美しき声明の世界
本日は南蔵院に野口圭也先生を訪ね、声明(節つきのお経)についてお話を伺いました。野口先生との仏縁としかいいようのない出会いについてはここ参照。↓
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-date-20060408.html
で、これが、すごくすごくすごーく、面白かった。

まず、本堂にあがらせていただき、般若心経・光明真言などでおつとめ。真ん中には南蔵院はじまっていらいのご本尊、薬師如来様がおわしまし、その両脇にはむろん金剛界・胎蔵界の両マンダラがかかり、むかって右には弁天様、左には豊山派の祖師たちが祀られている。
そして、声明の楽譜につく記号の読み方を「四智梵語」というテクストを例にとって懇切丁寧に教えていただく。
で、この記号が面白いんだ。らせん系の記号があって、これは「藤ユ」。藤のつるのように声を何度も螺旋状にゆらすので、この名前がある。
それで、「散華」という散華をしながら読む声明には、丸く弧を描いたような記号があり、これは「ひばり返し」。ひばりが天空でくるっと弧を描くように、声をまるくだすのである。
小豆は「小さく短く」(笑)。といった具合にこれはもう耳で聞いて覚えるしかない口伝の世界。一つ覚えるたびに伝統世界に参入していく妙な満足感がましていく。

そして、野口先生が鐃鉢(にょうはつ)と散華を実際にしながら、通しで声明を聞かせてくださる。功徳のく、仏道のうの発音が、数分間空間でゆれつづけるのにいたく感銘する。
ここまで懇切丁寧に指導していただけるとは思わなかったので、感謝感激。
そして、本堂を後にした後、13年前に日本武道館に千人の僧を集めて行われた声明コンサート?のビデオ「千人僧声曼荼羅」を拝見する。

野口先生は、この時の武道館イベントをしきった豊山派仏教青年会の一人で、この千人の僧の入堂フォーメーションをくんだ方である。千人の僧はまるで団体のシンクロのように、何方向からも入場して円を描きながら中心にむかって収斂していく。
僧侶たちの席は金剛界曼荼羅にのっとって九つのゾーンにわかれ、色もぬりわけられている。真ん中にはむろん大日如来をあらわすバンの字が大書され、豊山派の管長猊下が着席する。千人が着席すると非常に美しくかつ荘厳な空間ができあがった。
しかし、ここでこの巨大イベントに隠された大きな秘密を明らかにしてしまおう。じつは、当日の百数十人の欠席があり、「千人の僧」というふれこみはやや大げさであったのだ。僧侶たちの欠席の理由は、「急なお葬式が入った」から。人が死ぬ時期は左右できない。かわってもらおうにも自派の僧侶の三分の一がここに集合しているので、それも無理。しかしこのようなことはある程度織り込み済みであり、千人以上に話をつけていたので九百人は超えていたという。
千人の僧がとなえる声明は問題なく素晴らしいものであった。しかし、その合間にスキンヘッドのアーティストがジャズっぽい現代音楽を演奏する。
「なんですかこれは」
と私が尋ねると
野口先生「テレビ局が声明だけじゃ、視聴率がとれないというもんですから。」
私「その不埒なテレビ局はいくらか出してくれたんですか」
野口先生「いえ、これを撮影してくれただけ。武道館かりるのも数百万円かかり、音楽家の出演料でしょ? 赤字がでたらみんなでかぶる悲壮な覚悟でのぞみました」
私「声明だけで十分美しいじゃないですか」
後半より現代音楽と読経がかぶりだし、クライマックスとおぼしき般若心経読誦では、千人の僧の読経に和太鼓とジャズとシンセサイザーがすべてかぶりまくる。
うわわわわ。
野口先生「ここね、インテリにみせると評判悪いんですよ。檀家さんにみせるとここで一番感動するんですけどねえ。インテリはうるさいねえ。」と冗談めかしてお応えになる。
この武道館イベントは大成功しチケットは完売、黒字がてで、海外公演までしたそうである。興教大師もさぞや満足されたことであろう。

