白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2013/06/26(水)   CATEGORY: 未分類
定食屋の魯山人
 実はアキャリンポチェを授業におよびした。レポートを期待されている方もいらっしゃると思うが、次のエントリーで。その理由は、いつもは主催者が別にいて、私はただそこに出向いてノートをとっていればいよかったが、今回は私がリンポチェのお迎え、司会、史料準備、通訳手配などなどを全部やらねばならず、ノートをとる暇がなかったから。録音機を再生して文字に起こすのは、実はノート取りよりはるかに精神的なハードルが高い。

 で、ツナギというのもなんですが、ちょっとした小話を一つ。

 とある夜、私は夕食をするために某定食屋のカウンターに座っておりました。私の右隣には、年の頃は二十代後半から三十代前半、ややチャパツ、既婚、スーツではないラフな格好の男が座っていた。その男の頼んだ料理は豚の生姜焼きであったが、その男、箸を付けてまもなく、店員を呼び止めてこういった。

「あのまずくて食べられないんですが。焦げていて苦いです」

 私の見る限り、豚の生姜焼きは普通の焦げ茶色の焼き目で、黒くもなっていなかった。苦いというからには黒焼きになっているはずだが、みたとこ普通。
店員は恐縮して、代わりをお持ちしますので四分お時間をいただけますか?といって彼のお盆を下げた。

 周りの人は私も含めて、その男にドンビキした。高級料亭で北大路魯山人が料理にケチをつけたのならまだしも、ここは定食屋である。さらにこの男、どうみても魯山人ではない。

 その男はお盆を下げられたあと、しばらくケータイをいじっていたが、おもむろに立ち上がって、カバンもって、会計をしないまま、外にでていってしまった。トイレなら店の中だし、誰かとの待ち合わせに遅れるならケータイでメッセージを送ればいい。かなりの可能性でこの男は再注文しておきながら無断で退店したのだ。

 ここで二度目のドンビキ。

 お店側からみたらこの男のせいで二食つくって一銭もとれないことになる。そして何より頭にくるのはこの二食は廃棄されること。世の中には飢えている人もいるというのに。チベットで弁当食べると貧しい子供が弁当のぞき込んでくるというのに。このマナーの悪い男は、来世必ずやこの報いで餓鬼道に落ちるであろう。

 このモンスターなカスタマーを見ている内に、過去にあったいろいろなイヤなことを思い出した(病んでますな 笑)。

 その昔、学生たちと某中華料理屋にはいった所、ビールやハイボールがサービスで150円くらいになっていた。すると、某学生(留年生)が、「こんな水っぽいハイボール、~だったら作り直しだよ」とケチをつけた。

 私はどんな料理を出されても、美味しくいただく人が好きである。たべっぷりのいい人に悪い人はいない。なので、この発言にはカチンときた。

「高級店で高価な値段をはらって、水っぽいハイボールがきたのなら、批判する気持ちも分からないでもないが(高級店でハイボールは出ない 笑)、飲み放題の宴会を3000円でうけてる中華料理屋で、水っぽいハイボールがでてきても、文句は言えないだろが。偉そうなクチ聞くな」。

 その同じ学生はその後、ステーキ食べ放題の店にいったときも、やはり「こんな〔まずい〕肉食えない」といって箸を付けなかった。雰囲気壊れるのがいやだったので、その時は何もいわなかった。しかし今考えると、彼は内輪で文句いっていただけで、お店に作り直しを要求しなかったこと、お会計はしたことなどから、あの定食屋のチャパツよりはましである。

 さらに走馬燈は回る。

 一昨日。私は某フレンチレストランでダンナと食事をしていた。夜遅かったこともあり、お客は私たちだけだったので、お店の奥さんと私はぶっちゃけた話をはじめた。

 奥さんの発言を要約すると、「最近、予約をいれた人が予約時間過ぎてから取り消しをいってきたりとマナーが悪い。食事中もケータイをいじって、どうかするとパソコンをあける。ケータイは料理の写真をその場でとってツイッターやFBにアップすることもあるので、我慢できないこともないけれど、パソコンを開けるのはお店の雰囲気が壊れるのでやめてほしい。ケータイを取り落としてグラス割ったりとか、食事が出るのが遅いとか、もうお客さんがラーメン屋の客化している。みんなが批評家になってしまった。」

 予約取り消しをキーワードにさらに走馬燈がまわる。

 二週間ほど前、某クンが結婚の挨拶にきたいというので、研究室で待った。しかし来ない。実はその日ケータイを家に忘れており、そのケータイには予定時間の七分前に「嫁の実家にいくことになり、今日は行けません」とのメッセージが入っていた。ケータイ・メール一本で、先生との約束を反故できると考えている時点でアウト。しかもこれすでに式の一月前。

 定食屋の魯山人のおかげでいらんことを沢山思い出した。

とりあえずまとめ。

 「オレ様は一流だから / 頭がいいから、一流の味/ 価値が分かるから、オレ様を満足させるために周りの者は努力せよ」という人は、誰からも共感をもたれることはない。自分の感情に支配されていて、他人との共感がまったくない人格だからだ。批判していいのは批判対象より、よいものを作れる能力がある人だけ。自分では何も生み出せないくせに、人様がつくったものに対してあれこれケチをつけるような人は、そもそも当人が思っているような「一流」の人間ではない。「一流」の人間はそういうことをする人ではないからね。
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● 補足
通りがかり | URL | 2013/06/26(水) 02:58 [EDIT]
批判対象よりよいモノを作れる人はそもそも批判しない,というのも付け加えて頂けると

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