白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2014/04/30(水)   CATEGORY: 未分類
中国との商談を優先し表現の自由を犠牲にする欧州
 以下は、某日中関係の政治学者よりご教示頂いたワールドポストの記事で「ヨーロッパ諸国が中国との商談成立を優先するあまり、中国の要人が彼らの国を訪問した際、中国政府に対して市民が平和的な抗議行動を行う、いわば、表現の自由権を抑圧している」という内容のもの。理想と現実はどちらも捨てられない人間のカルマとはいえ、市民社会発祥の地であり、道徳的でありたい欧米にとって、現状は我々が想像するよりずっとストレスになっていると思う。
 
 この記事に見られるような欧米の態度をみて、中国はここ最近、自国の太平洋進出に対して、アメリカもヨーロッパも目をつぶってくれるだろうと思っていた。しかし、四月末のオバマ大統領の太平洋諸国歴訪は中国にとって予想より厳しい内容となった。ワールズポストの次の記事の後はそれについて述べた毎日新聞の記事です。

  ちなみに、私の英語力は笑っちゃうレベルなので正確に読みたい方は原文の方をどうぞ。

ヨーロッパは中国との友好のために平和的な抵抗運動の権利を犠牲にした  by Aaron Rhodes

The World Post Posted: 04/11/2014 9:41 pm EDT Updated: 04/11/2014 9:59 pm EDT  
By Jacob Mchangama and Aaron Rhodes

平和的な抵抗運動を行う権利は、基本的人権ではないか? この応えはもちろんイエスであるが、ヨーロッパではその答えは誰に対して抵抗するかによってノーになるらしい。いくつかのヨーロッパの民主国家は、中国と商売を行うための対価は平和的な抗議運動を検閲することという考えを受け入れている。


2014年3月25日、フランス警察は法輪功(中国共産党に迫害されている精神運動)の構成員が習近平主席の同国滞在中、中国大使館の外で抗議行動をすることを禁じた。さらに、もっともらしい理由もつけずに、フランス警察は国境なき記者団が、中国における言論の自由のなさを示すために走らせていた、中指をたてた習近平のポスター(フォトショップ加工)つきの車を通行止めにした。フランスの法廷は平和的な抗議行動を禁じることは表現結社の自由権の侵犯であるとすみやかに裁決を下した。そうすることで、法廷は、外国における人権状況と一致してフランス政府が自国のルールに従うように保証した。

 3月28日、フランスとEUの20ヶ国は国連の人権理事会において「平和的な抗議運動を行う権利」を支持する決議を行った。その決議の文面は諸国に対して「平和的な集会の自由、表現の自由、結社の自由といった諸権利を、個人または団体が行使するために、諸国は安全かつ権限を付与した環境を整備するように」と、また、「抗議運動を行うものに公共空間を提供し、保護することによって、平和的な抵抗運動を手助けするように」と勧奨している。中国はこの決議に反対票を投じた。
 
平和的な抗議行動を行う権利のために人権委員会において強制力のない決議をおこないつつも、実際にそれを国内において行わなかったヨーロッパの国はフランスだけではない。フランスでのこの事例は、中国の要人がヨーロッパの民主主義国家を訪問するに際して、広く蔓延しつつある厄介なパターンの氷山の一角である。少なくとも、ベルギー、デンマーク、アイルランド、そしてハンガリーの警察が、中国からの賓客が怒ったり侮辱されていると感じるようなメッセージも含め、中国に対する合法的な抵抗運動を、厳重に取り締まっている。

習近平がフランスからベルギーに向かうと、検閲体制も後についていく。EUのオブザーバーによると、ベルギー警察は中国人舞踊団に対して広告を取り除くか、隠すようにと頼んだ。なぜならそのポスターは外交問題を引き起こしうる法輪功舞踊団のものであったからである。

結局、舞踊団は従わず、警察はそれ以上の行動はとらなかった。しかし、国際人権連盟(FIDH)によると、ブルージュにおけるチベットを支援する抗議者集団は、ベルギー警察に拘束されたり、チベット旗を没収されたりして、簡単に歩き出すことはできなかった。

