白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2014/10/21(火)   CATEGORY: 未分類
ダライラマ本の新刊情報
●『思いやること 心を育てるための小さなコツ』東洋出版
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 本書の原典はアメリカの著名なチベット学者ジェフリー・ホプキンスがダライラマ14世の講演を要領よくまとめたものである。ホプキンスは70年代から80年代にかけてダライラマの通訳を行っており、40冊以上のダライラマ本を英訳し、バージニア大学を初めとする名門大学で多くのチベット学者を育て上げた。仏教学者である。

 その彼が編集した本書は序文からしてチベット仏教のみならずチベットをとりまく状況全体に目配りがされており、最後には、チベット仏教の伝統的な手法に基づいた「アンガーマネジメント」と慈悲の心の起こし方が述べられている。

 最近、イスラム国の戦闘員となろうとした北大生や実際に参加した若者が話題になって、そのインタビューをテレビでみた。彼らはイスラムの教えに共感して国を作ろうといのではなく、実際彼らを戦地に駆り立てているのは、日本での自分の生活を意味のないものと感じ、それをリセットとするための生き場所=死に場所を探しであった。

 戦闘員になれば、上から命令があれば、罪もない住民を殺すことになる。何にもなれない・何にもなる気のない病んだエゴがだした結論が、異教に改宗して異郷にいって人を殺すことだったのだ。
 こんな若者に本書より法王の言葉を捧げます。
 「モラルの低下を食い止めよう」とやかましく騒ぐだけでは足りません。何か行動を起こさなくてはならないのです。・・・人類が抱えている問題を解決するには、学者、教育者、ソーシャルワーカー、神経科学者、医者その他あらゆる分野の専門家が集う会議を組織する必要があります。人類の行動が及ぼしてきたよい影響、悪い影響についてそして教育システムに何を取り入れ、何を変えるべきかについて話合う必要があるのです。。
 子供の健全な成長には、適切な環境が欠かせません。テロリズムを始め、あらゆる問題は教育を通して解決することができます。とくに幼稚園・保育園の段階から、他者への気遣いを教えることが大切です。けんかをしたり、だましたり、いじめたり、こんな行為が今日の現状を生み出してしまったのです。」


 法王のこのような提言に基づいて設立されたダライラマ財団(Dalai Lama Foundation)は教育の場に、本書で説かれているような怒りのコントロール法を普及していく活動をしている。怒りは健康を損ない、幸福感を奪い、自分の評判をおとし、何一ついいことはない。しかし、その怒りをコントロールし、さらに他者を気遣う気持ちを養うことに成功すれば、世界中の敵を友に変えることができ、多幸感と健康がもたらされる。
 ギュメの高僧たちもおっしゃっていたが、自制のトレーニングは、最初はなかなか難しくてなかなか敵を愛することはできないけれど、毎日続けることによって心は少しずつ変わっていくのだという。だから、とにかく始めること、続けることが大切である。

次にご紹介する本は

●飛鳥新社『心を見つめる言葉』
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これは、ダライラマ法王が英語で発信されている公式ツイッターの対訳本である。14年10月21日時点で法王のフォロワーは9,578,209人で、今後も増えていくであろう。このツイッター中の人はたぶん法王ではなくチベット政府の広報だろうけど、その言葉は法王が講演などで何度も言及されている内容である。見本頁をアマゾンからもってきました。一ページに一ツイートなのでとても読みやすいです。

見方によっては、世界の主な宗教はみな同じことを目指しているといえます。それは一人ひとりの善の心を養うことです。

物質的な発展も必要です。しかし、それだけでは心の平安は得られないことを忘れてはなりません。

 自分の一つの欠点に気づくことは、他の人の千個の欠点に気づくより、はるかに有益なことです。自分の欠点は自分で直せます。

 他者を愛せる人ほど、ゆるぎのない自信を持てます。勇気がある人ほど、ゆったりと構え、冷静でいられます。
 
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そして、最後に紹介するのは池上彰さんの仏教本。これは前に書評かいたのですが、今回文庫化してよりお求めやすい値段になりました。
 
●飛鳥新社『池上彰と考える、仏教って何ですか? 』
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 要約すると、仏教の思想って難しいと想ってない? そんなことないんだよ。池上さんがわかりやすく説明するよ。仏教って理性的で論理的で素晴らしい思想なんだ。チベットのお坊さんはよくこの教えを体現しているよ、という本。初学者に仏教の魅力がよく伝わる内容となっている。本書より抜粋。

  このように私が仏教に期待しているのは、実際に期待に応えてくれる人物がいるからです。残念ながら日本仏教ではありません。今のところ私に仏教への希望を抱かせてくれるのは、チベット仏教を代表する最高指導者であるダライ・ラマ十四世です。
 

これとともにブータン研究者の今枝由朗著『ブータン仏教から見た日本仏教』(NHKブックス)もあわせてよむと、日本仏教ってこういうものだったのか、というのがよく分かります。
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