うつくしくも深い声明の世界にふれ、おおいに精神を涵養できた日曜の午後であった。
メンバーの一人Tさんは前の晩のみすぎて二時間しか寝ていなかったにもかかわらず(笑)、この長丁場で一度も居眠りすることなく、きらきらした目で声明を聞いていた。社会人学生のMさんも、伝統文化の直接体験にものすごく感動しています。
忙しい時間を割いて指導してくださった野口先生、本当にありがとうございました。このような出会いを与えてくださった、なんだかわかんない何かに心から感謝します。
ちなみに、
豊山派の声明の勉強会は「迦陵頻迦会」。
豊山派の声明がきけるのはそのメンバーの方の運営するhttp://www.eastvalley.or.jp/shomyo.html
です。仏教のグレゴリオ聖歌、お釈迦様ラブがつたわってきていいですよ〜。
聞いてみてください。
その後、明治通り沿いの交差点で、早大仏青120周年イベントについて、立ち話で(笑)トップ会談を行うが、その詳細についてはまた今度。
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-date-20060408.html
で、これが、すごくすごくすごーく、面白かった。

まず、本堂にあがらせていただき、般若心経・光明真言などでおつとめ。真ん中には南蔵院はじまっていらいのご本尊、薬師如来様がおわしまし、その両脇にはむろん金剛界・胎蔵界の両マンダラがかかり、むかって右には弁天様、左には豊山派の祖師たちが祀られている。
そして、声明の楽譜につく記号の読み方を「四智梵語」というテクストを例にとって懇切丁寧に教えていただく。
で、この記号が面白いんだ。らせん系の記号があって、これは「藤ユ」。藤のつるのように声を何度も螺旋状にゆらすので、この名前がある。
それで、「散華」という散華をしながら読む声明には、丸く弧を描いたような記号があり、これは「ひばり返し」。ひばりが天空でくるっと弧を描くように、声をまるくだすのである。
小豆は「小さく短く」(笑)。といった具合にこれはもう耳で聞いて覚えるしかない口伝の世界。一つ覚えるたびに伝統世界に参入していく妙な満足感がましていく。

そして、野口先生が鐃鉢(にょうはつ)と散華を実際にしながら、通しで声明を聞かせてくださる。功徳のく、仏道のうの発音が、数分間空間でゆれつづけるのにいたく感銘する。
ここまで懇切丁寧に指導していただけるとは思わなかったので、感謝感激。
そして、本堂を後にした後、13年前に日本武道館に千人の僧を集めて行われた声明コンサート?のビデオ「千人僧声曼荼羅」を拝見する。

野口先生は、この時の武道館イベントをしきった豊山派仏教青年会の一人で、この千人の僧の入堂フォーメーションをくんだ方である。千人の僧はまるで団体のシンクロのように、何方向からも入場して円を描きながら中心にむかって収斂していく。
僧侶たちの席は金剛界曼荼羅にのっとって九つのゾーンにわかれ、色もぬりわけられている。真ん中にはむろん大日如来をあらわすバンの字が大書され、豊山派の管長猊下が着席する。千人が着席すると非常に美しくかつ荘厳な空間ができあがった。
しかし、ここでこの巨大イベントに隠された大きな秘密を明らかにしてしまおう。じつは、当日の百数十人の欠席があり、「千人の僧」というふれこみはやや大げさであったのだ。僧侶たちの欠席の理由は、「急なお葬式が入った」から。人が死ぬ時期は左右できない。かわってもらおうにも自派の僧侶の三分の一がここに集合しているので、それも無理。しかしこのようなことはある程度織り込み済みであり、千人以上に話をつけていたので九百人は超えていたという。
千人の僧がとなえる声明は問題なく素晴らしいものであった。しかし、その合間にスキンヘッドのアーティストがジャズっぽい現代音楽を演奏する。
「なんですかこれは」
と私が尋ねると
野口先生「テレビ局が声明だけじゃ、視聴率がとれないというもんですから。」
私「その不埒なテレビ局はいくらか出してくれたんですか」
野口先生「いえ、これを撮影してくれただけ。武道館かりるのも数百万円かかり、音楽家の出演料でしょ? 赤字がでたらみんなでかぶる悲壮な覚悟でのぞみました」
私「声明だけで十分美しいじゃないですか」
後半より現代音楽と読経がかぶりだし、クライマックスとおぼしき般若心経読誦では、千人の僧の読経に和太鼓とジャズとシンセサイザーがすべてかぶりまくる。
うわわわわ。
野口先生「ここね、インテリにみせると評判悪いんですよ。檀家さんにみせるとここで一番感動するんですけどねえ。インテリはうるさいねえ。」と冗談めかしてお応えになる。
この武道館イベントは大成功しチケットは完売、黒字がてで、海外公演までしたそうである。興教大師もさぞや満足されたことであろう。