 チベットを支援する抗議者たちの拘束と排除、チベット旗の没収は前主席胡錦涛が2012年6月にコペンハーゲンを訪問した時の、デンマーク警察の手口とも部分的に重なる。抗議者たちは平和的にチベット旗をふっていただけなのに、議会広場前から立ち去るように命じられ、デンマーク警察の巡査がチベット旗を没収する様子がビデオに記録されている。


もう一つの事件では、胡錦涛が訪れることになっていた城近くの公園において三人の警察官が抗議者を拘束するのが見られた。デンマークの法廷は、この件を審議した結果、この拘束の唯一の理由が、抗議者がチベット旗をもっていたからであることに気づいた。裁判の間、デンマーク警察は拘束の理由を否定したが、諜報機関は「中国人にとってメンツを失なわないことが重要なのだ」と認めることとなった。そして中国人護衛が繰り返しデンマーク警察に「違法な旗」を没衆するよう要求していたことも認めた。この胡錦涛の滞在中、デンマーク警察は法輪功の抗議者たちの前に車両をとめて、抗議者たちが胡錦涛の車から見えないようにした。

2012年2月に、副主席習近平(現主席)がアイルランドを訪問した時にもチベット支援の抗議者たちの権利は踏みにじられた。三人の抗議者の証言によると、彼らの旗とチベット旗は没収され、習近平が訪れる予定の公園に入ることを拒否された。もう一人の抗議者も習近平の訪問先から排除される際にアイルランド警察が行き過ぎた暴力を用いたと主張している。


もっとも憂慮すべきなのは、2011年2月、温家宝首相(当時)のハンガリー訪問の際に、ハンガリー当局のとった行動である。アメリカ合衆国国務省のハンガリーに関する人権レポートによると、地元警察は中国のチベット政策に反対する抗議行動をターゲットにし、ハンガリーに居住するチベット人たちが温家宝が到着するまさにその日に入管へと報告を出すように命じられた」と述べられている。公民権のための議会検査官、Dr. Mate Szaboはこう結論づけている。「中国の首相温家宝がブタペストを訪問している間に、チベット旗をふるデモに対して対抗措置がとられていた。これは表現の自由の権利と人間の尊厳を踏みにじるものである」。加えて、入管がチベット人居住者を召喚したことは「差別の禁止」という理念にも抵触している。

中国が抗議行動を検閲するようにと主張することは、他国の土の上であるにも関わらず、習近平の警護官が自分たちで規制線をしくことにつながっていく。、ニュージーランドでの滞在中、彼らは下院議員Russell Normanの振りかざしたチベット旗を強制的に没収した。これらの出来事は明らかに、単なる警察の不祥事の一例とか、単独で起きている、相互につながりがないことではない。これらの事件は「中国の要人が外国を旅する場合、人権侵害についていっさい免責される」という降伏パターンを形成している。この降伏文書は魅力的な高額の商取引という好機を逸したくないという恐怖に駆られている。ヨーロッパの警察は、憲法の原則と国際法と国内法の両者に縛られつつ、より高い権限を持つものの指示の下、中国が強要する規制線に不本意ながら従っている。

中国側の要求に従うことは,ネパール当局のチベット難民の扱い方が示すように、市民社会に悲惨な結果をもたらす可能性がある。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(人権監視団体)の最新のレポートには、いかに中国はネパール政府に圧力をかけて、チベット人が平和的な抗議活動を行うこと、彼らの国や文化のシンボル(反中活動とみなされる)を示すことを弾圧しているかを詳細に報告している。ヨーロッパの民主国家はこのような弱小国でのこのような事例を非難すべきである。弱小国は中国のまねをしているというよりは、地政学的な事情により、中国の圧力に屈しやすいのである。

