白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2006/07/09(日)   CATEGORY: 未分類
皇帝陛下の優雅な生活
七月に入った。
もうすぐ、夏休み。
テポドンがまちがって東京に落ちないかぎり、
東京大震災がこないかぎり、
落ち着いて研究し、読みたかった本を読むことのできる夏休みである。

なので、七月にはいると、大学の先生方の顔は一様にゆとりがうまれ、
一方、学生たちの顔は一様に憂鬱になってくる。
学生には前期試験があるからね。

 八月末に国際チベット学会で梵、もといボンにいくので、その原稿も書かねば。関係ないけど、出張申請を箇所でまわすとき「西ドイツドイツ ボン」と書いてだしたつもりが、ドイツ史やっているセンセが「おい、西ドイツ ドン」になっているぞ、と言われた。

字が汚いといろいろあるね。

 学会の準備のために、今よんでいる史料は『清宮内務府造弁処档案總彙』である。
ひらたくいえば、『清朝の宮殿で皇帝が使うものをつくっちゃう工房の出納帳』である。そう、図書館様に一度申請したもののはねられ、しかしあきらめずに交渉を続けた結果、とうとう購入に成功した、あの高額図書である。

 わたくし大学に就職してから、まわりのおじさまたちのエネルギッシュで、政治的な行動に「ついていけないわ~。あんなふうになったら人は終わりだわ~」と眉をひそめておりました。しかし、気がつくと同じこと=「とにかく、ひかない(笑)」をしている自分に気づき、ちょっといやになりました。

選書担当の方、気が変わってくれてありがとう。
チベットより愛を込めて。

おかげさまで、わたしはHISにいって、北京までのバッタチケットかって、バッタホテルを予約して、深夜に北京についてつかれきってホテルにはいり、それから、翌日档案館にいき、面倒くさい手続きの後、やっとめざす史料をてにし、きびしい監視のもとでしこしこ手書きでうつす*、などという作業から解放されました。

*注 史料は手書きでうつすのが原則。一部の政治力のある人をのぞいて、マイクロフィルムにとらせてくれない。わたしは中国語がおそろしくできないので、そのような交渉をする気力も体力もない。そこで、ひたすらおしん(古)のように耐えながら、かきうつし続けるのである。

その史料がこうしてその文書館から本になって出版されたため、私は愛鳥とともにねころがって、自宅でごろごろしながら読めるのである。研究環境の大いなる改善である。ありがたいことである。

選書担当の方、気が変わってくれてありがとう。
仏のご加護があらんことを。

乾隆帝の豪華な生活を彩る、荘厳具、僧帽、仏像、お数珠、焼き物、コスチューム、料紙 などなどは、みな皇帝個人の工房で皇帝の注文によって作成される。

内務府のトップ(宦官)が皇帝の注文にそって、原型・模型をつくり、それを工房にもっていく、それにそって工房がものを作成し、できあがると、担当の宦官がそれを皇帝にみせ、ここで直しが入る場合もあれば、そのまま嘉納される場合もある。

今よんでいる乾隆9年、皇帝は有名なチベット寺・雍和宮を建立した年である。なので、皇帝は寺の中身をかざる仏像や曼荼羅や仏具を楽しそうに自分直属の工房に注文している。自分の欲しいものをなんでも自分のすきなように実現することのできる、うらやましい生活である。

そいえば、前に北海(かつては宮中内の御苑)のほとりで、Y嬢とK嬢と歩いていた時の会話を思いだす。

K嬢「センセは皇帝になったら何をしますか?」
私「言うまでもない。オカメインコ・ランドをつくって、中国の空をオカメインコでおおいつくす!」
Y嬢とK嬢「・・・・」

そして、各工房で、オカメインコ・ランドで売る、オカメインコ・グッズを一杯つくるんだ。オカメインコ教は平和宗教だから、国益にもかなっている(強引)。

少なくとも、国民が飢えているのに、一発110億円のミサイルを7発もとばしたキム王朝のジョンイル皇帝よりは、ましな皇帝になるはずである(どっちもどっち)。

愛鳥とともに史料を読んでいるとこのような妄想も限りなくひろがっていく。

ああ、夏休み、学問の神が舞い降りてくる。
[ TB*0 | CO*2 ] page top

COMMENT

 管理者にだけ表示を許可する

総統閣下は相当かっかしておられます | URL | 2006/07/10(月) 07:52 [EDIT]
>ドイツ史やっているセンセが「おい、西ドイツ ドン」

私が考えている教授だとすれば、「そりゃセンセのことですよね」とお返しになればよかったのに(笑)
● そこまでは思いつかなかった
イシハマ | URL | 2006/07/10(月) 08:23 [EDIT]
でも、ドンというよりゃー・・・・以下自粛

TRACK BACK
TB*URL
Copyright © 白雪姫と七人の小坊主達. all rights reserved. ページの先頭へ