01/25(金) 11:43 [EDIT]
初めまして。
いつも貴ブログ及び御著書を参考に微力ながら励んでいる一読者です。
下記の行事について、僭越ながら投稿、先生の御多忙御活躍に僅かでも報いたく存じます。
吾人は御案内の行事に直接の関係者ではございませんが、何かの寄与するところございますならば幸いに存じます。
ご苦労多いことと存じますけれども、益々の御健勝を祈念申し上げて止みません。
謹白


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     事前申込先 http://apply.sftjapan.org/100years/
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| | 2013/01/26(土) 18:15 [EDIT]
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