 自由民主主義の国家が自国の市民から平和的な抗議活動のような基本的な自由を喜んで奪いだしたら、それは海外の抑圧された人々の自由を推進するという民主主義国家の能力にとって非常な凶兆である。実に、経済力をもった新興国が抵抗したら、民主国家は基本的自由を支持するという主張を取り下げることになるという前兆である。ヨーロッパの民主国家が、国際関係という高レートのストリップポーカーでみぐるみはがれつつ辱めをうけている間、中国を頭とする強権国家は、はったりをかけて上手をとろうとしているのだ。


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オバマ米大統領:アジア歴訪 連携強調、中国けん制 国際秩序取り込み不透明
 毎日新聞 2014年04月30日 東京朝刊

 【マニラ西田進一郎】オバマ米大統領は29日、アジア歴訪の最後の国フィリピンを出発し、帰国の途についた。「アジア太平洋での指導力の復活」を目指した4カ国歴訪で、威圧的な海洋活動を続ける中国を強くけん制し、安全保障・経済両面で日本やフィリピンなど同盟国との連携強化を演出した。一方、中国を抑止しつつ国際秩序に取り込む大統領のアジア太平洋戦略がどう展開するのかはまだ見通せない状況だ。
 「我々のフィリピン防衛の約束は一分の隙(すき)もなく、米国はその約束を守り続ける。同盟国は孤立することはない」
 大統領は29日、マニラ首都圏で米比両軍の兵士らを前に演説し、同盟の強固さを改めて強調した。日本、韓国、マレーシア、フィリピンの4カ国歴訪を締めくくる演説は歴訪中、一貫して発してきた同盟国、友好国への「約束」だった。
 歴訪は、中国が沖縄県・尖閣諸島上空を含む東シナ海に防空識別圏を一方的に設定するなど東シナ海や南シナ海が不安定化し、北朝鮮による挑発行為が続いた直後のタイミングだった。一方、昨年のシリア化学兵器使用問題では武力行使を決断しながら実行せず、ロシアのクリミア編入も結果的に許したことから、大統領の弱腰の外交姿勢に同盟国は不安を募らせていた。
 大統領は日米首脳会談後の共同記者会見で、尖閣諸島に対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条が適用されることを大統領として初めて明言。韓国でも、同盟国防衛のために軍事力行使をためらわない姿勢を示した。フィリピンでは、米軍が22年ぶりにフィリピンに「回帰」する新軍事協定の調印にこぎ着けた。大統領は28日の記者会見で「アジア太平洋における同盟関係はかつてないほど強くなっている」と胸を張った。
 ただ、経済・軍事両面でアジアの大国となった中国への配慮も随所に見せ、対立を避けたい本音を隠さなかった。日米首脳会談後の記者会見では、「中国が尖閣で軍事行動をした場合に米国が軍事的な反撃にでるのか」との質問には「事態を悪化させるのでなく、日中は信頼醸成措置をとるべきだ」とかわした。フィリピンでは、「米国との条約上の防衛義務に南シナ海が含まれるのか」との質問にも正面から答えなかった。
 「目標は中国に対抗することでも、封じ込めることでもない」。大統領が目指すのは28日の記者会見で強調したように、国際法など国際秩序に中国を巻き込むことだ。経済の相互依存が高まり、米国の相対的な「力」が陰りを見せる中、力で封じ込める危険性を十分に認識している。
 大統領自身が「(アフガニスタンやイラクでの)戦争の10年を経た後に、誰が軍事力を使いたがるだろうか」と、軍事力行使に世論の支持がないことを強く主張する。一方、外交的手法だけで中国を抑止し、米国が描くような方向に導けるのかは不透明だ。
 今回の歴訪は、2期目で失速気味と揶揄(やゆ)されるアジア太平洋地域への「リバランス(再均衡)」政策の成否が「新たな関係」構築を目指す米中関係にかかっていることを改めて浮き彫りにした。