うつくしくも深い声明の世界にふれ、おおいに精神を涵養できた日曜の午後であった。
メンバーの一人Tさんは前の晩のみすぎて二時間しか寝ていなかったにもかかわらず(笑)、この長丁場で一度も居眠りすることなく、きらきらした目で声明を聞いていた。社会人学生のMさんも、伝統文化の直接体験にものすごく感動しています。
忙しい時間を割いて指導してくださった野口先生、本当にありがとうございました。このような出会いを与えてくださった、なんだかわかんない何かに心から感謝します。
ちなみに、
豊山派の声明の勉強会は「迦陵頻迦会」。
豊山派の声明がきけるのはそのメンバーの方の運営するhttp://www.eastvalley.or.jp/shomyo.html
です。仏教のグレゴリオ聖歌、お釈迦様ラブがつたわってきていいですよ〜。
聞いてみてください。
その後、明治通り沿いの交差点で、早大仏青120周年イベントについて、立ち話で(笑)トップ会談を行うが、その詳細についてはまた今度。
COMMENT
―でも自分だと長丁場では居眠りの無礼をしそうなので、潜り込まなくて正解でした(汗)(というか知りませんでした)。ていうかこの土日は、「下北沢に…行きたい…」とつぶやきつつ、寝てばかりの生活で出かけるどころではなかったんですが(^^;。(でもその下北沢の目的地には、月曜の仕事帰りに行くことが叶いました。先生にもオミヤゲありますんでお楽しみに〜(ニヤリ)。)
そういえばしばらく前に「南蔵院さんでは薔薇が咲いている頃だろうな〜こそっと見に行ってみたいな〜」と思いつつ、週末はツブれている日々を過ごしている内に7月になってしまいました。
般若心経と太鼓とシンセサイザー…きっと喜んじゃうクチです!自分の場合σ(^^;。
そういえばしばらく前に「南蔵院さんでは薔薇が咲いている頃だろうな〜こそっと見に行ってみたいな〜」と思いつつ、週末はツブれている日々を過ごしている内に7月になってしまいました。
般若心経と太鼓とシンセサイザー…きっと喜んじゃうクチです!自分の場合σ(^^;。
● すいません、次は声をかけます
イシハマ | URL | 2006/07/04(火) 10:29 [EDIT]
イシハマ | URL | 2006/07/04(火) 10:29 [EDIT]
仏青の今後も話し合おうと思っていたので、一般には告知しなかったのです。
すいません。
もう少し大勢が判明してきましたら、いずれ一般の方をいれてのイベントもしたいと思います。
すいません。
もう少し大勢が判明してきましたら、いずれ一般の方をいれてのイベントもしたいと思います。
● 是非!!
emichan | URL | 2006/07/04(火) 14:48 [EDIT]
emichan | URL | 2006/07/04(火) 14:48 [EDIT]
うわあ、いいなあと、指をくわえて読んでました。
ぜひ機会がありましたら、末席にもぐりこませてくださいませ♪
ぜひ♪ぜひ♪
ぜひ機会がありましたら、末席にもぐりこませてくださいませ♪
ぜひ♪ぜひ♪
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