 ◇中国、同盟国と「傘」協定に衝撃

 中国では当初、オバマ米大統領の歴訪を「同盟国を安心させるための旅」と楽観的に報じられていた。しかし、尖閣諸島に関する発言や、比に軍事面で「傘」を提供する協定を締結したことで変化が出ている
 オバマ氏の姿勢は、偶発的な衝突が発生した場合、中国との軍事対立も辞さない方針を示したとも受け止められている。中国の専門家の間では「(同盟国への)リップサービスの域を出ない」と強気を維持する見方と、「共同声明や協定に署名するとまでは思わなかった」と、驚きを超え「衝撃」として受け止める見方が混在する。
 中国は5月に上海でアジア信頼醸成措置会議(CICA)を主催する。会議では「アジアの新安全保障観」を提唱し、アジアの安保協力メカニズムを協議する予定だ。米国が正式メンバーに入っていない会議で、「アジアの問題はアジア主導で解決すべきだ」(中国外務省報道官)との姿勢を打ち出す狙いだとみられる。
 しかし、実際にはアジアからの米国排除は不可能で、「米国のアジアでの影響力を尊重する代わりに中国のアジアにおける主張も尊重するよう認めさせたい」(中国国際問題研究所研究員)というのが現状での中国の本音だとみられる。【北京・石原聖】

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木語:オバマ・ライン=金子秀敏 毎日新聞 2014年05月01日 東京朝刊

 子供用の知育絵本にある「点つなぎ」は、点と点を順序よく結ぶとサカナやネコなどの絵になるが、順序を間違えると形にならない。米国のオバマ大統領がアジア4カ国を歴訪した。新聞に訪問地を日にちを追って点つなぎした地図があった。北へ南へ、ジグザグの折れ線だ。だが、訪問地を単純に北から南につなぐと、政治的な意味が明瞭になる。一番北が韓国のソウル。次が日本の東京、南に下ってフィリピンのマニラ、マレーシアのクアラルンプール−−それを点つなぎした「オバマ・ライン」は「北緯38度線」プラス「第1列島線」。冷戦時代の「アチソン・ライン」。近未来の米「ミサイル防衛(MD)網」だ。ソウルで、オバマ氏は朴槿恵(パククネ)大統領との間で「戦時作戦統制権問題」を決着させた。朝鮮半島有事の際、米韓連合軍の指揮権は米軍にある。それを韓国軍に渡すことになっていたが延期した。要するに、米軍は当分、38度線防衛の指揮権を握り続ける。

 次が東京。安倍晋三首相との会談でオバマ氏は、尖閣諸島を日米安保条約5条の適用範囲だと米大統領として初めて明言した。つまり、米軍は東シナ海から撤退しない。

 東京、尖閣と点をつないで、次はマニラ。オバマ氏はアキノ大統領と「新軍事協定」を結んだ。フィリピンから撤退した米軍だが、新協定でフィリピン軍基地を使えることになり22年ぶりに回帰する。南シナ海に面したスービック湾などに米艦隊を配置して中国軍の動きをけん制する。

 一番南のクアラルンプールでも、オバマ氏はナジブ首相と海洋安全保障を含む協力で合意した。マレーシアは南シナ海とインド洋を結ぶマラッカ海峡に面している。中国海軍のインド洋進出へのけん制でもあるだろう。

 今回のオバマ大統領歴訪では関税交渉も重要だろうが、最大の眼目が米軍のアジア回帰だったことは、点つなぎで一目瞭然だ。第1列島線を越えて拡大する中国の軍事力に対抗して、米国とその同盟国、友好国を結んだ「オバマ・ライン」を作ったのだ。

 では、これが中国の海洋進出を止める防波堤になるだろうか。米軍には、冷戦時代のような圧倒的な優位性はない。同盟国の中では、日韓の不仲が目立っていて、結束をあやうくしている。フィリピン軍はもともと弱体だ。一方、中国に海洋主権の主張をひっこめる気配はないから、これから摩擦は高まる。偶発的な摩擦が、思わぬ衝突につながる「冷線」時代だ。(客員編集委員)


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